開催報告

第44回 若い糖尿病患者さんとのグループミーティングのまとめ

東京女子医科大学糖尿病センター 小林浩子 先生
(運営メンバー/ファシリテーター)

 第44回グループミーティングは場所を変えて浜松町で開催しました。患者さん25名、ご家族5名、医療者8名(内スタッフ4名)が集いました。

 午前中の自己紹介では、「発症した時は大変な状況でした。助かった命には何か役目があると思っています」、「もっと大変な病気があると思って、ついつい1型糖尿病のことをおざなりにしていました。このミーティングで改めて自分は病気なのだと認識して、身体を大切にしたいです」などなど... 皆さんが様々な思いを胸に参加されました。

 午後の小グループでは、親がどのように患児と関わるかがテーマに挙がりました。Aさんは「娘に対し、1型糖尿病になってしまったことを申し訳なく思う、と伝えたことはありません。辛いこともありますが、一緒に乗り越えています。」と話されました。子どもが1型糖尿病を発症すると、特にお母さんは自分を責め、また患児は自分の病気が母親を苦しめていることに自責の念を感じたり、その一方で母親を恨んだりすることもあり、最も大事な親子関係の中でとても繊細かつ大きな感情の波が渦巻くことがあります。そんな話に耳を澄ましていたBさんは、「発病して30年も経った今、1型糖尿病について、初めてお母さんと正直な気持ちで話しあうことができました。ようやく前に進むことができます。」と話されました。この真摯な語りに、医療者としては素直に感動しました。

 「1人で頑張っていたけれど、仲間がいるんですね」、「神経質になりすぎないよう、大らかに付き合ったほうがメンタルが楽になります」、「教えてもらった方法の中から、自分に合ったやり方をみつけていきたいです」...

 参加された方、ひとりひとりがお土産をみつけて帰途につかれたようです。
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