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2015年12月19日

糖尿病患者数が過去最多の316万人超に増加 【2014年患者調査】

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糖尿病の統計
 厚生労働省は「2014年患者調査の概況」を発表した。糖尿病患者数は、前回調査(2011年)から46万6,000人増えて、過去最多の316万6,000人になった。

 「患者調査」は3年に1度、全国で実施されている。2014年調査の調査期間は、2014年10月のうちの3日間。抽出した病院6,402、一般診療所5,893、歯科診療所1,278で、入院・外来患者約304万4,000人の情報を集めた。
糖尿病患者数は316.6万人、高血圧患者数は1,010.8万人
 調査結果によると、「糖尿病」の患者数は316万6,000人となり、前回(2011年)調査の270万から46万6,000人増えて、過去最高となった。「高血圧性疾患」が104万1,000人増、「高脂血症」が17万6,000人増、「がん」が10万人増となっている。「脳血管疾患」は5万6,000人減だった。

 主な疾患の総患者数は――

となっている。

 推計患者数は入院が過去最低の131万8,800人(病院127万3,000人、診療所4万5,800人)だった。外来は723万8,400人(病院164万1,900人、診療所423万3,000人)で、2005年以降ほぼ横ばいの状態になった。

 うち65歳以上が占める割合は入院が71.1%、外来が48.5%、75歳以上が占める割合は入院が50.8%、外来が26.2%となっている。

外来患者数が過去最多の351万人
 65歳以上の高齢者の1日当たりの推計入院患者数は2014年に93万7,300人となり、2011年の前回調査から2万2,400人増えたことが分かった。外来患者数は351万200人となり前回調査から18万300人増え過去最多になった。

 外来患者の増加について、厚労省は「新薬開発や医療技術の向上を背景に、通院治療が可能な疾患が増えていることなどが挙げられる」と説明。高齢化社会を受け、入院患者を抑えて在宅医療を促す同省の政策が影響しているとみられる。

在宅医療が15万6,400人、前回調査から4割増加
 患者の自宅などを医師が訪れて診療する「在宅医療」を受けた人は2014年に1日当たり推計15万6,400人となり、1996年に調査を始めて以来最多で、2011年の前回調査の11万700人に比べると約4割増えた。

 在宅医療のうち、定期的な「訪問診療」を受けた患者は前回から7割増え、11万4,800人となった。必要に応じて医師を呼ぶ「往診」を受けたのは3万4,000人だった。

 在宅医療を受けた患者のうち、病院から医師らが訪れたのは1万4,400人、診療所からが10万1,500人、歯科診療所からが4万600人だった。

 厚労省は厚労省は在宅医療を推進しており、「在宅医療拠点となる病院や診療所に国が補助金を出して支援するなど、対応できる医療機関が増えたためだろう」と説明している。

平成26年(2014)患者調査の概況(厚生労働省)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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