糖尿病は加齢や遺伝のほか、日常の生活習慣が誘因となって発病するので、「生活習慣病」といわれています。ですから、糖尿病になると生活習慣を改善するための指導が行われます。糖尿病の治療は、食事・運動・薬物療法が3本柱となりますが、中でも食事療法は治療の根幹となります。

   食事療法の指導では、その人に合った1日の適正なエネルギー(カロリー)摂取量が指示されます。これを栄養バランスを考えながら3食に分けて食事をとります。その際、食品交換表を使うことが多いかと思いますが、食品の目安量を表す1単位を80kcalとして計算します。指示された1日のエネルギー量を、食品のカテゴリー(表)ごとに、バランスよく何単位ずつとるかを振り分け、毎食のメニュー選びに役立てます。

   通常は、1日の指示エネルギー量を3食に分けるだけですが、食事以外に「おやつ」や「間食」を日常的に召し上がる方は多いのではないでしょうか。一般的に、「おやつ」とは、お菓子やデザート、ジュース類などの嗜好食品のこと。「間食」という言い方もありますが、こちらは3食以外で、食事と食事の間に摂る食品全般を示すので、小腹がすいたときに食べる軽い食事、お夜食なども入ります。

   もし、おやつ(間食)をとるのであれば、指示エネルギー量の範囲内で3食との兼ね合いを考える必要があります。無意識に、衝動的に食べてしまうと、エネルギー管理がうまくいかなくなってしまいます。また、“なかったこと”にして食事記録に書かず、主治医や医療スタッフに隠していても、血糖コントロールが乱れたり、うまくいかなくなる原因になってしまいます。病状によっては、禁止する必要のある方もおられます。ですから、おやつをきちんと管理し、注意深く、上手に工夫することが大切なのです。

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