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2018年11月22日
「運動不足」は糖尿病よりも高リスク 運動をより多く・座る時間は少なく
運動不足は、高血圧や糖尿病、喫煙といった健康リスクをもっている状態より、さらに健康に悪いという研究結果が発表された
ウォーキングなどの有酸素運動が寿命を延ばす
座ったままの時間が長く、運動不足が続いている状態は、心臓血管疾患や糖尿病、喫煙習慣などのよく知られた健康リスクと同じくらい、もしくはそれ以上に体に悪い――。米国のクリーブランド クリニックがそんな研究結果を発表した。
座ったままの時間が長い生活は、心臓病、脳卒中、高血圧、2型糖尿病、および全死因死亡のリスクの上昇につながることが、多くの研究で確かめられている。
一般的には、ウォーキングなどの中強度の有酸素運動を週に3〜5回以上行うことが推奨されている。運動の強度をどのように設定するかは、患者の体感を目安にする。一般的には、"楽な"運動から始めて、"ややきつい"運動が増えるように調整することが勧められている。
「高血圧や糖尿病のある70歳以上の高齢の方でも、運動による恩恵を受けられます。ただし、運動レベルの目標はなるべく高くした方が効果的です。そして運動を習慣として維持し、なるべく強度を高めていくよう努めるべきです」と、クリーブランド クリニックの心臓病が専門の医師であるウェル ジェイバー氏は言う。
関連情報
運動強度が高いほど死亡リスクが低下
研究には、平均年齢53.4歳の男女12万2,007人が参加した。クリーブランド クリニックの研究チームは、1991〜2014年の24年間、運動習慣の有無と、どれくらいの強度で運動しているかを追跡して調査した。
研究チームは、参加者にランニングマシンで運動してもらう実験を実施。この運動の成績と、運動習慣についての調査をもとに、さまざまな疾患による死亡と運動との関係を調べた。
参加者を年齢、性別、BMI、運動歴、糖尿病などの治療状況などを考慮しながら、次の5つのグループに分けた。(1)運動強度が低い(下から25%)、(2)平均以下(下から25〜49%)、(3)平均以上(下から50〜74%)、(4)運動強度が高い(下から75〜97.6%)、(5)エリート(トップの2.3%)。
その結果、運動強度が高いほど死亡リスクが低下することが示された。70歳以上では、運動強度が高い人では、平均以上の人に比べ、死亡リスクが約30%低下した。もっとも運動強度の高いエリートでは、運動強度が高い人に比べ、死亡リスクがさらに約30%低下した。
運動を習慣として続けている人と、運動不足の人の差は、時間が経つごとに拡大していったという。
運動を始めるのに遅過ぎることはない
座ったままの時間が長いと心臓病や心臓病のリスクが上昇
米国保健福祉省(HHS)は2018年11月に、新しい運動ガイドラインを発表した。米国人に対して、できるだけ多く体を動かし、座ったまま過ごす時間を減らすよう訴えている。
座ったままの時間が長い生活は、心臓病、脳卒中、高血圧、2型糖尿病、および全死因死亡のリスクの上昇につながることが、多くの研究で確かめられている。
ガイドラインでは、成人に対し活発なウォーキングなどの運動を、週に2回以上、合計で150分行うことを奨励している。ウェイトを使った運動やスクワットなどの筋力トレーニングも週に2日行うと良い。
運動により多くの恩恵を得られる 運動不足により毎年13兆円の損失
Association of Cardiorespiratory Fitness With Long-term Mortality Among Adults Undergoing Exercise Treadmill Testing(JAMA Network Open 2018年10月19日)
Updated Physical Activity Guidelines for Americans Now Available(米国保健福祉省 2018年11月12日)
Physical Activity Guidelines for Americans(米国保健福祉省)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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