糖尿病 男の悩み ―糖尿病と性機能低下―
2006年10月01日
1. 一般男性への質問とその回答
患者さんの自発的な受診による治療開始が圧倒的。
患者さんは主治医からのアプローチを待っている
ED治療を受けた方(30人)に、治療を始めることになった最初のきっかけを尋ねたところ、全員が、患者さんの側からの自発的な受診で、医師の説明を受けて治療を開始した方はいませんでした(Q. 16)。では、医師から患者さんへの説明は、ED治療のきっかけにはなり得ないのかというと、決してそういうことではなさそうです。
その理由として、まず、糖尿病で通院治療を続けている男性患者のうち、主治医からEDの説明を受けたことがあるのはごく少数に過ぎないこと(Q. 17)、そして、EDについて相談したいが相談したことはないと考えている患者さんが4人に1人にのぼること(Q. 19)、医師に相談していない患者さんの中で、もし医師から切り出してくれたらEDの治療を受けたり検討したいという患者さんが6割弱にも及び、しかも5人に1人は「すぐに治療を受けたい」と考えていること(Q. 21)などが、挙げられます。
国内でED治療が普及しない原因として、医師の側からは「患者さんからの訴えが少ない」という声が聞かれます。しかし、これらのアンケート結果からわかることは、患者さんは、訴えたくても訴えられないのだということです。ちなみに、主治医からEDについて説明を受けた患者さんなかで、説明されたことを不快に受け取った方は皆無でした(Q. 18)。
以上の結果から、患者さんのQOL向上を考えるとき、医師の側からED治療についてひとこと声をかけることが重要であると言えるでしょう。
Q.16 EDで最初に診察を受けたきっかけは?
(人) | (%) | |
EDの治療を受けるために、自分の判断で医療機関を受診した | 16 | 53.3 |
ED以外の病気(糖尿病を含む)の治療のために通院中なので、その病気の主治医に自分から切り出して、治療を受け始めた | 14 | 46.7 |
ED以外の病気(糖尿病を含む)の治療のために通院中で、その病気の主治医がEDの話をしたことをきっかけに相談して、治療を受け始めた | 0 | 0.0 |
計 | 30 | 100.0 |
Q.17 これまでに糖尿病の主治医からEDの説明を受けたことはありますか?
「説明を受けたことがある」を選択した人はQ. 18へ
「説明を受けたことはない」を選択した人はQ. 19へ
「糖尿病のために通院したことはないので、いずれも該当しない」を選択した人(23人)はQ. 24へ
Q.18 主治医からEDの説明を治療を受けたとき、どのように感じましたか?
→回答後はQ. 24へ
(人) | (%) | |
患者のことをよく気にかけてくれる医師だと思った | 13 | 34.2 |
余計なことを聞く医師だと思った | 0 | 0.0 |
特になにも感じなかった | 18 | 47.4 |
その他 | 7 | 18.4 |
計 | 38 | 100.0 |
Q.19 自分から糖尿病の主治医に、EDについて相談したことや、相談しようと思ったことはありますか?
「相談したことがある」を選択した人はQ. 20へ
「相談したいと思ったことはあるが、実際に相談したことはない」を選択した人はQ. 21へ
「相談したいと思ったことはない」を選択した人(23人)はQ. 21へ
Q.20 EDについて主治医に質問したときの、主治医の対応はいかがでしたか?
→回答後はQ. 24へ
(人) | |
糖尿病の主治医自身がEDの治療にあたってくれた | 7 |
ほかの医療機関や診療部門の受診を勧められ、紹介状などの書類を用意してくれた | 4 |
ほかの医療機関や診療部門を受診するように言われたが、紹介状などは渡されなかった | 7 |
ED治療につながる情報は得られなかった | 0 |
計 | 18 |
Q.21 もし、糖尿病の主治医のほうからEDについて説明をされたとしたら、ED治療を受けてみようと思いますか?
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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