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2005年08月04日

メタボリックシンドロームを重視した健診・保健指導へ/厚生労働省

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 現在、厚生労働省では生活習慣病予防に向けたモデル事業がいくつか実施され、検討会が開かれている。その一つの「生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会」は、メタボリックシンドロームに焦点を当てて生活習慣病(糖尿病や高血圧症、高脂血症など)の予\\\\\\備軍を早期に発見し適切な保健指導へとつなげる、健診と保健指導が一体になったサービス提供の在り方を検討している。

 メタボリックシンドロームとは、内臓に脂肪が蓄積する肥満(内臓脂肪型肥満)などによって、動脈硬化性疾患が引き起こされやすくなった状態をいう。内臓脂肪型肥満に、血糖や血圧、トリグリセリド(中性脂肪)などが正常より高めになるなど一連の危険因子が複数重なると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞が起きる可能性が高くなることがわかっている

 厚生労働省は健康診断の在り方を抜本的に見直し、まず胴囲・血圧・血糖値・血中のコレステロールや中性脂肪の検査に加え問診を実施し、異常があれば改めて詳細な項目を調べるという「2段階方式」に変更する方向で準備している。生活習慣の改善が必要な人には、食事や運動の指針を活用した保健指導を行い有効性を検証する。有識者による検討会で9月頃までに指針を策定し、具体的な受診項目や事後指導の方法などを検討するという。

 現在、検診の受診率は職場で行われるものが7割程度、市町村が40歳以上の主婦や自営業者らを対象に実施されるものが4割程度に留まっている。検討会では、健診による早期発見と適切な保健指導の徹底が重要とされ、「特に異変がない人に十数項目の検査が必要なのか」という意見が出された

●詳細は厚生労働省のサイトへ
□ 生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会(第1回会議)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0725-7.html

□ 生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会(第2回会議)
  効果的な健診・保健指導の事例等について
1. 予防医学のストラテジー〜ハイリスク・ストラテジーとポピュレーションストラテジー〜
2. 実効性ある保健事業の可能性〜職域保険者の事例に基づいて〜
3. メタボリックシンドロームの概念を導入した健診・保健指導の実施について〜健康尼崎市職員21を例に〜
4. 個別健康支援プログラムの長期効果と医療費への影響〜岩手県矢巾町の経験から〜
5. 生活習慣病の発症予防と保健指導効果に関する総説
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/08/s0804-3.html

[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所

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