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2013年12月13日
お酒を飲むと顔が赤くなる人は高血圧に注意 毎日の飲酒は危険
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韓国の忠南大学による調査によると、お酒を飲むとすぐに顔が真っ赤になる人は、週に4ドリンク以上飲むと、アルコールによる高血圧症になるリスクが高まるという。
アルコール摂取の世界共通の基準として用いられているのは「ドリンク(基準飲酒量)」だ。1ドリンクには14gのアルコールが含まれる。これは、ビール340mL、ワイン140mL、ウィスキー42mLに相当する。健康に悪影響を与えないお酒の量は、一般的には1日に1〜2ドリンクとされている。
すると、"顔が赤くなる人"が週に4ドリンク以上飲んでいる場合、高血圧症になるリスクはお酒を飲まない人より2倍も高いことが明らかになった。
収縮期血圧(最大血圧)が120〜139mmHg、拡張期血圧(最低血圧)が80〜89mmHgであると、「高値血圧」と判定される。そうした人は高血圧症と診断されるほどではないが、血圧が高めで、将来に高血圧症を発症するリスクが高い。
「お酒で顔が赤くなってしまう人は、少ない酒量であっても、高血圧のリスクが高いことが明らかになりました。そうでない人も安心はできません。"顔が赤くならない人"であっても、週に8ドリンク以上を飲むと、高血圧症になるリスクが上昇します」と、キム博士は話す。
日本人を含む東アジア人のおよそ半数は、飲酒により顔が赤くなる「フラッシング」が起こりやすい体質をもっている。フラッシングは、アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドの毒性によって起こる。
アルデヒドを処理する酵素の働きが弱い体質の人は、飲酒で顔が赤くなりやすく、二日酔いを起こしやすい。頬や耳たぶに熱を感じたり、頻脈と動悸、ときには頭痛、発汗、めまい、眠けなどをともなうこともある。
アルコールを少量飲むと、一時的に血圧が少し下がり、脈拍数が増加する。これは、体内に吸収されたアルコールが酵素により酸化され、生じたアセトアルデヒドが血液中に増加し、体の末端部の血管を拡張するためだ。
しかし、飲み続けていると、アセトアルデヒドが引き続き酸化され、血中濃度が下がる。それにともない血管は収縮し、血圧は上昇していく。
アルコールを、長年にわたり飲み続けたり、日々の飲酒量が多いと、高血圧症のリスクはさらに高くなる。アルコールを1日に2ドリンク以上を飲むと、血圧が約3mmHg上昇するという。
「飲酒は高血圧症を引き起こし、心臓病や脳卒中のリスクも高めます。毎日の飲酒によって骨粗鬆症や認知症のリスクも上昇するという調査結果もあります。顔がすぐに赤くなってしまう人は、お酒の量を控えて、飲み過ぎないようにすることをお勧めします」と、キム博士は注意を促している。
Facial flushing is a sign of 'alcohol intolerance'(英国医療・保険サービス 2013年11月21日)
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