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2008年03月21日

中国製の「健康食品」で健康被害 低血糖で入院

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 中国製健康食品を個人輸入し服用した埼玉県内の50代男性が今月、低血糖で入院した問題で、県は同製品から医薬品として承認されている成分を検出したと発表した。

 この中国製健康食品は「男根増長素」という名で販売されており、血糖降下薬として使われるグリベンクラミド(商品名:オイグルコン錠)と、勃起不全治療薬として使われるクエン酸シルデナフィル(商品名:バイアグラ錠)の2種類の医薬品成分が検出された。

 また、この男性が同時に購入した中国製健康食品「威哥王三鞭粒」からも同じ成分を検出した。同じ健康食品による低血糖が、2月に広島県、福島県でも報告されている。

 これらの製品は医薬品としての承認、許可を得ていない。県は「お使いの方は直ちに使用を中止し、健康被害が疑われる場合は医療機関で受診してください」と注意を呼びかけている。

インターネットでの不法品購入は危険
 処方箋が必要な医療用医薬品を含んだ「健康食品」や、「偽造品」による健康被害が増えている。ほとんどが海外でつくられたもので、インターネットで手軽に入手できるため利用されるケースが後を絶たない。

 薬事法では自分が服用できる医薬品を1カ月以内に使い切る量であれば、個人輸入することを認めている。ネットで増えているのは、この制度を利用した個人輸入代行業者だ。これらの業者は所在地や代表者を明記していない場合が多い

 もっとも多いのは勃起不全(ED)治療薬の偽造品で、製薬会社の公表によると、日本を含む世界60カ国で偽造品が発見されており、輸入されている海外製品の多くが偽造品とみられている。

 薬事法では、重大な健康被害の起きるおそれがある医薬品については、数量に関係なく輸入を制限している。正規品を販売している製薬会社のはたらきかけもあり、政府はこうした偽造薬の日本への流入や不法販売を防ぐため、税関での取締りを強化している。

 高血圧、血糖、コレステロールを下げる、ダイエットといった表示をした「健康食品」や「偽造品」も多い。こうした商品に医薬品成分が含まれていて、深刻な健康被害を引き起こすことがあるので注意が必要だ。

 インターネットや迷惑メールなどでこうした商品を見かけても無視することが賢明だ。厚生労働省は医療用医薬品の個人輸入の問題的として次のことを挙げている。

  • 個人輸入される医薬品の品質、有効性および安全性については、わが国の薬事法に基づく確認がされていない。
  • 国によっては、医薬品の品質などについて、わが国と同じレベルでの確認が行われていないことがある。
  • 品質などの確認が行われていない医薬品は、期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている場合がある。
関連情報
拡がるED治療の選択 インターネット購入では不安

参考になるページ
「健康食品」のホームページ(厚生労働省)
健康被害情報・無承認無許可医薬品情報(厚生労働省)
「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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