ニュース
2011年10月19日
糖尿病になると若いうちから加齢症状があらわれる 早期治療が大切
- キーワード
- 糖尿病合併症
米ミシガン大学のChristine T. Cigolle准教授らは「50歳代の糖尿病患者では、糖尿病でない同年代の人より“加齢疾患”が早くから出現し、危険性は2倍に上る」との研究結果を「Journal of General Internal Medicine」に発表した。
Cigolle准教授らは、ミシガン大学による全国規模の長期調査「Health and Retirement Study」をもとに、米国の2004年時点で51歳以上だった1万8,908人のデータを分析し、各年齢層別に比較した。 その結果、糖尿病のある51〜70歳の成人では、糖尿病のない人に比べ、年齢の高い人がかかりやすい病気の発症が増えることが研究で分かった。そうした“加齢疾患”には、認知障害、失禁、転倒、浮動性めまい、視覚障害、疼痛などがある。特に中年期の糖尿病患者ではその差は顕著にみられた。ただし、年齢を追うごとにその差は縮小した。 「我々の研究では、中高年では糖尿病を発症した時点で“加齢疾患”に対策するのが良いことが示された。糖尿病は体のさまざまな組織に多発的に影響する。糖尿病の治療をしっかりと行うことで、加齢に関連させるさまざまな疾患の発症を防げる可能性がある」とミシガン大学のChristine Cigolle氏(家庭医学・内科学)は話す。 研究では、これまで想定していた年齢よりも早い段階で、糖尿病を発見し治療を開始するのが望ましいことが分かった。「糖尿病を早期・発見治療できれば、“加齢疾患”を効果的に予防できるようになる」とCigolle氏は話す。 Age-related conditions develop faster in adults with diabetes(ミシガン大学 2011年3月31日)
Geriatric Conditions Develop in Middle-Aged Adults with Diabetes
Journal of General Internal Medicine, 26(3):272.9, March, 2011.
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
糖尿病合併症の関連記事
- 「卵を1日に1個」は健康的 卵を毎日食べても糖尿病や心臓病のリスクは上昇しない
- 塩分のとりすぎは糖尿病リスクを高める 減塩すれば高血圧も改善 減塩食品は身近で買える
- 座ったままの時間が長いと糖尿病や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動はいつ行うと良い?
- 牛乳やヨーグルトが脂肪酸のバランスを向上 野菜は高血圧を改善 菓子類はなぜNG? 糖尿病の人の食事
- タバコは糖尿病リスクを高める 禁煙すると合併症リスクは大幅に減少 禁煙後に太るのをどうすれば防げる?
- 「植物ベースの食事」が糖尿病リスクを軽減 高血圧も改善 肝臓と腎臓を守る
- 糖尿病にきく運動 ウォーキングと筋トレを組み合わせると効果的 メンタルヘルス改善にも役立つ
- 果物の食べすぎは糖尿病の人に悪い? ドライフルーツなら大丈夫? 果物の効果的な食べ方が判明
- 「歯周病」は糖尿病の合併症 血糖値を下げると歯周炎も改善 歯科でケアを受けるのは効果的
- 世界腎臓デー 腎臓病の十分な治療が行われていない 糖尿病の人にとっても深刻 香川大学などが調査