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2015年01月07日
冬の入浴に注意 急な血圧の変動で起こる「ヒートショック」とは
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- 糖尿病合併症
自宅で入浴する際の事故が高齢者を中心に増えている。主な原因は温度の急激な変化により血圧が大きく変動して起きる「ヒートショック」だ。ヒートショック関連の入浴中の死者は推計年間1万7,000人に上り、冬に被害が多い。どうすれば、安全な入浴ができるのか。
入浴時の血圧の急激な上昇と低下に注意
「ヒートショック」とは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することなどが原因となり起こる健康被害のこと。失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞を起こすことがある。入浴時に急激な血圧低下により失神し、溺れて死亡するケースは、入浴時のヒートショックの典型的な例だという。
ヒートショックは体全体が露出する入浴時に多く発生する。住宅内で暖房をしていない脱衣室や浴室では、室温が10度以下になることが珍しくない。寒い脱衣室で衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が10度程度下がる。すると寒冷刺激によって血圧が急激に上がる。
この血圧の急上昇が、心筋梗塞、脳卒中を起こす原因のひとつとされている。さらに、一度急上昇した血圧は、浴槽の暖かい湯につかることによる血管の拡張で、反対に急激に低下する。この急激な血圧低下が失神を起こす原因となる。
通常、血圧の正常値は、130~80mmHgぐらいとされる。東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)の調査では、入浴後6分で30~90mmHgも血圧が下がると、失神して溺死する危険があるという。特に高齢者は体温維持機能が低下しており、血圧変化を来しやすい。
糖尿病や高血圧、脂質異常症のある人も、動脈硬化が進行していることがあるため、血圧のスムーズな維持が難しくなっているので血圧の変化には気を付ける必要がある。
ヒートショックは12月から1月にかけて増える
同研究所調査によると、2011年には約1万7,000人もの人々がヒートショックに関連した入浴中急死をしたとみられ、その数は交通事故による死亡者数(4,611人)を大きく上回る。特に外気温が低くなる12月から1月にかけて、入浴中に心肺機能停止となる人が、もっとも少ない8月のおよそ10.7倍に急増するという。
ヒートショックを防ぐための6つの対策
ではヒートショックを防ぐにはどうすればいいのか。ヒートショックへの対策として重要なのは、寒い季節、脱衣所や浴室を温かくすることだという。また、トイレも体を露出させる場所なので、温かく保つと効果的だ。
・ シャワーを活用したお湯はりシャワーを活用した浴槽へのお湯はりは効果的。高い位置に設置したシャワーから浴槽へお温をはることで、浴室全体を温めることができる。湯沸しの最後の5分を熱めのシャワーで給湯しても十分効果がある。 ・ 夕食前・日没前の入浴
夕食を食べる前、日没前に入浴することも良い対策法だ。日中は日没後に比べ、外気温が比較的高く、脱衣所や浴室がそれほど冷え込まないことに加え、人の生理機能が高い時間帯に入浴することで、温度差への適応がしやすくなる。 ・ 食事直後・飲酒時の入浴を控える
食後1時間以内や飲酒時は、血圧が下がりやすくなるため、入浴を控えた方がよい。 ・ 湯温設定41℃以下
お湯の温度を41℃以下にし、温め過ぎないようにすると、急激な血圧低下を防げる。 ・ ひとりでの入浴を控える
可能な場合は、家族による適切な見守りや、公衆浴場、日帰り温泉などを活用し、ひとりでの入浴を控えるといった方法も有効。 ・ 脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具設置や断熱改修
冷え込みやすい脱衣所や浴室、トイレを暖房器具で温めることは、効果的なヒートショック対策となる。加えて、窓まわりは熱が逃げやすいため、内窓を設置するなどの断熱改修で、外気温の影響を最小限に抑えることができる。 東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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