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2014年03月19日

魚の和風料理はエネルギーを調整しやすい 食事療法に活用

キーワード
食事療法
 魚は糖尿病の食事療法で上手に活用できる食材だ。魚料理の多くはエネルギーは少なめで、良質な蛋白質を含んでいる。体に良いEPAやDHAといったn-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)も含まれる。
魚の和風料理
魚の和風料理
魚の和風料理
知っておきたい「魚を食べるメリット」
 魚料理が体に良いとされる理由として、大きく次の2点がある――
  • コレステロールを下げるはたらきなどがあることから摂取を増やすべき栄養素とされる、不飽和脂肪酸の一種である「n-3系脂肪酸」を豊富に含んでいる。
  • カルシウム吸収に必要なビタミンDが豊富に含まれている。

 魚の和風定食はエネルギーや栄養バランスの調整をしやすい。洋食と比べ脂肪が少なく、ごはんの量を調整するだけでもエネルギーのコントロールが可能だ。

 外食で出される和風定食は、エネルギーが多すぎることが多い。ごはんは茶碗に軽く1杯(100g)で160Kcalだ。これを覚えておき、量が多すぎる場合はごはんを残すといい。

 定食では魚の量が多いことがある。例えば、サバの半身、サンマの塩焼きなどは、半分を残すとエネルギーをコントロールしやすい。

 “ひじきの煮物”、“ほうれん草のおひたし”、“きゅうりとわかめの酢の物”、“しらすおろし”といった野菜や海藻を中心とした小鉢を追加することで、不足しがちなビタミンやミネラルを補給することができる。

 ただし和風料理は、漬け物、汁類、煮物と塩分が多いものが多く、しょうゆを加えると塩分過剰になりやすいので注意が必要だ。“みそ汁や漬け物を控える”、“しょうゆを減らす”、“減塩しょうゆに変える”といった工夫が役立つ。

魚の揚げ物には注意
 揚げ物は、から揚げ、天ぷら、フライとあるが、どれも衣が多いほど吸油率が高くなり、高エネルギーになる。素揚げ<から揚げ<天ぷら<フライという順に衣が厚くエネルギーが高くなる。食べる回数や量を減らすのが無難だ。

 表面積が大きいほど衣の量も増えるので、魚の揚げ物では材料をなるべく大きく切るのがコツとなる。また、揚げる時間が長いと、それだけ衣が油をたくさん吸う。

1人当たりの魚の摂取量は年々減っている
 水産庁の調査によると、日本人が食べる魚の量は減少している。魚介類の国民1人1年あたりの平均消費量は、1995年は96.9kgだったのが、2009年には74.2kgに減少した。
 魚介類と肉類の国民1人1日当たり摂取量の推移をみると、魚介類が長期的に減少傾向にあるのに対し、肉類はほぼ横ばい傾向にあり、2006年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回った。その後、2007年、2008年と魚介類と肉類の摂取量が拮抗していたが、2009年には肉類と魚介類の摂取量の差が拡大した。

 調査によると、魚を食べなくなった理由として「子どもが好まないから」、「肉より割高だから」、「調理が面倒だから」、「魚焼きグリルを洗うのが大変だから」という回答が多い。

水産白書(水産庁)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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