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2012年11月30日
野菜を上手に料理に加えると魅力がいっぱい
- キーワード
- 食事療法
食品が豊富にある現代では、子供の頃に野菜が嫌いで、その嗜好が成人してからも続いており、結果として野菜を好まない人が増えているという指摘がある。しかし、米コーネル大学が実施した調査によると、“野菜はおいしくて楽しいから”という感覚を育てれば、野菜を魅力的だと感じる人は増えることが分かった。
野菜嫌いは子供の頃に始まっている
「野菜が健康によいことはよく知られているが、米国人の食事の嗜好と行動の調査によると、野菜を好んで食べる人はわずか23%しかいない」と調査を行ったコーネル大学のブライアン ウォンシンク教授(消費行動学)は話す。
「食品の嗜好は小児期につくられる。子供の頃に野菜嫌いが定着すると、成人してからも野菜をとらなくなるおそれがある。家庭や親の食事の好みの影響は大きい」とウォンシンク教授は説明する。
調査は18歳〜65歳の大人と、家庭に18歳以下の子供が2人以上いる母親の合計500人以上を対象に行われた。
調査は4部構成で行われた。まずアンケート型式の質問により、子供に与えている食事と野菜の摂取状況について尋ねた。
次に対象者の前に野菜が含まれている料理と、そうでない料理の4種類の画像を示し、見た目と食事全体の印象について評価してもらった。
また、それぞれの食事の支度をする人(多くの場合は主婦)自身に評価をしてもらい、最後に、同じ食事を自分の子供の視点からみると、どう見られているかを予想し回答してもらった。
一連の調査であきらかになったことは、野菜を料理にとりいれると、食事全体の評価が大きく向上することだった。すなわち、野菜が加わると料理全体の印象や質感が高くなり、「すばらしい」「素敵」「おいしそう」といった肯定的な評価が増えた。さらに、野菜をとりいれた料理は、工夫され、配慮の行き届いたものと賞賛する意見も増えた。
母親の好きな野菜は子供も好き
「子供の半数以上は野菜嫌いとの調査報告があるが、実際には母親の野菜の嗜好が、子供に大きな影響を与えている。母親の野菜の好き嫌いがない家庭では、子供も野菜嫌いにならない傾向がある」とウォンシンク教授は言う。
調査の対象となった子供の83%は好きな野菜をもっており、母親がよく調理する野菜に“お気に入り”が多いことが分かった。また、母親が好きな野菜を子供の半数は好むことも分かった。
子供に人気のある野菜の上位は、トウモロコシ(32.2%)、ブロッコリ(29.4%)、ニンジン(23.2%)、グリーンビーンズ(17.2%)、ジャガイモ(11.8%)、トマト(11.4%)だった。
なお、野菜以外に子供に人気のある料理は、パスタ、タコス、ハンバーガー、ミートボール、ポークチョップなどだった。
「子供の嫌いな野菜があるからといって、親は落胆することはない。親が率先してその野菜を食べれてみせれば、やがて子供も食べるようになる可能性が高い」とウォンシンク教授は説明する。
この調査は、米国の食品会社バーズアイ社と、コーネル大学の研究者が共同で行ったもの。「野菜が“健康増進によいから”という理屈だけではなく、“おいしくて楽しいから”という感覚を育ててから、食事に野菜をとりいれみてはどうか」とアドバイスしている。
また、同社のホームページでは、人気テレビ番組アイカーリーとのコラボレーションによる企画も含め、子供が喜ぶ野菜メニューレシピや調理方法などの情報を公開しているという。
Adding Vegetables Enhances both Main Dish Expectations and Perception of the Cook(コーネル大学)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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