糖尿病 男の悩み ―糖尿病と性機能低下―

2006年10月01日

1. 一般男性への質問とその回答

EDの治療を受けている人は少数。パートナーも無関心?

 さて、アンケート回答者中、EDの自覚がある人が半数以上ということですが、それでは、実際にEDの治療を受けている人はどのくらいいるのでしょうか。過去1年間に勃起機能改善薬を服用したことがあるかないかを尋ねたところ、「ある」は11%と低率にとどまりました(Q.13)。また、パートナー(妻)からEDの治療を受けるように勧められた経験がある人も5%足らずです(Q.12)。国内におけるED医療が今ひとつ浸透しない現状を、そのまま表す結果です。

勃起機能改善薬を服用者の3分の1以上が、処方を受けずに購入

 勃起機能改善薬の発売以降、インターネットなどを通じて処方を受けずに購入するルートの存在が問題となっています。そこで、今回のアンケートでも、その実態を調べてみました。

 過去1年間に勃起機能改善を服用した人は33人です。そして、実にその3分の1に相当する12人が「医師の処方を受けずに服用した」と答えています(Q.13)。

 この方たちの属性をQ.2の回答でみたところ、12人中の10人が、「糖尿病で通院治療を受けている」方でした。勃起機能改善薬は安全性が高いとは言え、医師の診察を受けずに服用するのは問題です。また、偽物も流通しているようです。EDで困っている患者さんは、ぜひ、医師に相談してください。また、糖尿病の医師の側から、EDについて積極的に患者さんへアプローチしていくことも、このような状況を改善するために大切なことだと考えられます。

Q.12 パートナー(性的パートナー。妻)から、EDの治療を受けるように勧められたことはありますか?

(人) (%)
ある 15 4.8
ない 295 93.7
その他 1.6
315 100.1

Q.13 過去一年間で、勃起機能改善薬(レビトラやバイアグラ)を服用したことはありますか?

(人) (%)
医師の処方を受けて服用したことがある
→選択した人はQ.14へ
21 7.0
医師の処方を受けずに服用したことがある
→選択した人はQ.14へ
12 4.0
服用したことはない
→選択した人はQ.17へ
266 89.0
299 100.0

勃起機能改善薬によるQOL改善効果は6割前後

 勃起機能改善薬の臨床的な有効率は、約7割と言われています。では、患者さんの満足度はどうなのか尋ねてみたところ、「とても満足」「まあまあ満足」と答えたのは半数強でした(Q.14)。今回のアンケート回答者の3分の1強が、医師の処方を受けずに服用しているため(Q.13)、服用方法(服用のタイミングなど)が不適切な可能性や、偽薬の可能性も否定できません。医師の診察を受けて治療を受けることはとても大切です。

 勃起機能改善薬のED治療効果に加え、近年、QOL向上という波及効果が注目されつつあります。アンケートで、それらについてもいくつか質問をしたところ、服用経験がある患者さんの6割前後がQOL改善を実感していることがわかりました(Q.15)。とくに、「生きていることをより強く実感するようになった」かどうかについては、「強くそう思う」との回答だけで5割に達し、勃起機能改善薬の精神的な面でのアンチエイジング効果も無視できないことがわかりました。

Q.14 勃起機能改善薬を服用し、勃起機能についてはどの程度、効果を実感しましたか?

Q.15 勃起機能が改善すると、次のような“生活の質”に好影響があると言われています。あなたの場合はどうでしたか?

パートナーとの仲が良くなった

男であることの喜びが強くなった

生きていることをより強く実感するようになった

仕事への活力がでてきた

(糖尿病の人に限った質問)糖尿病の治療意欲が高くなった

[ DM-NET ]

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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