ニュース

2015年02月23日

ゆっくり吸収される砂糖で新しい食のスタイルを提案

キーワード
食事療法
「おさとうの会」レポート
 三井製糖は、1型糖尿病患者と家族の会「つぼみの会」とともに、「おさとうの会」を2月1日に東京で開催した。
ゆっくり消化吸収されるパラチノース

 第8回目となる「おさとうの会」に、1型糖尿病の患者と家族を合わせて27名が参加。緑風荘病院管理栄養士の藤原恵子氏が、ゆっくり消化吸収されるパラチノース配合の「スローカロリーシュガー」を使用したバレンタインスイーツ 「チョコレートプチケーキ」をデモンストレーション、その後、実際に参加全員でケーキを作り試食を行った。

 おさとうの会は、子供の成長過程における、精神的満足や“心の栄養”として、砂糖で作られたおいしい甘さを楽しめるおやつは重要と考え活動している。1型糖尿病患者が“甘いものに慣れるのは良くない”といった考えに対し、「砂糖は悪者ではない」という理念を発信している。

 「つぼみの会」は、1963年に当時東京大学小児科の丸山博博士(現松戸クリニック院長) が、患者の血糖コントロール教育のためサマーキャンプを開始したことをきっかけに発足した会。毎年サマーキャンプを開催するとともに、患者と家族を対象とした「家族講習会」を開催するなど、活発な活動を展開している。

重要なのはカロリーの質 「スローカロリー」を提案
 三井製糖は、糖質の消化・吸収速度がゆっくりであることを示す「スローカロリー」という、新しい食のスタイルを提案している。

 かつて食品は雑穀食や玄米菜食のように粗く、スローに吸収できるものが多かった。しかし現代の食品は、食材の加工度が高まった分、消化吸収速度は速いものが多い。家事や育児、仕事で多忙な人にとって吸収の速い加工食材は便利だが、そうした食事に頼っていると、肥満や生活習慣病のリスクを高めるので注意が必要となる。

 「スローカロリー」では、速やかに補給できる加工食品について、「口に入れた後の消化吸収がゆっくりで安心」という“新しい食スタイル”を提案している。「クイック補給できるのに、吸収はスロー」という次世代型の食スタイルだ。

 「パラチノース」ははちみつに含まれ、砂糖から作ることができる甘味料。ブドウ糖と果糖が砂糖と異なる位置でつながった化学構造をもつ。砂糖に似たすっきりとした味質をもち、消化吸収速度が緩やかで、血糖値の急激な上昇を抑える特徴がある。

高血糖や低血糖を起こしにくい
 「スローカロリーシュガー」は、パラチノースと砂糖をミックスした製品。上白糖のようにどんな料理にも使える。

 カロリーの吸収速度がゆっくりで「腹持ちがよい」、満腹感を持続しやすく「過食を防ぎやすい」、代謝を高めて脂肪を消費しやすいので「ダイエットに向いている」といった特徴がある。血糖値の上昇が穏やかなので、糖尿病の人にとっても魅力の多い製品だ。

 「パラチノースを配合した“スローカロリーシュガー”を調理に使用することで、小児1型糖尿病患者の血糖コントロールが良好となり高血糖や低血糖を引き起こしにくいという知見が得られている」と、東京都栄養士会会長の西村一弘氏は言う。

 当日の「おさとうの会」は、商品開発部ラボの見学ツアーや焼きあがったケーキのデコレーションで盛り上がった。できあがったケーキの試食では「おいしい」との歓声が上がった。

つぼみの会
三井製糖
スローカロリープロジェクト
スローカロリーの情報ファイル(糖尿病NET)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲