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2011年06月10日

高カロリーの清涼飲料は子供に良くない 「水が一番」と米科学者

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食事療法
 米国で市販されているスポーツドリンクなどの清涼飲料は高カロリーのものがあり、子供や若者が適切な知識をもたずに毎日飲んでいると、肥満や生活習慣病の原因になるおそれがあるとの研究報告が米国で発表された。
 「身体活動や運動の量が平均的な子供や若者は、高カロリーであったり多量のカフェインなどを添加した清涼飲料を利用しない方が良いだろうと」と専門家は指摘している。

 この研究は、米小児栄養科学委員会(CON)と米スポーツ・フィットネス医学会議(COSMF)が共同で行ったもので、米国小児科学会が発行する医学誌「Pediatrics」オンライン版に5月29日に発表された。

 この調査研究は、子供のスポーツ・運動と清涼飲料の摂取との関連を調べたもので、家庭や学校、スポーツクラブ、食品市場などで活用できるガイドラインを作成することを目的としている。研究チームは市販されている主だった清涼飲料を集め、機能別に分類し、栄養成分を調べた。

 「市販されているスポーツ飲料や清涼飲料の多くは、糖分がかなり含まれており、肥満や虫歯の危険性を高めることが示唆された。カフェインなどを添加した飲料も多かった」と米国小児科学会のHolly Benjamin氏は話す。

 研究チームはまず、水分補給に適している飲料を検討した。適切な水分補給は、疲労や熱中症、認知力、スポーツ障害などの予防や、体内の電解質バランスなどに影響する。その結果「運動時や運動後の水分補給にもっとも適しているのは、スポーツ飲料や栄養飲料ではなく、ただの水である」と結論した。

 さらに、清涼飲料に含まれる糖分などの炭水化物を調べた。甘味料や機能性のある砂糖を含んだカロリーオフの清涼飲料をのぞいては、多くの製品にグルコースやフルクトースといった吸収の早い糖質が240mL当り2〜19g含まれており、ひと口で10〜70kcalのカロリーがあることが分かった。

 「糖質の過剰摂取は、肥満の危険性を高める。活発に体を動かす子供や若者にとって、糖質(炭水化物)はとても重要な栄養素でありエネルギー源でもあるが、ほとんどの子供は適切な量のフルーツジュースや低脂肪乳を毎日とった方が良いだろう」と指摘している。

 米国の清涼飲料の市場は拡大を続けており、運動後の糖質や電解質の摂取に良いと宣伝され、多くのスポーツドリンクが売られている。研究者らは「スポーツドリンクに含まれているのはカロリーのある糖分だけでない。カフェインやガラナといった成分も含まれていた」と述べている。

 米国小児科学会では、今回の調査研究をふまえて、次のことを推奨している。

  • 市販されているスポーツドリンクや栄養飲料の栄養成分について、小児科医は子供や親によく説明し、健康に与える影響について理解してもらった方が良い。
  • 清涼飲料の中には糖分が多く高カロリーのものがあり、過体重や肥満、虫歯を引き起こすおそれがある。子供や若者が毎日摂取するのは好ましくない。
  • ただし、電解質が適量含まれたスポーツドリンクが運動中・後の水分補給に適していたり、糖分を摂取する必要がある場合などは、機能性をもたせた清涼飲料の利用を必要に応じて行った方がよい。
  • 子供や若者の水分補給にもっとも適しているのは水であり、運動時などに勧められるのは水を飲むことである。

Clinical Report―Sports Drinks and Energy Drinks for Children and Adolescents: Are They Appropriate?
Pediatrics, doi: 10.1542/peds.2011-0965
Kids Should Not Consume Energy Drinks, and Rarely Need Sports Drinks, Says AAP(米国小児科学会 2011年5月30日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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