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2015年09月02日

2015年フィリピンの糖尿病事情(1) IFLレポート

 オーストラリアで途上国の糖尿病患者さんを支援するインスリン・フォー・ライフ(IFL)のスタッフが、2015年5月にフィリピン各地の医療施設を訪問しました。スタッフのNeil Donelan(ニール・ドナラン)氏より、フィリピンの糖尿病事情についてレポートが届きましたので、ご紹介いたします。
 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)を支援しています。
2015年フィリピン糖尿病レポート(1)
フィリピンへ出発

Neil Donelan 氏

 IFLオーストラリア&グローバルのメンバーが、2015年5月13日から31日にかけて、フィリピンの貧困状態にある1型糖尿病の患者の命を救うため、同国へ旅立ちました。

 IFLのチームは、私ニール・ドナラン、IFL運営幹部、今回のキャンプでIFL特別運営部隊となる協力者のほか、ジュビー・ホラスカさん(看護師)、メリー・ハリスさん(看護師)、疋田あゆみさん(看護師・1型糖尿病患者)、ジャクリーン・フランシスさん(ボランティア)から編成され、皆、オーストラリア在住です。

マニラ

 2015年2月、オーストラリア、バララト市在住のフィリピン人である友人を通じ、マニラ市カラムバ刑務所の管理、及び刑罰学行政官であるジェハン・バラダットさんから、IFLに支援要請がありました。 要請の内容は、刑務所を管轄する大臣・長官及び刑務所職員たちと面会し、IFLで1型糖超尿病を患っている服役者を支援できるか確認してほしいということでした。服役者たちは、糖尿病をコントロールするために必要なインスリンや注射器を入手する手段も、家族の支援もないのです。我々のチームは、2015年5月15日に刑務所を訪ねました。

 我々のチームは、(刑事)司法監督官であるフィリピナス・T・フルジェンシオさんと会い、25名の医療分野を含めた刑務所の職員たちに、IFLの活動内容と、IFLが服役者を支援することができる可能性について、パワーポイントを使ったプレゼンテーションを行いました。

 刑務所には現在900名が服役しており、うち200名が結核を患っています。結核は感染力が強く、回復までに6か月は隔離が必要なため、刑務所内の医療施設に隔離されています。結核患者たちは、政府から回復に必要な幾らかの経済的支援を受けることができますが、糖尿病患者に対する政府からの支援は、全くありません。

 多くの服役者が糖尿病を患っているものと思われますが、インスリンの支援を受けている人は、たった4名で、しかも、公的支援ではなく、服役者の家族からの支援です。インスリン支援を受けている服役者は皆女性で、ランタスを使用しています。この刑務所では、男性服役者、女性服役者は共にいますが、刑務所内では別々に収容されています。 フルゲンシオ監督官は、糖尿病検査を行う予算が政府から承認されていない下りてこないため、糖尿病を患っている服役者の正確な数は分からないそうですが、私は、1型糖尿運用病患者数が把握できなければ、IFLとしては、どんな支援物資も送ることはできませんと答えました。

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関連情報

2014年フィリピンの糖尿病キャンプ報告
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
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