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      <title>糖尿病と妊娠</title>
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      <description></description>
      <language>ja</language>
      <copyright>Copyright 2016</copyright>
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      <item>
         <title>Unite for Diabetes / 糖尿病と妊娠私がニューヨークの国連で話したこと</title>
         <description><![CDATA[<div class="img" style="width:250px;">
<img src="/calendar/2006ima/ufd_logo.gif" border="0" hspace="10"><br />
ホームページ <a href="http://www.unitefordiabetes.org/" target="_blank">www.unitefordiabetes.org</a>
<p />

<img src="http://www.dm-net.co.jp/column/2007ima/200708-3.jpg" border="0" width="250" vspace="5">
<div align="left">
（左から）国連の会議に参加したSansum糖尿病研究所（カリフォルニア州サンタバーバラ）のLois Jovanovic先生、大森安恵先生、エルサルバドル共和国のIrma Elena Reyesさん
</div>
<p />
<img src="http://www.dm-net.co.jp/column/2007ima/200708-2.jpg" border="0" width="250" vspace="5">
<div align="left">
ニューヨークの国連本部で講演を行う大森安恵先生
</div>
<p />
<img src="http://www.dm-net.co.jp/column/2007ima/200708-1.jpg" border="0" width="250" vspace="5">
<div align="left">
（左から）大森安恵先生、国際糖尿病連合（IDF）会長のマーティン・シリンク先生、内潟安子先生。シリンク先生来日時にデンマーク大使館での歓迎会で。
</div>
<p />
<a href="http://www.gawh.org/" target="_blank"><img src="http://www.dm-net.co.jp/column/2007ima/200708-4.gif" border="0" width="250" vspace="5"></a><br />
The Global Alliance for Women's Health<br />
ホームページ <a href="http://www.gawh.org/" target="_blank">www.gawh.org</a>
</div>

　国際糖尿病連合学会（IDF）と国連が協力して、糖尿病に対して団結しよう“Unite for Diabetes”というキャンペーンを2006年6月から始めた事を皆様ご存じでしょうか。
<p />
　患者さん向けの月刊糖尿病ライフ「さかえ」の本年度3月号に(社)日本糖尿病協会・清野裕理事長が、4月号に内潟安子さかえ副編集長がそれぞれ詳しく解説しておられるのでお読みになっている方もおられると思います。
<p />
　この活動は、国際糖尿病連合の会長Silink教授が、15歳の1型糖尿病の少女に導かれて、世界の糖尿病を良くしよう、糖尿病を減少させようと奮起され、国連に協力を求めたのが始まりだと伺っています。
<p />
　このプロジェクトは小児糖尿病、高齢者糖尿病、移民の糖尿病、原住民の糖尿病、糖尿病と妊娠の5つの部門に別れていて、各部門には6人のワーキングメンバーが世界中から選ばれており、専門の分野での問題点を討議しています。日本からは内潟安子先生が小児糖尿病部門に、私が糖尿病と妊娠部門の委員に選ばれています。偶然に2人とも東京女子医大糖尿病センターで研鑽しあった仲間であります。
<p />
　糖尿病と妊娠部門はいち早く、The Global Alliance for Women’s Health, IDF, WDF（世界糖尿病財団）らが協力して、ニューヨークの国連で会議がもたれました。
<p />
　講演は2007年2月28日午後1時から始まり、聴衆が世界16カ国を代表する非医師団なので、まずリーダーのDr. Jovanovic が糖尿病と妊娠の分野における治療上の問題点をのべました。
<p />
　続いて私は2型糖尿病が主流を為す国の糖尿病と妊娠の問題点を報告しました。つまり
<ol>
<li>日本を含むアジア、アフリカでは30歳以下の若年者と言えども2型糖尿病が95％を占めていること。
<p />
<li>2型糖尿病は発症から長いこと無症状に経過するので、発見されず、放置されている例が少なくない。妊娠の時初めて糖尿病を発見され、しかも単純網膜症のみならず増殖網膜症をもっている妊婦さえ4.2％もみられる。
<p />
<li>糖尿病のあることを知らずに妊娠すると先天異常児の生まれる率が高く、大森は（東京女子医大糖尿病センター、1997年）12.7％、大阪地区の和栗らの調査（1999年）では20.0％と報告している。
<p />
<li>未来を背負う子供達が健康に生まれ、母体の糖尿病合併症を未然に防ぐためには20歳から40歳前後の女性の糖尿病スクリーニングを政府主導で行うことが大切である。
<p />
<li>2型糖尿病の多い国では、見逃されている糖尿病や糖代謝異常を検診によって発見することは必要欠くべからざることであるが同時に、マスメディアを通して糖尿病の知識普及に務める事が大切である。
</ol>
というような、自分自身の日頃の臨床から得た経験を凝縮して提案させて頂きました。
<p />
　たまたま、10歳のときから私の定年退職まで診させていただいた患者さんが、私の発表の場に居合わせました。本年度5月号の「さかえ」51頁に彼女自身がその時の臨場感を“青空と風のエチュード”と題して記述しています。
<p />
　この前田利恵子さんが10歳で私の前に糖尿病前昏睡で現れたとき、お母上は悲嘆の余り涙にくれていました。私は「今は糖尿病があっても子供も生めるし人生が変わるわけではないです。いい人に巡り会ったとき、このお子さんを無傷でその人に渡してあげるから泣かないで下さい」とお母さんに約束をしました。
<p />
　彼女が27歳の時、私は結婚式によばれました。新郎に向かって“私は今、この大切なお嬢様を糖尿病があっても、合併症のない無傷で貴方にお渡しするのですから幸せにしてやって下さい”とスピーチをしてお願いをしました。今度は親戚の人たちがみんな泣いていました。ちなみに彼女は今37歳です。
<p />
　国連で私のスピーチが終わったとき、私の友人がこの話をして「Prof. Omori の治療のモデルがここにいます」と紹介したので、会場は拍手と涙でとても盛り上がりました。
<p />
　糖尿病は発症から中断することなくきちんと治療を続ければ、1型糖尿病、2型糖尿病に関係なく普通の人生が送れます。
<p />
　今、私は厚労省の後援を頂いて<A HREF="http://www.j-df.or.jp/" target="_blank">(財)日本糖尿病財団</A>、<A href="/jsdp/" target="_blank">日本糖尿病・妊娠学会</A>を主軸に「糖尿病の検出および発症予防<nobr>―</nobr>糖尿病から母児を守るために<nobr>―</nobr>」のキャンペーンに乗り出しています。]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2007/08/unite_for_diabetes.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">01</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 28 Aug 2007 17:58:18 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>妊娠を希望する糖尿病の患者さんへ-歴史が教える医学の愛、親の愛-</title>
         <description><![CDATA[　日々の生活の中には、突然、悲しいことや、嬉しいこと、情けないこと、怒りたくなるようなことなどが、絶え間なく起きてくるものである。だからこそ私達は軌道修正しながら緊張を失わず生きていられるのかも知れない。思いがけない感動もまたその刺激の一つである。
<p />

<div class="img">
<img src="/pre/2009ima/diabetescare_32_1cover.gif" border="0" vspace="5" /><br />
Diabetes Care<br />
January 2009, Volume 32, Number 1
</div>

　アメリカ糖尿病学会が発行しているDiabetes Care（糖尿病の管理）という医師向きの雑誌がある。最近私は、アメリカから送られてくるこの雑誌の新年号の表紙に載せられた1通の短い手紙のドラマに、動顛するほどの感動を覚えている。その感動を特に若い女性の糖尿病患者さん達に伝え、勇気を持って生きて頂きたいと思い、ここに執筆した次第である。
<p />
　「Diabetes Care」は、糖尿病の臨床研究を主にした、世界で最も権威ある月刊誌の一つで、医師のための国際的ジャーナルであるから患者さんは多分知らない方が多いと思う。
<p />
　一通の手紙とは1922年12月21日、8歳の少女がインスリンの発見者バンチングに宛てて書いたものである。鳥の飛んでいる見事な自作の絵の上に“バンチング先生にお会いしてインスリン注射をする勇気がわき、1日2回の自己注射を始め、此の5日間は砂糖なしの1900キロカロリーの食事をとり、とても気分が良くなりました”という主旨のお礼と報告を兼ねて書かれた手紙である。
<p />
　1922年といえば大正11年でバンチングによってインスリンが発見され、それが糖尿病の治療に使われるようになり、死に至る病としての糖尿病に、生き得る光明を与えた歴史上記念すべき年である。この少女が糖尿病と診断されたときは運良くインスリン治療がカナダのトロント大学で始まったばかりであった。
<p />
　少女の父親はバンチング先生に直接手紙を書いて糖尿病治療を依頼し、昏睡に陥って死の淵に横たわる娘を汽車に載せて、ウィニペグから1380マイルの遠路トロントに連れて行き、インスリンの治療を受けさせた由である。少女はインスリン治療で見事昏睡から蘇った。そのインスリン治療を始めたばかりの8歳の少女の手紙が雑誌Diabetes Careの表紙であ<nobr>る.</nobr>
<p />
　史上初めてインスリン注射を受けた患者さんはカナダのトンプソン少年であるが、この少女は多分第2弾の治療群のなかに含まれていると思われる。そして彼女はインスリン注射の御陰で立派に成長し結婚され、子供を産んだ。それは1型糖尿病の妊娠例の世界第1例ではないかと伺っている。残念ながら当時だから分娩後すぐ死亡された由である（私信による）。
<p/>
　しかしそのお子さんは立派に成長された。1型糖尿病になられたけれども。この方が、現在糖尿病と妊娠の分野で世界のトップリーダーを務めているアメリカ糖尿病学会の重鎮、有名なサンサム糖尿病研究所の所長ロイス・ジョヴァノビィック先生のお父上で、ジョヴァノビィック先生は表紙の手紙をかかれた8歳の少女のお孫さまであ<nobr>る。</nobr>
<p/>
　ジョヴァノビィック先生自身も18歳で発症した1型糖尿病でありながら2人のお子さんを育て、そのお子さん達はまた医師として現在活躍している。
<p />
　私はジョヴァノビィック先生とは糖尿病と妊娠の研究を通して30年来の親愛なる友人関係で、雑誌で読んで解らないストーリーは直接先生から伺ったものである。大正時代に1型糖尿病になったかたが無事成人し結婚出来る社会環境に感動するとともに、糖尿病になっても合併症無く社会活動される人々にも心からなる尊敬を感じる次第である。
<p />
　1922年から今日まで糖尿病の治療は信じられないほどの発展を遂げている。糖尿病と診断されてもコントロールさえ良ければ死の淵に立つ事は一切無い。糖尿病になっても打ち沈まず、合併症なく、手紙の主人公の一族のように生き生きと人生を歩んで欲しいと願っている。
<p />
<div style="width:500px; margin:0px 0px -20px 50px;">
<div align="center"><img src="/pre/2009ima/diabetescare_32_1coverfig.gif" border="0" vspace="5" /></div>
　親愛なるBanting先生<br />
　先生がご無事でお着きになられたことを望んでいます。<br />
　先生がお発ちになった日から私はとても勇気が出て、自分でインスリン注射をはじめそれを続けています。この5日間は砂糖なしの1900カロリーの食事（蛋白60g、脂肪163g、糖質94g）をとり、とても元気になりました。インスリンは1日2回しています。
</div>]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2009/04/02.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">02</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 28 Apr 2009 17:13:26 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>母子を糖尿病から守る予防キャンペーン</title>
         <description><![CDATA[<div class="title3">糖尿病があっても子どもは産める</div>

　糖尿病と妊娠に関する知識を広めるために医師のみならず看護師さん、患者さんの会合でお話をする機会がよくあります。私は糖尿病を治療しながら妊娠した患者さんの出産をお手伝いし、長いこと診ていた患者さんが、それぞれ2人のお子さんを育て上げインスリン50年賞をいただいた嬉しい思いを共感した経験が3度もあります。
<p />
　ところが、「インスリンを打ち続けて50年経った方に授与される“リリーインスリン50年賞”をご存知ですか」と聞くと、どの会合でも知っている方は沢山の聴衆の中に僅か2〜3名しかいません。

<div class="title3">母子を糖尿病から守る</div>

　「母子を糖尿病から守る予防キャンペーン」の1つとして、日赤の献血時に糖尿病の検査をして下さるのをご存知でしょうか」と問いかけると、知っていて挙手される方はもっと少なく、1人か2人です。
<p />
　我が国の糖尿病はたとえ子供やティーンエイジャーであっても2型糖尿病が多く、2型糖尿病は発病から10年以上も症状が出ません。したがって検査を受けない限り自分が糖尿病または糖尿病になりかかっていることはわからないのです。
<p />
　そのため、妊娠をしてはじめて糖尿病があることを診断され、既に増殖網膜症をもっていて、妊娠によってどんどん悪化していく患者さんや先天異常のお子さんを出産される方が多いのが現状です。

<div class="title3">献血時糖尿病チェックへの道</div>

　そこで、私は「若者が成人式を迎えたら糖尿病のチェックを受けよう」というキャンペーンを数年前から始めました。
<p />
　日本糖尿病財団の金沢康徳理事長、日本糖尿病･妊娠学会の中林正雄理事長のご協力を得て、このキャンペーンを推進し努力してきましたが、机上の空論になってなかなかうまく活動が展開されませんでした。
<p />
　厚労省に後援をお願いにいったとき、ふとした会話の弾みから日赤の献血の話になり、糖尿病があると献血ができないのに献血時に糖尿病のチェックがなされていないことに気づき、今から日赤に講義に行くという中林先生に検診チェックの交渉をお願いしました。
<p />
　先生は日赤血液事業審議会委員の肩書きをもっているため、日赤本社との交渉・連携はすべて先生を通してスムースに行われ、献血時の糖尿病検診は2009年3月から日本全国で実施されるようになりました。

<div class="title3">妊娠可能年齢女性の0.7％に糖尿病</div>

　日赤の献血は年間500万人が施行しています。16歳から40歳までの妊娠可能な年齢125万人の内0.7％に糖尿病または疑い糖尿病をもっている方がいることがわかっております。
<p />
　糖尿病が発症するという事は、血糖値が高くなることです。血糖値は通常食前でも食後でも約80〜100mg/dLの値を一定に保たれているのですが、糖尿病ではインスリンという血糖値を調節するホルモンが少ないため、食事をとらなくても容易に200mg/dL以上になります。
<p />
　血糖値200mg/dL以上が5年続くと体中の神経がおかされることになり、10年以上では網膜症が、15年以上続くと腎臓が悪くなります。コントロールの悪い方はたちまち尿毒症になって人工透析が必要になることすらあるのです。

<div class="title3">未治療で糖尿病合併症が進んでいると</div>

　この糖尿病の治療を行っていない合併症をもった患者さんの妊娠を、私はとても危険視しています。前にも述べた通り、網膜症があると妊娠によって急速に出血が増え、治療が十分でないと失明することすらありえます。
<p />
　腎症をもつ人の妊娠も、赤ちゃんは子宮の中で発育不全がおき、お母さんは子癇（<font size="-1">しかん</font>）といって昏睡に陥ることすらあります。また、奇形のある赤ちゃんが生まれることもあるのです。奇形の率は報告者によって違いはありますが10％から20％にもおよびます。
<p />
　糖尿病のない健常妊婦さんから生まれた子供にみられる奇形は約1〜2％であり、糖尿病があってHbA1cを7％以下にコントロールできていないまま妊娠した方から生まれるお子さんの奇形率は4％前後です。妊娠してはじめて糖尿病がみつかった方から生まれるお子さんの奇形率が最も高率なわけです。
<p />
　したがって、妊娠してはじめて糖尿病が発見された場合、糖尿病にとっても、妊娠の面からもどれほど不利益かお解りになると思います。本来、お子さんに恵まれ人生の幸せを享受すべきときに、痛々しい経験をなめなければなりません。そのため「糖尿病を早くみつけよう、母子を糖尿病から守る」キャンペーンが必要となるわけです。

<div class="title3">献血で糖尿病をチェックしましょう</div>

　妊娠糖尿病といって、まだ糖尿病にはなっていないが妊娠によって助長された軽い糖代謝異常があります。この病態については次のコラムで詳しく述べさせていただきますが、まだ糖尿病になっていなくても巨大児が生まれます。この糖代謝異常も献血時の健診でチェックしてもらうことができます。
<p />
　皆様、困った方のお力になれる献血をし、糖尿病のチェックを受け、万一糖尿病または糖代謝異常と診断されたら、医療機関できちんと治療を受けられ、合併症のない人生をおくれるよう、また良い妊娠結果が得られるよう努力しようではありませんか。
]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2010/11/03.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">03</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 02 Nov 2010 22:51:03 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>抜群の大使賞（Distinguished Ambassador Award）受賞の栄誉</title>
         <description><![CDATA[　自分の受賞の事など書くと鼻つまみ物にされそうでいささか躊躇を感じますが、「一般の社会のなかでも、特に患者さんに取って大きな意義あることですからぜひ書いて頂きたい」という編集部のご好意に甘んじて、ここに報告させて頂く事にしました。
<p />
　この“Distinguished Ambassador Award”は幾人かの人をのぞいて、恐らく誰も知らないと思います。“抜群の大使賞”“選りすぐれた大使賞”とでも訳せば良いのでしょうか。ヨーロッパ糖尿病学会の中にある「糖尿病と妊婦に関するStudy Group」が2010年に創ったものです。
<p />
　ヨーロッパ糖尿病学会は、アメリカ糖尿病学会に次いで糖尿病に関する世界の権威ある学会であり1920年に作られました。ヨーロッパ糖尿病学会には、糖尿病の中でも殊の外その道の専門家ばかりの集まりの研究会であるStudy Groupというのが15あります。例えば糖尿病腎症に関するもの、糖尿病網膜症、神経症に関するものなどです。私は「糖尿病と妊娠のStudy Group」に属しています。この糖尿病と妊娠のStudy Groupは1969年（昭和44年）に作られ第1回がフランスのモンペリエで開催されました。
<p />
　この“抜群の大使賞”は糖尿病と妊娠のStudy Groupが作った第1回目の賞であります。従ってこの賞を頂く事は、世界中で初めて選ばれた人になり、日本人でも初めて、女性でもはじめてということになり大変光栄な栄誉であります。ヨーロッパの医師でないと入会する事は出来ず、正会員による推薦によって初めて発表の機会が与えられるシステムになっています。
<p />
　私が東京女子医科大学を卒業して医師になったばかりの昭和30年代はまだ、糖尿病があると危険だから妊娠をしてはいけないという風潮が社会一般に浸透していました。私は自身の悲しい死産の経験をもとに、糖尿病と妊娠の臨床と研究を樹立しようと決心し、独学でその道を開拓して糖尿病妊婦は年々増えていきました。人には、いろいろの恩師や指導者がいるものです。しかし、日本に糖尿病と妊娠の専門家はいませんでした。その道のリーダーになるためには、誰にも負けない勉強が必要でした。
<p />
　私はある小冊子でヨーロッパ糖尿病学会の中に糖尿病と妊娠に関するStudy Groupつまり研究会が存在する事を知りました。そこですぐStudy Groupの創始者の1人であり、専門書「糖尿病妊婦とその新生児」の著者でもある、コペンハーゲン大学のヨルゲン・ペダセン教授に手紙をしたため、訪問しました。教授はこころよく研究会への発表を推薦してくださり、東洋の女性が糖尿病と妊娠の学問をしたいという希望と意欲をとても喜んでくださいました。そして先生の論文や資料など沢山ご恵与くださいました。1975年（昭和50年）の事です。
<p />
　それ以来私は毎年この研究会に自費で参画し、研究発表をずっと続けて参りました。10年後の1985年（昭和60年）ヨーロッパ以外の国から初めての会員に任命されました。ヨーロッパ以外の国ゆえ正会員ではなく名誉会員と呼ばれています。マルタ島で研究会が行われた時のことでした。この嬉しさは、マルタ島の景色とともに私には一生忘れる事の出来ない思い出のひとつになっています。その後ヨーロッパ以外のアメリカ、オーストラリア、インドなどから名誉会員が増え、研究会はグローバルになり、より活動的になっています。
<p />
　このような経緯で“Distinguished Ambassador Award”が創られたのだと思います。
<p />
　この栄誉ある受賞は2010年10月8日「第42回糖尿病と妊婦の研究会」がポーランド・ワルシャワで行われた時授与されました。この受賞は人生の終結ではなく、もっと頑張らなければという新たな覚悟が芽生えたような気がします。受賞に当たり感謝の代わりに皆様には次のようなメッセージを贈りたいと存じます。
<p />
<ol>
<li>悲しい事が起きてもそれを何時までも引きずらず前向きの姿勢を取る。
<li>人のために尽くすには金銭、骨身を惜しまない。
<li>目的を立てたらひとつの道を貫き通す。
<li>リーダーシップをとらなければならない立場に立つたら、絶えず学問、研究を続けなければならない。
</ol>
<p />
　この文章が糖尿病に悩める患者さん達のお役に立てばとても嬉しいと思っています。
]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2011/01/04.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">04</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 11 Jan 2011 11:23:38 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>糖尿病妊婦とリリーインスリン50年賞</title>
         <description><![CDATA[　第3回糖尿病ネットワーク「母子を糖尿病から守る糖尿病予防キャンペーン」を書いたさい、リリーインスリン50年賞の事をほんの少し書きました。しかし、依然知らない人が多いようですし、糖尿病臨床の中では患者さんにとって、とても勇気づけられる大切な賞ですから、ここに改めて取り上げようと思います。
<p />
　1921年（大正10年）カナダ、トロント大学でインスリンが発見された時、そのインスリンを世界で初めて製剤化し、死の淵で糖尿病に悩む人々に救済の手を差し伸べた製薬会社がアメリカのイーライリリー社でありました。1923年のことです。デンマークのノルディスク社（現ノボ ノルディスク社）も続いて製品化に成功した会社であり、両社は現段階でもインスリンを新技術で製造、世界に向けて供給し続けている国際的な製薬メーカーです。
<p />
　リリー社は、糖尿病でインスリン治療を50年以上続けている患者さんを顕彰する意味で「インスリン50年賞」を設立しています。これは米国ジョスリンクリニック糖尿病センターが1970年に創った患者さんへの賞がモデルになっていると伺っています。
<p />
　アメリカでは1974年（昭和49年）に、我が国では2003年（平成15年）に第1回受賞式が行われています。従って米国ではもう36年が経過し1500名以上の患者さんが受賞、表彰されているわけです。日本では8年経ち受賞者はようやく33名に達しました。<br />
　こんな素晴らしい賞の存在が意外に知られていないのは誠に残念です。
<p />
　2003年、第1回の受賞者は女性1名、男性2名でありました。その女性は、私が“糖尿病があっても妊娠、出産は可能である”と主張し始めて、東京女子医科大学病院で初めて糖尿病を治療しながら出産した1例目の方で向井孝子さんです。<br />
　東京女子医科大学は、1900年（明治33年）に29歳の吉岡弥生先生が教育における男女の差別に奮起し、女性の自立を目指して創立した医学校であります。64年後の1964年（昭和39年）まで、糖尿病者の出産は皆無でした。それは社会に妊娠可能な若い女性の糖尿病者が少なかった事と、糖尿病があると危険だから妊娠してはいけないと禁止されていたからでありましょう。
<p />
　東京女子医大での糖尿病妊婦出産第1例目の向井さんは、受賞のさい「妊娠中良いコントロールを守れば、合併症のない赤ちゃんが生まれるし、良いコントロールを分娩後も守れば、一生合併症に苦しむことはありませんと大森安恵先生に諭され、この教えを守り通して今日に至りました」という内容のスピーチを行い、嬉しく医者冥利に尽きる感じでした。
<p />
　男性のお1人は小学生の時、1型糖尿病を発症し、インスリン自己注射が認められていない時代だったので、5年間神戸の大学病院に入院したまま通学に励んだというお話をなさいました。時代とともに変わる糖尿病の治療の歴史、糖尿病に取り組む人の真摯な生き様の歴史を感動的に見聞きする事ができるのが受賞式の臨場感です。
<p />
　インスリン50年賞は、何らかの形で治療に関与した主治医が推薦するシステムになっています。その後私は食道癌の世界的大家で95歳になった中山恒明教授をご推薦しました。先生はまだ内服薬のない時代に45歳で糖尿病が発見され、1日3回〜2回のインスリン注射を50年間打ち続け受賞2ヵ月後にご逝去遊ばされました。3回のインスリン注射をしながら外科学教授の激務をこなされ、糖尿病合併症に苦しむことなく、彼岸の国に旅立たれたそのまじめな人生もまた感動的です。<br />
　その後家族歴の濃厚な糖尿病妊婦さん、死産で紹介された糖尿病患者さん達と、昭和40年代からつき合い、皆様とインスリン50年賞受賞の喜びを共有しています。
<p />
　2010年度の受賞者5名は、全員女性でありました。8年間の全受賞者33名の内女性は21名（64％）で、このうちの大部分の方は妊娠、出産を経験しています。合併症のない良いお子を生むには良いコントロールを守らなければならず、また女性はお酒や煙草をたしなむ人が少ない事も受賞に繋がっているように思われます。受賞者の皆様の共通点は，注射を続け合併症をほとんど持っていない事です。<br />
　そして「インスリン50年賞」はそれまでの人生の苦難を吸い取ってくれ、またそれまでの人生の締めくくりで、再出発の良い門出になるように感じています。
<p />
　インスリンの自己分泌が少なく、インスリン注射を拒み続けて主治医を困らせている方には、正しい理解の泉にもなるのではないでしょうか。]]></description>
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         <pubDate>Thu, 27 Jan 2011 13:53:01 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>糖尿病女性の妊娠に関する不安</title>
         <description><![CDATA[　まだ大きな爪痕を残している東日本大震災の被災者の皆様、お亡くなりになった方々に心からなるお見舞とお悔やみを申し上げます。
　
<div class="title3">看護師さん向けの本ですが</div>
　今年の始め頃、ある大学の看護学部教職の方から糖尿病患者さんの妊娠に関する本を執筆したので校閲して頂きたいという依頼を受けました。</br>
　その著作原稿は患者さん用のものではなく、直接医療・介護に当たる看護師達がどのような支援を行うべきかを主題にしたもので、その上糖尿病に関する細かい生理学から、妊娠と糖尿病の生理など優しく書かれているので、患者さんが読まれてもとてもためになるのではないかと思われました。</br>
　理論に誤りがないか、常識を逸していないかなど、チェックしてあげながら私自身にもとてもためになりました。
　
<div class="title3">不安になりやすいはじめての妊娠</div>
　それは糖尿病を持つ患者さんが思いもよらないほどいろいろの不安を抱えていることを知ったからです。糖尿病を持っていなくても妊娠は不安いっぱいなものです。ましてや妊娠が初めての体験では、食べ物一つにしても、「子供に悪い影響があるのではないか」「もっと食べるべきか、控えた方が良いか」など私自身医者でありながら、とても不安に苛なまされたことを思い出しました。糖尿病患者さんは、糖尿病を持つ分だけ不安が倍加されていることも強く再認識させられました。
　
<div class="title3">相談しやすい看護師さん</div>
　この教職スタッフの方達は若い１型糖尿病の患者さん達と語り合い、議論し合える会合やシンポジウムなどを何回も設けて患者さんが妊娠に関してどんな不安を持ち、医療者に何を求め、何が問題なのかをしっかり把握していることも判りました。</br>
　不安は個人や個人の家庭、またそれを取り巻く環境によって各々異なるので、気軽に相談できるための医療者の関わり方や、相談し易い窓口の設置が必要であろうというような提言まで書かれていました。</br>
　患者さん個人にもいろいろのタイプの方がいますので、一様にはいえませんが、病院の中で一番良く話を聞いてもらえて、相談し易いのは、看護師だといわれています。従って、看護師の経験、知識、学習も大変重要な意義を持ってきます。
　
<div class="title3">血糖コントロールと計画妊娠を</div>
　しかし、妊娠に限らず何事をするにも不安の伴わない日常行動はあり得ないものです。</br>
　私は糖尿病患者さんの妊娠に関する最大の不安は｢奇形｣の問題ではないかと思っています。妊娠をする前には常にHbA1cを7％以下に抑え、妊娠中は正常域の5％台のコントロールを保つことが、一つの不安解消の鍵になります。もう一つ計画妊娠を実施することは不安を和らげる大きな力になります。</br>
　計画妊娠とは、網膜症や腎症がないか合併症のチェックを受け、兒の奇形を予防するために血糖コントロールを良くした上で、主治医から「妊娠してよし」という許可を得てから妊娠することです。
　
<div class="title3">糖尿病のある若い女性の方へ</div>
　病院牧師チャプレン斉藤武先生は講演会で次のようなことを紹介しています。</br>
　1975年、ジョンズ・ホプキンス大学医学部のジェローム・フランク先生は卒業していく若い医師たちに「どんな病気の治療でも、それがその人の魂まで手当するのでなければ、はなはだ不完全である」と述べたということです。患者さんの不安を理解し、出来る限り支援しようとする看護師の方々の行為もまさにこのジェローム・フランク先生の哲学を具現しようとするものです。</br>
</p>　
このように素敵な看護師や医師は沢山います。患者の皆様、どうか良い医療をうけてください。]]></description>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">06</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 24 Jun 2011 15:04:55 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>奇形は予防できる</title>
         <description><![CDATA[<div class="title3">インスリン発見以前は</div>

　インスリンが発見されて不可能が可能になってから90年、非常に使いやすく便利な超速効型インスリンが出来て15年、日本で使えるようになって10年が経ちました。不可能が可能にという意味は、インスリンの無かった時代、糖尿病があって生き延びて妊娠することはあっても、妊娠によって母体は結核その他の感染症が悪化し糖尿病昏睡に陥り、胎児は子宮内死亡となり、母兒共に命を失う不幸に見舞われていました。

<div class="title3">インスリン発見によって</div>

　インスリンの発見、インスリン製剤の改良進歩のお陰で、今は糖尿病があっても血糖コントロールが良ければ、糖尿病の無い人と同じように妊娠出産が可能になったのです。<br>
　しかし、お母さんの糖尿病がきちんとコントロールされていないと、また母親に腎症や網膜症があると妊娠によってその合併症は著しく悪くなるばかりでなく、胎児にも影響があります。

<div class="title3">血糖コントロールが悪いと</div>

　母親の血糖コントロールが悪く、例えばグルコヘモグロビンが７％を超えているような場合、赤ちゃんが直接影響を受けておきる合併症は、生まれた時、低血糖や呼吸障害、低カルシウム血症、黄疸、多血症、巨大児、奇形、といったものがあります。<br>
　奇形と巨大兒を除くほかの合併症は，妊娠中の母体のコントロールを、血糖正常化に保つことによって解消することが出来るようになりました。<br>
　残された大きな問題は奇形で、ついで巨大兒を減少させることであるといわれています。

<div class="title3">本人や家族のために奇形は避けたい</div>

　奇形児が生まれると本人のみならず、家族を含めて皆さんに大きな悲嘆をもたらします。そればかりか1970年代までは奇形を持つ赤ちゃんは、死亡率が高く新生児死亡の大きな原因となっていました。<br>
　医療を行うものとしては、糖尿病があるだけでも負担を感じているのに、お子さんの奇形で負担がより大きくなることは、なんとしても避けてあげるべきだと思うばかりです。

<div class="title3">奇形は妊娠７週までに決まる</div>

　現在奇形に関する研究はかなり進んでいます。妊娠してから血糖コントロールを良くしても奇形をなくすことが出来なかった理由が分かりました。<br>
　アメリカ糖尿病学会から出版している医師向けの月刊誌に「Diabetes 」(糖尿病)という有名な雑誌がありますが、ミルス先生は1979年に、奇形の研究の結果として「糖尿病母体から生まれる子供の奇形は妊娠7週前に決定されている」という論文を発表しています。つまり糖尿病の母親から生まれる兒の奇形は、受胎してから７週前を器官形成期といって、手足や、内蔵などの出来上がる時期に血糖値が高いと発生するのです。

<div class="title3">奇形の研究も進んでいる</div>

　多くの研究者達の努力によって奇形の原因は、難しい医学用語ですから理解は難しいかもしれませんが、「ポリオール経路の活性化」と説明されています。<br>
　ポリオール経路とは、通常食物として食べた栄養素がブドウ糖になって細胞の中に入り、エネルギーとして使われる過程の代謝のひとつですが、血糖が高いと活性化して異常状態になりソルビトールという還元糖質を蓄積するようになります。そして、ミオイノシトールという物質が少なくなるとか、フリーラジカルが出来すぎることなどがあって、赤ちゃんの正常細胞の発育が障害され奇形が形成されると説明されているわけです。

<div class="title3">妊娠前から血糖コントロールを守る</div>

　7月3日日曜日の毎日新聞朝刊に出ていた健康記事の中に「人の体は細胞によって構成されています。人が活動をするためには細胞がきちんと保たれていなくてはなりません。此のためには食う、寝る、出す、が順調でなければなりません」と書かれていました。<br>
　胎児の細胞が正常に発育するためには母親の血糖が高すぎてはいけないのです。受胎して７週目というと、女性はやっとご自分が妊娠していることに気づく時期ですから、奇形を予防するためには、妊娠前から血糖コントロールをきちんと守っておくことが大切です。

<div class="title3">計画妊娠をしましょう</div>　
　奇形の仕組みを解説したので話が難しくなったかもしれませんが、要は計画妊娠をすることによって奇形は予防出来る、ということです。<br>
]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2011/07/07.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">07</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 07 Jul 2011 15:07:04 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>計画妊娠とは</title>
         <description><![CDATA[<div class="title4">計画妊娠とは</div>

　糖尿病妊婦にとって最も大きな不安は生まれて来る赤ちゃんが奇形を持っていないかということではないかと思うのですが、これは「予防できます」という話を前回お伝えしました。その予防法が計画妊娠です。<br />
　生まれてくる赤ちゃんの奇形を無くすために血糖コントロールを良くしてから、少なくともHbA1c（グリコヘモグロビン、1〜2ヵ月の血糖平均値）が7%以下になってから受胎することと、母体に糖尿病網膜症や腎症があると妊娠によってこれらは悪化するので、この2つの合併症を進行させないために糖尿病合併症を再チェックし、必要があればきちんと治療し、主治医の許可を得てから受胎するという臨床システムを計画妊娠と呼んでいます。

<div class="title3">計画妊娠への道</div>

　私は医師としての道理や糖尿病学を教えて頂いた恩師は、中山光重先生、小坂樹徳先生、平田幸正先生などをはじめとして先輩、友人、知人、患者さんを含め沢山いますが、「糖尿病と妊娠」を教わる恩師は日本にはいませんでした。<br />
　それで研究のためカナダのマックギル大学に留学し、その帰国途上糖尿病と妊娠では世界の最高峰と称されているデンマークのペダセン教授を訪ね、沢山の臨床の実際を教えていただきました。その上先生が真心込めて書かれた糖尿病と妊娠の本「The Pregnant Diabetic Woman and Her Newborn」を頂きました。この本は私にとって生涯のバイブルになっていますが、このなかにplanned pregnancy（邦訳：計画妊娠）がありました。<br />
　ペダセン教授の教えをもとに帰国してすぐ、私は「計画妊娠」と、妊婦治療のために「血糖正常化」いう臨床システムを作り上げました。1975年のことです。この時日本にはまだ計画妊娠という用語は勿論ありませんでした。

<div class="title3">発見が遅れやすい若年2型糖尿病</div>

　ヨーロッパやアメリカにおける妊娠可能な年代の糖尿病は1型糖尿病ですから必ず主治医がいて、良いコントロールを守っていれば奇形児の予防はできないことではありません。しかし若い10代でも2型糖尿病が主流を占める国での計画妊娠は非常に大切です。<br />
　2型糖尿病は血糖値200mg/dL以上の高血糖がかなり長く続かなければ症状がでてきません。したがって、無症状のうちに合併症がでてくることもありますし、また妊娠して初めて糖尿病があることを診断され、しかも、網膜症や腎症の糖尿病合併症をもっていることもあるのです。<br />
　こういう状態では奇形児が生まれるばかりでなく、進行した網膜症は妊娠によって著しく悪化します。腎臓の機能が悪くなる腎症では、赤ちゃんの発育が障害され未熟児になり易く、母親は子癇前症といって重篤な状態に陥ります。<br />
　それゆえ、奇形を予防するために妊娠前から良い血糖コントロールを保つことと、妊娠前に網膜症や腎症のチェックを受けてから妊娠をする計画妊娠が役に立つ訳です。

<div class="title3">計画妊娠の実情</div>

　私が計画妊娠を始めて、今年で37年になります。計画妊娠を実施して妊娠している人は東京女子医大で1型糖尿病80%、2型糖尿病では約50%前後しか実行されていません。だから奇形が生まれる率が減らないのです。私が女子医大で糖尿病センター長を勤めていた1985年代は1型糖尿病の計画妊娠率は60%、2型糖尿病で僅か40%でした。<br />
　多くの妊婦さんは「妊娠しました。宜しくコントロールをお願い致します」といって紹介されるのが普通でした。今もこのパターンはあまり変わっていないようです。

<div class="title3">計画妊娠を学び実行する</div>

　計画妊娠を学習した患者さんからこのパターンを変えていくと、妊娠にまつわる不安は無くなり、問題の無い良い赤ちゃんが生まれることになりましょう。]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2011/08/08.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">08</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 12 Aug 2011 15:57:22 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title> 計画妊娠の実際</title>
         <description><![CDATA[　前回の連載「<a href="http://www.dm-net.co.jp/pre/2011/08/08.php" target="_blank">計画妊娠とは</a>」で、元気なお子さんを生んで頂くために、糖尿病における計画妊娠とはどういうものか、どんなメリットがあってどうすればよいかなどについて記述致しました。
<p />
　今回は計画妊娠の実例として、糖尿病を持たない健常女性の妊娠と全く同じく、母兒共に合併症のない良い分娩結果を得ることができた方をご紹介しようと思います。<br />
　さらに成長されたお子さんが、母親のインスリン注射や低血糖などをどのように捉え対応しているか、糖尿病のセミナーで受けた質問に対するお答えを資料としてお借りすることができましたので、公開させて頂き、皆様と感動を共有したいと思います。

<div class="title3">計画妊娠の実際</div>

　ここでもう一度簡単に、計画妊娠のまとめと、前回述べられなかった計画妊娠の実際を復習しておきます。計画妊娠とは生まれて来るお子さんの奇形を予防するために、受胎前のHbA1cを7%以下に保ちながら、母親の糖尿病合併症、つまり網膜症や腎症が妊娠によって悪くならないように、合併症の再チェックを受け、必要があれば網膜症の、腎症の治療を受けてから主治医の許可を得て妊娠することです。
<p />
　これに付随した計画妊娠の実際として
<ol>
<li>毎日基礎体温を測る。
<li>飲み薬で治療している方は、インスリン治療に切り替える。
<li>肥満者はできるだけ、妊娠前に標準体重に近づける努力をする。
<li>もう一度食品交換表に則って食事療法を見直しておく。
<li>正常血糖に近づけるため血糖自己測定法を十分マスターしておく。
<li>ご家族には妊娠初期に起こりやすい低血糖について学習して頂き、グルカゴンの筋肉注射を含めた低血糖の治療法を知ってもらう。
<li>ご自分はむろんのこと、家族で糖尿病と妊娠に関する知識を積み重ねておく。
</ol>
　これらのことを実行すれば、本当の意味の計画妊娠を具現することができます。<br />

<div class="title3">計画妊娠のひとつの軌跡</div>

<b>本による出会い、入院</b>
<p />
　1987年（昭和62年）、私は自分の悲しい死産の体験を基調に、糖尿病の人々がもつ悲惨な妊娠結果を良くするために『女性のための糖尿病教室-妊娠・出産を安全にするー』という患者さん向けの本を出版しました。それは表題が示すように、糖尿病者の妊娠出産に関する手引き書で、［第1章］生と死、悲しい思い出、こうして糖尿病妊婦の出産が可能に、［第2章］糖尿病とはこういう病気である、［第3章］糖尿病と妊娠のかかわり合いなど、などを盛り込んだものです。<br />
　これは、近代医学が始まって以来、日本で初めて出版された糖尿病と妊娠に関する書籍として、マスメディアにさかんに取り上げられ、全国の書店に並べられました。<br />
　19歳で1型糖尿病を発症した飯田智恵さんと、この本がご縁で、出会うことができました。昭和62年出版直後のことです。
<p />
　飯田さんは、この時29歳で既に10年の病歴があり糖尿病では妊娠継続は不可能であると、人工流産をさせられた経験を持っていました。やっとできた胎児喪失の悲しみと、糖尿病を持つことをご主人に対してどれほどすまなく辛く感じていたことでしょう。<br />
　彼女は私の本を読んで、糖尿病があると妊娠出産はできないというのは間違いであることを知り、すぐ関西から上京し東京女子医大糖尿病センターに入院しました。<br />
　合併症も無いので正常血糖を目標に、万全のコントロールを整え、奈良に帰ってすぐ妊娠しました。
<p />
<b>はじめての糖尿病合併妊娠例として</b>
<p />
　地域の大病院でも、当時まだ糖尿病合併妊娠の出産例はなく、第1例目だったそうです。しかし医療者の暖かく手厚い治療で問題の無い健常な女児を出産されました。30歳の時です。常にコントロールは良く合併症もないので、34歳で次女も出産しています。<br />
　ご本人はいま53歳、長女が社会人1年生、次女大学1年生です。
<p />
<b>みごとなその後</b>
<p />
　2002年（平成14年）、奈良で日本糖尿病・妊娠学会が開かれた時、私はこの実に和やかかつ、爽やかなお子達に初めてお会いしました。飯田ご夫妻とは16年ぶりの懐かしい再会でした。<br />
<p />
　ここに掲げるお嬢さんの質疑応答は、平成22年7月仙台で行われた「1型糖尿病セミナー」の記録だそうです。セミナーにおける長女めぐみ様への一問一答です。

<blockquote>
<b>Q1．お母様の糖尿病をいつどのように理解しましたか</b><br />
<b>A</b>　特別にきちんと理解した時期というのはなかったような気がします。生まれてから、家に注射器があって、母がご飯の前にそれを打つ・・・。それはとても当たり前の光景でした。母には必要なものだなと漠然と感じていたのだと思います。<br />
　そして、私は患者会に小さな時から家族で参加していたので、そこでの勉強会や同じ病気をもつ同世代の友達からのレクチャーで、少しづつきちんと理解していったのではないかと思います。<br />
　また母が幼い私達にも、子ども扱いすることなく説明し、頼りにしてくれていたことがとても大きかったと思います。それが私達の誇りでもありました。小さいながらに「お母さんを守る！」と張り切っていたのだと思います。<br />
　ひとりの「人」として対等に関わってくれたことで、「私達も理解したい！」と思えたのだと思います。<p>

<b>Q2．血糖コントロールのサポートについて</b><br />
<b>A</b>　コントロールは母がきちんと自分で行っているので、私達家族は低血糖のときのサポートを行うくらいです。<br />
　母が低血糖になりそうな時をキャッチし、さりげなく「食べる？」と促したりします。でもそれは特別なことではなく、靴紐が解けそうになっている人が紐を結び終わるまで待っていることと、なんら変わりのないことだと思います。<br />
　また、母は低血糖になると素直に食べてくれないので、そこを「これ新発売のジュースやで！」「めっちゃおいしいで！」などいいながら食べさせるのが私達の役目です。<br />
　母に食べてもらえるようにするのは、誰よりも私と妹が一番上手だと思っています（笑）。
<p>
<b>Q3．家族として</b><br />
<b>A</b>　1型糖尿病であることは母のほんの一部です。けれども、この病気があるからこその「強さ」「優しさ」でもあるとも思います。<br />
　母は病気と闘いながらも頑張って私と妹を生んでくれ、その病気を逃げにすることなく、家事もバリバリ、テニスもバリバリ、患者会の活動もバリバリ、私達の学校行事にもバリバリ参加してサポートしてくれます。<br />
　娘の友達ヤテニス仲間から「めっちゃおもしろい、元気な母さんやね！」といわれて「ニヤッ」と笑う母が大好きです。そして、そんな母に強い尊敬の念を抱いています。<br />
　何があっても「尊敬」の気持ちがあるので、私達は母に逆らえません・・・（笑）。でも、家の中にそういう人がいるのはとても素晴らしいことだと思います。「この人を超えられるのだろうか・・・」と私達にとって母は大きな壁となり、目標となってくれています。そして、母の病気があるからこその「家族の絆」はとても強いものだと思います。<br />
　母と娘の関係でいえば、お腹にいるときから共に戦ってきた戦友でもあり、夫婦の関係でいえば発症当初から支え合ってきた旧友でもあります。だからこそ、私達は家族より「仲間」という意識の方が強いのかもしれません。<br />
　私達は、この1型糖尿病を通じて、より強い絆を築いていける、そういった素晴らしいチャンスを得られたのだと思います。そのチャンスをくれた1型糖尿病に感謝しています。
</blockquote>
　性格や頭脳、才能は計画妊娠と関係ありませんが、なんと羨ましい、あっぱれなお答えでしょう。此の症例は計画妊娠のひとつの理想の姿ではないでしょうか。]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2011/11/09.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">09</category>
        
        
         <pubDate>Wed, 09 Nov 2011 15:31:27 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>妊娠と糖尿病網膜症</title>
         <description><![CDATA[<p>
　2012年2月にインド、チェンナイ（旧マドラス）で第4回の国際糖尿病・妊娠学会が開催されました。これは略してIADPSGと呼ばれています。<br />
　新しい妊娠糖尿病の定義、診断基準を作成し世界を同じ基準に統一しようと、国際会議を何度も開いて努力し作り上げた学会です。糖尿病と妊娠の分野にとってはとても有難く有意義な学会です。<br />
　その学会に私は招聘を受け、「妊娠時の糖尿病網膜症」と題して講演をする機会を与えられました。
<p />

　最近日本の学会は、糖尿病を持つ人の妊娠の問題を忘れてしまったのではないかと思いたくなる位、「妊娠糖尿病」に力が入っていて、糖尿病者の妊娠の問題を余り取り上げていません。したがって日本でも話題にする事は有意義だと考え、今回はチェンナイと同じく「妊娠時の糖尿病網膜症」についてお話ししようと思います。<br />
　それは増殖網膜症を放置すると、妊娠を契機に失明する事もあり得るからです。

<div class="title3">1. 糖尿病網膜症およびその周辺のこと</div>

　網膜症とは眼の底にある網膜という視細胞層に出血の起こる病気で、糖尿病の高血糖によって起こるものと、その他の原因で起こる網膜の病気とに分けられます。<br />
　ここでお話しするのは勿論、糖尿病によって起こる糖尿病網膜症と呼ばれるものです。したがってここでは妊娠と糖尿病網膜症のお話をする訳ですから、単に網膜症と略してあります。
<p />

　現在糖尿病の治療そのもの、つまり血糖コントロールは飲み薬もインスリン製剤も共に著しく進歩、発展しています。網膜症の治療法も信じられない程、進歩、改善されて、よほど治療の時期を失しない限り失明にいたる事は殆ど無くなりました。
<p />

　妊娠に関係なく一般の糖尿病者で、約10年前までは糖尿病による失明の原因疾患の第1位が網膜症でありましたが、現時点では緑内障が失明原因の第1位で25 %を占め、網膜症が第2位となり21%を占めていると報告されています。

<div class="title3">2. 血糖が高いと網膜症が形成される</div>

　血糖値が200mg/dL以上になり、それが10年以上続くと確実に網膜症は発生すると言われています。従って私たちは糖尿病の治療をしていない人で網膜症があると、“糖尿病が発症してからもう10年以上は経っている”と判断します。<br />
　そしてコントロールの悪いままにしておくと網膜症は出血や白斑、新生血管といった形の状態がどんどん進行して重症度を増していきます。<br />
　網膜症が形成されたばかりの新しいものは単純網膜症とよばれ、さらに進行、増悪したものを増殖前網膜症、それから一段と進行したものを増殖網膜症とよんでいます。
<p />

　妊娠をしていなくても、糖尿病の治療が不十分で血糖コントロールが悪いと網膜症は必ず悪くなります。しかし妊娠をしていて網膜症が、増殖前網膜症や増殖網膜症を合併している場合、これらは非妊娠時と比べものにならない程急速に悪化します。
<p />

　この原因については沢山の研究がなされていますので、ここにその増悪要因ともいえるものをあげてみます。
<p />
<ol>
<li>妊娠前および妊娠中の高血糖<br />
<li>高血圧<br />
<li>高脂血症<br />
<li>急速な血糖正常化<br />
<li>糖尿病の長い罹病期間<br />
<li>毛細血管周細胞の変性<br />
<li>IGF-1とよばれるホルモンの増加<br />
<li>血管内皮成長因子(VEGF)や血小板凝集能の増加<p>
</ol>
があげられます。これらは妊娠をしていなくても網膜症の増悪に働きますが、妊娠時により一層強く作用して網膜症が悪くなる引き金になります。

<div class="title3">3. 妊娠時の網膜症の変化率</div>

　私が女子医大病院で糖尿病妊婦さんの治療管理に当たっているとき調べたデータで、網膜症の合併が全く無い人、または軽い網膜症があっても妊娠によって影響を受けなかった人は78.3%、妊娠するまで糖尿病の検査を受けた事が無く妊娠して初めて糖尿病がある事が分かり、しかも増殖前網膜症或は増殖網膜症を発見されて妊娠により悪化した人は17.5%いました。<br />
　また紹介されて初診し増殖網膜症があり、何よりも先ず光凝固療法をしなければならなかった人は、4.2%いました。

<div class="title3">4.網膜症の悪化と失明</div>

　妊娠中に網膜症が悪化した人や、紹介されてきていきなり光凝固を必要とした人々は、分娩が終わるまでに失明に至るのではないかとどれほど心配したか分かりません。心配をよそに多くの人は眼科医の手厚い治療と光凝固療法のおかげで無事に出産を終了できました。
<p />

　私が定年までに631分娩例をケアしたその中で、失明に至った人は二人おられます。何れも妊娠してから糖尿病がある事を発見され増殖網膜症まで合併していたため紹介、初診されてきた症例です。そして光凝固療法の威力も私達の心からの医療熱意も全く効果を発揮する事ができず、赤ちゃんは無事に生まれましたが母体が失明に至ったのです。
<p />

　医学の進歩した現在、こんな悲しみを繰り返さないために、また糖尿病患者さんの幸せを守るために、私は2型糖尿病の多い国では、妊娠前の糖尿病チェックと計画妊娠の重要性を強調しなければならないと思っています。]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2012/07/10.php</link>
         <guid>http://www.dm-net.co.jp/pre/2012/07/10.php</guid>
        
          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">10</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 09 Jul 2012 18:08:37 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>妊娠時のインスリン治療の進歩</title>
         <description><![CDATA[<div class="title3">はじめに</div>
2009年2月、<A href="http://www.dm-net.co.jp/pre/2009/04/02.php" target="_blank">妊娠を希望する糖尿病の患者さんへ-歴史が教える医学の愛、親の愛-</A>と題して、恐らく１型糖尿病における世界で初めての出産例であろうと推定されている
ジョヴァノヴィック先生のお祖母さまが8歳の時バンチング先生に宛てて書かれた絵手紙をご紹介した。<br>
　1922年12月のお話である。<p>

繰り返しは良くないので、ここに再記述を避けるが、妊娠時におけるインスリンの話をするとなるとどうしてもこの健気な8歳の少女に心を奪われてしまうのである。
<p>
<div class="title3">初の１型糖尿病妊娠出産へ</div>
この8歳の少女は、1922年(大正11年)父親の機転と叡智に支えられ、発見されたばかりのインスリン治療をバンチング先生から直接受ける幸運に恵まれた。糖尿病昏睡という死の淵から生還して成長し結婚，妊娠、出産したのである。<p>

米国カリフォルニア州サンタバーバラにあるサンサム糖尿病研究所所長ロイス,ジョヴァノヴィック先生のお祖母さまである事は歴史の史料で明らかにされている。<br>
　糖尿病患者さんの妊娠に対するインスリン治療がまだ未熟な昭和初期のことで、彼女は一人息子を分娩後亡くなられている。<p>

前述したように1型糖尿病の世界最初の出産例ではないかと推定されているが、非常に短命であった。しかしインスリン発見直後、糖尿病昏睡から甦り、糖尿病を持ちながら結婚、妊娠、出産を全うし曾孫までいることに大きな感動を覚える。<p>

また、たとえ病気があったとしてもそれを治療しながら、人としての当たり前の人生を歩ませようとする医師の姿勢に、海よりも深く、山よりも高い感銘を受け，欧米の先駆者に心から敬意を捧げたくなるのである。<p>

<div class="title3">孫のジョバノヴィック先生は</div>
ロイス，ジョバノヴィック先生は現在60歳代、糖尿病と妊娠の分野でアメリカ糖尿病学会のみならず世界的指導者の一人である。先生のお父上も糖尿病であり、ジョバノヴィック先生自身も18歳で糖尿病になっているが、2人のお子様が医師としてご活躍中で、お孫さんも4人おられる。<p>

3代揃って糖尿病であるので「先生のご一家は優性遺伝のモディ（若年発症成人型糖尿病）ですか」と質問をしたら、「遺伝子検査の結果1型糖尿病と判明しています」という答えが返ってきた。<p>

<div class="title3">糖尿病でも妊娠・出産は可能</div>
日本では大根や牛蒡など食物繊維を沢山含んだ低脂肪の、伝統的な日本食が糖尿病の発症予防に役立ち、糖尿病者が稀で、特に妊娠できるような若年発症糖尿病が少なかったせいもあったであろう。<br>
　糖尿病があると危険だからという理由で,糖尿病患者さんの妊娠は禁止されていた。<p>

私が、自分の子どもの死産の悲しみをきっかけとし、死産を経験した糖尿病患者さんとの悲嘆の共有から、欧米の先覚的指導者から教えを受けて「糖尿病があってもコントロールさえ良くすれば妊娠，出産は可能である」と医学および社会改革を始めたのは1961年（昭和36年）頃からである。<p>

<div class="title3">妊娠出産を支えるインスリン治療の進歩</div>
●1961年当時、インスリン製剤は、１日3回注射をするレギュラーインスリンだけでなく、1946年にハーゲドーン先生の努力により開発された長く効くNPHインスリン、1951年に開発されたレンテインスリンがあった。血糖コントロールはそれらを加えてとても容易になっていた。<br>
●1955年にはサンガーがインスリンの構造を解明し、1960年には放射免疫測定法が考案され血中の微量インスリンを測定することができるようになった。<br>
●1967年、インスリンの前段階の物質であるプロインスリンが発見されるなど、インスリンの研究面もどんどん進歩して来た。<br>
●これと平行してヒトインスリンの生合成、100単位のペン型インスリン注入器が出現し普及した。<br>
●注射してすぐ食事がとれる超速効型インスリン(ノボラピッドやヒューマログなど)の開発・販売もはじまり、続いて超速効型インスリンと中間型インスリンを組み合わせた二相性インスリンアナログとよばれるインスリン(ノボラピット30ミックスやヒューマログミックス25など)が続々と開発された。<br>
●さらに約24時間効果の持続する持効型インスリン（ランタス、レベミル）が出現した。<br>
　これらによって、血糖コントロールは実に多くの選択肢があり簡単に血糖正常化が実現できるようになったのである。<p>

<div class="title3">血糖正常化を目指す</div>
インスリン治療は妊娠に限ったことではなく妊娠していなくても用いられるが，コントロール目標が異なる。<p>

●一般の糖尿病（非妊娠）の血糖コントロール目標は正常近く（near normal）、つまり正常値に近づけていくという事である。<p>

●妊娠時（妊婦）のそれは血糖正常化（normal）である。つまりHbA1c (国際標準値)で6,2%未満、血糖値は食前も食後も80〜100mg/dlにするという事である。<p>

これは生まれてくる命を健常に保つため、我が身を削ってでも最善を尽くすという、世代をつなぐ女性が授かった使命と言えよう。<br>
　インスリンが発見されて91年目になるが、発見から絶え間ない医療者の愛と努力によってこのような「妊娠時の目標」が形成されてきた事は、糖尿病と妊娠に関する大進歩といえる。<br>
 　今日、妊娠前に糖尿病合併症がなく，血糖コントロールが良ければ，糖尿病を持たない女性と全く同じ分娩結果が得られる時代になっている。<p>

<div class="title3">インスリン治療の進歩を生かして</div>
2012年８月13日発行のアメリカ糖尿病学会のニュースレターによると、1965年から1980年に診断された１型糖尿病者の生命予後は、1950年から1964に診断されたヒトより、15年伸びているので、研究者達は保険会社に修正を依頼する必要があると報告していた。これは大いにインスリン製剤の新しい開発、治療の進歩によるお陰だと言えるであろう。<p>

妊娠時の糖尿病の治療も、発展したインスリン治療を駆使して頂き、妊娠前にコントロールを良くし、腎症や糖尿病網膜症がなければ、不安のない妊娠、出産を享受することができると思う。<p>

昭和初期ジョヴァノヴィック先生のお祖母様は分娩後若くして逝かれたが、現在糖尿病のある妊娠を経過した方々は、コントロールの方法と大切さを知っておられるので、非常に長生きされているように感じられる。<p>

日本中何処にいても地域較差のない正しいインスリン治療が平等に受けられ、悩みの少ない妊娠生活を送れる日が１日も早く来ることを祈念している。<p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　




　]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2012/09/post.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">11</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 03 Sep 2012 12:26:35 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>妊娠を経験した糖尿病女性の素晴らしい人生</title>
         <description><![CDATA[　2011年1月、第5回目の本稿に私は「<a href="http://www.dm-net.co.jp/pre/2011/01/05.php" target="_blank">糖尿病女性とリリーインスリン50年賞</a>」と題して、50年インスリン治療を続けた糖尿病の方に贈られる素晴らしい賞があることと、受賞者に女性が多く、妊娠を経験し良いコントロールを守り続けた方が多いことをお書きした。
<p />
　今回もまたインスリン50年賞にちなんだものであるが、授賞式にお孫さんが参加なさって会をもり立てていた。<br />
　妊娠に関して知識が少なく自らの人生について悩みを抱えている人には、勇気と生きる力を与えられるだろうと思われるので又ご紹介しようと思う。
<p />
　私が東京女子医大糖尿病センターに勤務中の1980年代の事である。鹿児島で活躍している糖尿病学会の友人河野泰子先生からお電話を頂いた。<br />
　「10歳発症の1型糖尿病で病歴がもう20年以上になっている方であるが、20年を超えても妊娠継続は可能でしょうか」という大変患者さんを思う心のこもった質問であった。<br />
　私は「糖尿病暦が20年でも30年でも、ひどい増殖網膜症や腎臓機能が低下してしまった腎症をもっておらず、血糖コントロールさえ良ければ、何ら問題は無い」とお答えした。
<p />
　1型糖尿病の中には、1歳や2歳で発症する方がいて、結婚適齢期になるともう病歴は、20年や30年になるのであるが、私の妊婦治療経験例の中でこの症例は長い罹病期間をもつ最初の方であった。<br />
　主治医の河野泰子先生は「合併症が全くないので妊娠を継続させます」と大変お喜びの様子であった。その後無事出産された報告は受けたと思うが、東京と鹿児島という空間的距離もあり、そのことをすっかり忘れていた。
<p />
　それから約32年経た2012年11月7日、第10回リリーインスリン50年賞の受賞式に参列して、私は嬉しい悲鳴を上げてしまった。<br />
　付き添いで見えた河野泰子先生に「32年前先生にアドヴァイスを頂いて妊娠を成功させた方が50年賞を頂くのです」と紹介されてとても嬉しかった。<br />
　生後5ヵ月のお子さんを抱いたお嬢様は「世界で一番大きな愛を与えてくれた存在です」と母親を尊敬していますと話され、50年賞受賞者のご本人は「早く孫と話をしてみたいので、少しでも長生きをしたい」ととても和やかな雰囲気であった。
<p />
　2012年度の受賞者は全員11名で、女性8名男性は3名であった。<br />
　女性の殆どの方が妊娠、出産を経験されて居り、「妊娠中は健全なお子さんをもつ為に血糖正常化が常識で有り、分娩後はそれを人生に演繹して良いコントロールを保って、合併症の無い一生を送ること」という私の主張し続けた哲学が、皆様の中に生きているように感じられた。
<p />
　医療者における糖尿病の対応は年月とともに大きく変貌している、この席上に多くの1型糖尿病患者さんがいらっしゃるが、この方々は健全な診断の下にインスリン治療が開始されたわけである。<br />
　昭和の初め、1型糖尿病の急激な病状の変化を疫痢と診断され命を救えなかった時代でもあったと教えられている。お孫さんと一緒に参加出来るインスリン50年賞受賞式に参列して、医学の進歩を私自身もこころから感謝せずにはいられなかった。
<p />
　糖尿病があってもコントロールさえ，きちんとしていれば結婚も妊娠も普通に出来、人生にマイナス点のない事を示すエッセイがあるのでご紹介したい。<br />
　この二人の1型糖尿病のエッセイは私の勤務する糖尿病センターの会報に書いて下さったものであるが、許可を得て転載させて頂いた。彼女ら二人は1型糖尿病の患者会活動を真摯に、真面目に、立派に行っているのである。

<div class="title3">1型糖尿病患者になって</div>

<div align="right"><nobr>尾白登紀子　飯田智恵</nobr></div>

　私と飯田さんは30年来の1型糖尿病患者です。そして一番分かりあえる大切な友だちです。私たちには親友になるよう運命づけられていた共通点があります。<br />
　1つは同じ年頃で病気を発症したこと、2つめは東京女子医科大学糖尿病センターで大森先生に出会ったことです。
<p />
　血糖のコントロールが今ほど容易ではなかった1980年代当時、糖尿病をもちながら妊娠・出産をすることは不可能と思われていました。私たちも妊娠中に子どもを失うという悲しい経験をして、藁をもすがる気持ちで大森先生を訪れました。<br />
　厳しいご指導でしたが温かく見守ってくださり、元気な子供を授かりました。先生は糖尿病のコントロール、妊娠・出産という大仕事を一緒に乗り越えて下さっただけでなく、私たちの人生をも変えました。それが3つめの共通点です。
<p />
　飯田さんは出産後「感謝の仕様がない」と先生にお礼の手紙を書くと、先生は「私に感謝するのではなく、あなたにはできることがありますよ。体験して大変だったこと、子どもを授かって嬉しかったことを伝えなさい」とお返事を下さったそうです。<br />
　そして飯田さんは患者さんのために患者会活動を行い、多くの患者さんを支え励まし続けています。<br />
　一方私は、病気を一人で抱えて悪戦苦闘しましたが、或るとき病気があるのが自分、その自分ができることは何かと考え、「糖尿病を治す研究者と患者をつなぐ」（注1）活動を始めました。
<p />
　その後、大森先生を起点とする糸が繋がり、飯田さんと私は出会いました。それまでは知らない者同士でしたが、出会うとすぐに私たちはまるで双子の姉妹のように仲良くなり、今までの経験を本にしようと、患者さんの体験談集「ぼくの、わたしの、1型糖尿病のこと話しました」（注2）をつくりました。
<p />
　最後の共通点は、私たちは糖尿病であることを受け止め、糖尿病であるからこそできることを頑張っていることです。方法は違っても目指すゴールは同じ、だから私たちは一番分かりあえる大切な友だちです。
<p />
（注1）<A href="http://www.traum3.jp/csr/csr1/" target="_blank">http://www.traum3.jp/csr/csr1/</A><p>
<p />
（注2）この本は1冊2000円で日本IDDMネットワークから入手できます。メール、電話、またはFAXにて、「ぼくの、わたしの、1型糖尿病のこと話しました」を希望する旨、下記までご連絡ください。<br />
<a href="http://japan-iddm.net/" target="_blank">認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク</a><br />
電話・FAX　0952-20-2062<!-- E-mail　i-net@isis.ocn.ne.jp -->
]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2013/08/12.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">12</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 15 Aug 2013 11:10:59 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>糖尿病妊婦さんにまつわる私の思い出―妊娠前のチェックをうけよう―</title>
         <description><![CDATA[<div class="title3">妊娠出産を経た方が目立ったリリー50年賞</div>

　今年もまた11月5日、50年間インスリン治療を続け通してきた患者さんに与えられるリリーインスリン50年賞の授賞式が東京ホテルニューオータニで厳かに、かつ晴れやかに開催された。受賞者は例年のように女性が多く、本年度は特に、15名のうち11名が女性で、妊娠を経過した方が目立っていた。
<p />
　妊娠は人類の根源であり、すべからく女性はより良いお子を生もうと努力するから、糖尿病でもさらにコントロールが良好化する。そのため分娩後も、妊娠で得た動機付けを基盤に良いコントロールを持続し続けるので、皆様糖尿病合併症も無く、溌溂とお若い。

<div class="title3">前向きに取り組めば健常女性と変わらない</div>

　現在は、糖尿病のコントロールが良く、妊娠前に高血圧、糖尿病網膜症や腎症などの合併症が無ければ、糖尿病を持たない健常女性と同じ妊娠、出産が可能になっている。<br />
　今から約50年前、私が“糖尿病があっても妊娠、出産は可能である”と広く社会に向けて提唱し始めた頃は、糖尿病をもつ妊婦さんは、死産か人工流産といった悲しい病歴を持っている方が多かった。<br />
　それはコントロールが悪いために起きる子宮内胎児死亡であり、その危険を避けるための人工流産であったと思われる。

<div class="title3">思い出深い43年前の症例</div>

　出会った症例はすべて何らかの形で思い出があるが、昭和46年3月に出産したSさんのことは昨日の出来事のように鮮明に蘇ってくる。Sさんは昭和43年11月、千葉市の大きな病院で、妊娠7ヵ月になって糖尿病昏睡に陥り死産となった。勿論妊娠中、糖尿病の治療はなされていない。妊娠4ヵ月で著しくのどが渇き、水を大量に飲むようになったが“それは悪阻のため”と言われたそうである。
<p />
　恐らく妊娠前から有った糖尿病が妊娠によって急激に悪化し血糖が異常に高くなって口喝、多飲といった糖尿病の典型的な症状が出たものと推定される。しかし、まだ若年発症糖尿病の少なかった時代であるから、悪阻と誤認されたのであろう。<p>
　その後、千葉医大の医師によって糖尿病昏睡は治療され2年後、第2回目の妊娠判明の際、東京女子医科大学病院に紹介されてこられた。

<div class="title3">糖尿病はとても良く管理されていたが</div>

　31歳の彼女は聡明で美しく、レンテインスリンで完璧にコントロールされていた。妊娠経過は順調であったが、前置胎盤であることが判明し妊娠26週から入院し安静を保って頂いた。<br />
　昭和46年3月妊娠34週、突然前置胎盤による大出血がおき病室は血の海と化した。<br />
　昼間ですぐ帝王切開の段取りは出来たが、胎児心音が聴取出来ないというナースの報告で生児を得ることは難しいかもしれないというム−ドが漂っていたように思う。
<p />
　既に死産の既往歴のある方に、何が起きようと再び死産の悲しみを味わわせるわけにはいかない。私は「神様、お助け下さい！赤ちゃんに命をお与え下さい」と祈りながら必死で手術場に走った。シーツのかかった患者さんの手術台の中に潜り込み、自ら患者さんのお腹に聴診器を当ててみた。ととととととと心音が聞こえるではないか。<br />
　“先生赤ちゃんは生きています、早く、早く”と諦め顔の産科教授に大声で呼び掛け、手術は成功裡に終了した。

<div class="title3">このお子さんがある日</div>

　患者さんの妊娠中の全空腹時血糖値の平均値は112mg/dl、　34週でその赤ちゃんの生下時体重は2230gであった。やや小さかったがそのお子さんは元気に成長し立派な社会人となり、もう既に2児の母となっている。
<p />
　つい最近「“あと4年であたしもインスリン50年賞が受けられるのよ”と楽しみにしながら、また大森先生にとても感謝しながら母は副腎癌で黄泉の世界に旅立ちました」という報告を持って、お母様似の美しいご婦人が診察室に会いに来て下さった。<br />
　人生有限に私は涙を誘われてしまった。

<div class="title3">健康なお子さんを産むために</div>

　糖尿病と妊娠の知識が社会に普及し、死産や不合理な人工流産といった悲しい病歴を持つ妊婦さんはいなくなった。そして、インスリン製剤の治療、進歩を含め、糖尿病学の治療、発展はめざましい。<p>
　にもかかわらず妊娠して初めて糖尿病を発見される方、しかも糖尿病網膜症や腎症を合併している患者さんが後を絶たない。<br />
　未だ糖尿病にはなってないが、家族に糖尿病のある方は必ず検診を受けて糖尿病がないかどうかチェックを受けよう。<br />
　既に糖尿病がある方は、HbA1c 7%以下を保って、生涯網膜症や腎症に取り付かれない努力をしようではありませんか。
]]></description>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">13</category>
        
        
         <pubDate>Sat, 30 Nov 2013 10:46:25 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>第47回DM VOXに参加して 糖尿病妊娠時の治療の実際 ---分食、自己測定など---</title>
         <description><![CDATA[<div class="title3">DM VOX</div>
３月半ば、未だ肌寒い週末に、30年も前に妊娠，分娩の診察で知り合った知的で優しい京都在住の患者さんに声をかけられ、大阪市で活発な糖尿病活動を続けている患者主体のDM VOX（ディーエム・ボックス）という会合で講演を行った。<p>

此の団体は、情報も少なく医療現場でも孤立しがちなヤング糖尿病患者が一人でも気軽に参加出来る空間作りをしようという趣旨で、小児科、内科の１型糖尿病専門医が中心になって作られたと聞いている。<br>
　意見，情報交換の場として、皆が気軽に立ち寄れる箱＝BOX、そして此の集まりから社会に様々な声＝VOICEを発信して行こうという意味を込めて、参加者によってVOXと名付けられた由である。<br>　
<div class="title3">1型の方々ヘのメッセージ</div>
１型糖尿病の若い患者さんが多いので、糖尿病の歴史、糖尿病と妊娠の歴史、糖尿病妊婦の治療法等をお話し、糖尿病があっても人生の過程は糖尿病の無い人と同じであるから、皆様を勇気づけるために結論として三つの名言と私の所信をご披露した。<p>

１．サミュエル・ウルマンの言葉「<b>青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う。年を重ねただけでヒトは老いない。理想を失う時初めて老いる</b>」。<p>

２．ジョスリンクリニックの壁に書かれているイシドールス（セルヴィア大司教、560~636）の言葉「<b>永久に生きると思って学びなさい。明日死ぬと思って毎日を生きなさい</b>」。<br>
　この言葉はよくマハトマ・ガンディーの名言と書かれているが、引用であってイシドールス原典が正しいようである。<p>

３．この考えは、松尾芭蕉が病んで臥せっている時、弟子が｢辞世の句を｣と望んだら「<b>一句、一句はすべて辞世と思って作ってきたのでことさら必要ではない</b>」と答えたと言う逸話に共通するように思われる。
　この芭蕉の話は詩人高橋睦郎氏から教えて頂いたものである。高椅氏は此れを平生則辞世と呼んでいる。<p>

私のメッセージ「<b>糖尿病とともに歩む人生は、病気をもとに多くの人と出会い、多くの事を学び、力強く生き抜く事ができる。糖尿病を持つ人生を苦にしない事である</b>」。<p>

講演後話者と聴衆が心を一つにするため、兎追いしかの山の「故郷」を、皆で歌って盛り上がった。<br>

<div class="title3">ディスカッションから</div>
<b>妊娠出産の基本知識はバラバラ</b><br>
それから更に参加者は妊娠出産、慢性合併症、発症２年未満の初参加者、発症２年以上の初参加者、当事者以外、フリーテーマなど、など、七つのグループに分かれて討論、質疑応答の意見交換会を行った。<br>
　妊娠出産グループでは、大阪市立総合医療センターの福本まり子先生とヴェテラン患者さん飯田智恵さんが司会役になって、患者さんの抱えている悩みを引きだしたり，親切に質問に応えていた。私も一緒にこのグループに参加させて頂き患者さんの抱える問題や不安を知ることが出来た。<br>
　そして患者さんは個々違う歴史を持っているとはいえ、受診している医師によって実にバラバラの基本的知識を持っている事に吃驚くりさせられた。ここに血糖自己測定の問題、コントロール目標の問題、低血糖の問題について私なりのお答えを書いてみようと思う。<br>　
<div class="title3">血糖自己測定</div>
妊娠を希望している方が主治医から、血糖自己測定を１日7回毎日やるべきだといわれて困惑している方がいた。また別の方は毎日毎食前測定しなさいと言われていますとも言っていた。<br>
　血糖自己測定は、コントロールの悪い時、また妊娠前,妊娠して血糖正常化を目指す時に大変役立つ手段である。しかし仕事を持っている方や、持っていなくても毎日血糖を追っかける必要は無いと思う。<br>
　私は休日に１日7回、つまり朝食前、朝食後２時間、昼食前、昼食後２時間、夕食前、夕食後２時間，寝る前に測定して頂く。その結果を見ると、どの部分のインスリンが過、不足か解るので，大変良い情報提供になる。<br>
　妊婦といえども１週間に１日だけでよろしい。随時に測るのはご自分の低血糖や高血糖が気になるときで、それによって自分自身の自己管理ができる。<br>
　此の方法は私が考えている基本的な最良の方法であって、応用は幾通りあってもいいわけではあるが、毎日７回測定は酷で、食前だけ毎回測ってもコントロールを良くする情報にはならない。<br>　
<div class="title3">血糖コントロール目標</div>
妊娠前の血糖コントロール目標をHbA1c 7.5％にするようにと教えられている方がいた。　　　奇形児予防のための理想は6.5％以下である。
　妊娠前の血糖コントロール目標は許容域は７％以下とするのが良いと思う。<p>　
<div class="title3">低血糖、分食</div>
低血糖や分食が議論されていたが、超速効型，超持効型、持効型インスリンがこれほど進歩，開発されている昨今、分食の必要は無いであろう。<br>
　標準体重から計算されたエネルギー量をきちんと三等分して頂けば、高血糖も低血糖も予防しうるのではないかと思う。<p>

また、私は東京女子医科大学病院で糖尿病妊婦治療を始めてから定年まで約500症例の治療，管理を手がけてきたが、低血糖に悩まされた患者さんはたった二人であった。<br>
　それは血糖正常化をあまりにも気にしすぎた問題が有った。妊娠は経過が進むに連れてインスリン抵抗性になって行くので、低血糖にはならないものである。<br>
　食べなさすぎる、インスリン量を間違えていないか、食事がまばらであるなど、何か信じられないような間違った行動をとっていないか、今一度考え直してみては如何かとつくづく心配させられた次第である。
<p>

妊娠出産に対する努力が人生の幸せばかりでなく、イーライリリーの「インスリン50年賞」に向けて頑張る材料になれば嬉しい。<p>]]></description>
         <link>http://www.dm-net.co.jp/pre/2014/03/47dm_vox_------.php</link>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">14</category>
        
        
         <pubDate>Sun, 23 Mar 2014 14:00:13 +0900</pubDate>
      </item>
      
      <item>
         <title>知っているようで知らない事--胎児の成長--</title>
         <description><![CDATA[この連載14回において私は、大阪で開催されている大変有名で、熱心なVOXという１型糖尿病患者会の講演に招かれた時の経験を書かせて頂いた。<br>
　そこで行われている活動の様子や、糖尿病患者さんの抱えている妊娠に関する問題の中で、議論や質問を受けた事項のうち、血糖自己測定、分食、血糖コントロール目標などについてお書きした。<br>
　今回はその続きとして「知っているようで知らない事の一つに、胎児の成長がある」と伺ったのでその事を中心に書かせて頂こうと思っている。<br>
　VOX活動を支えている中心人物の一人飯田智恵さんが多くの患者さんに伺ってまとめて下さったテーマである。<p>

<div class="title3">受胎と妊娠</div>
受胎というのは，女性の一個の卵子と男性の２〜３億個の中から選ばれた一個の精子が結合して受精卵が出来ることから始まる。<br>
　受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、排卵の３日後に子宮腔に達すると言われている。<br>
 この受精卵が子宮の内面に着床してようやく妊娠がが確立する事になる。<p>

<div class="title3">受胎から胎児への素晴らしい成長</div>
受胎後のお子様の成長は非常に早い。妊娠８週までのお子様の状態は胎芽とよばれ英語ではEmbryoという。それ以後は胎児と名が改められ、胎児は英語でFetusである。もちろんEmbryoとFetusは大きさも成長の度合いも違う。<p>

胎芽が分裂を繰り返し胎児となり人の形が形成されて行く過程を，教科書を読みなおしてみると、これほどまでに医学は進歩していながら、なお神秘に満ち、驚異的であることに感動で胸が熱くなる。<p>

例えば胎児の成長速度を重さで表すと、妊娠15週では１日に５g大きくなり、妊娠16週末では既に体重が約110g,  妊娠20週末では300gほどに成長する。<br>
　24週では１日15gから20g,  34週に達すると1日30〜35g大きくなって妊娠40週になると体重は3000g以上になると調査されている。<p>

骨については、妊娠12週末に既に全身の骨の大部分が固い骨の形成つまり骨化が始まり、上肢，下肢の指が分かれ，皮膚、爪が形成される。その上外観上男女の性別が解るようになって子宮内で自発的運動が始まる。<p>

胎児身長と頭部の比率を見てみると、大人では８等身といわれているが、妊娠２ヵ月末では頭部が大きく体の半分を占め、つまり2等身であるが、妊娠５ヵ月末には３等身、妊娠40週にはもう４等身になる事が記載されている。<p>

<div class="title3">奇形が起こりやすい器官形成期（妊娠４週から10週)</div>

ここで私が皆様にお伝えしたい最も大切な事は、妊娠４週から10週の時期が器官形成期と呼ばれ、受精卵から体の内蔵や手足など構造のすべての基礎ができて来る時期である。<br>
　そして妊娠が正常満期産になるまで持続すると、ヒトとしての形が完成するわけで、生まれてから更に環境に即して大きく成長し続け特に脳は更に、更に成長，発展していくのである。<br>
　この器官形成期は奇形をおこしやすい<p>

この時期は物質例えばある種の薬剤や放射能に対する感受性が非常に高い時期である。この時期にそれらの物質が、異常な量で作用すると奇形が形成されるわけである。<br>
　糖尿病で母体の血糖コントロールが悪い場合高血糖が存在すると器官形成期には、特に奇形が発生しやすくなる。<br>
　この時期以降は胎児成長期となるので形態異常は起こりにくくなるといわれている。<p>

<div class="title3">糖尿病母体から生まれる奇形は妊娠７週以前に発生する--ミルス--</div>
糖尿病の母体から生まれてくる子供の奇形に関するミルスの書いた有名な論文がある。彼はWHOの431764症例の中から7124例の奇形児を解析し、糖尿病母体から生まれる奇形は妊娠７週以前に発生する事を1979年Diabetes（糖尿病）という雑誌に報告している。<p>

<div class="title3">奇形を予防するには計画妊娠を！</div>
現在糖尿病と妊娠の分野で最も問題になっている奇形を予防するには、計画妊娠をして血糖コントロールを良くしてから妊娠するようにしましょうと、私が大声で叫んでいるのは，これらの論拠に基づいているのである。<p>

<div class="title3">献血で糖尿病の有無を知ることができる</div>
さらに日赤の献血事業を通して妊娠前に，糖尿病または糖代謝異常が無いかどうか調べた上で妊娠するようにしましょうというのもこの奇形予防を遂行するためである。<p>

<b>折角生まれてくるお子様が健常である事を祈念して、この事実を脳裏に焼き付けて頂きたいと思っている。</b><p>

参考文献 助産学診断・技術学II[1]妊娠期＜助産学講座６＞、医学書院、2013<p>]]></description>
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          <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">15</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 24 Jul 2014 10:59:53 +0900</pubDate>
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