糖尿病 男の悩み ―糖尿病と性機能低下―

2006年07月01日

1. 糖尿病と性機能低下の不思議な関係

C. 糖尿病では、どのくらい性機能が低下するのか?

a. ED の頻度は糖尿病でない人の2〜3倍

 それでは糖尿病になると、実際のところ、どのくらい性機能が低下するのでしょうか? ED については糖尿病でない方の2〜3倍多いと言われています。ただし年齢によって大きな差があります。ED はもともと加齢(年をとること)によって起こりやすくなる病気で、糖尿病でなくても年をとると ED の患者さんの頻度が増えます。

b. ED 以外の性機能低下

 ここまで、「性機能の低下」という言葉と「ED」という言葉を使ってきましたので、ここでその意味を整理しておきましょう。

 性機能の低下とは、文字どおり、性に関する諸機能が低下するということです。「性機能」と言えば、大きく分けて、(1) 性欲、(2) 勃起能、(3) 射精能があります。ですから ED も性機能の低下の一部です。

 ED 以外にどのような性機能の低下があるかというと、例えば射精障害があります。これは、勃起はしても射精できない状態です。糖尿病の合併症の一つである「神経障害」があると、射精障害が起きやすいと言われています。

 性機能の低下を広い意味でとらえれば、性的欲求を感じにくくなることも該当します。糖尿病で ED の患者さんの中には、「性的な欲求もあまりなくなったので、別に ED を治療しなくても構わない」と言われる方がいますが、そういう方も実際に治療を受け ED が改善すると、性的欲求も戻ってきて、表情にはりが出てくることがあります。そして、糖尿病治療への意欲が高まり、血糖コントロールが良くなるというケースも少なくありません。

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※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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