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2013年11月26日
ファストフードも健康的に 高まるヘルシー志向の波
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肥満や2型糖尿病が世界的に急増しており、健康志向が幅広い世代で定着しているのを受け、ファストフードもよりヘルシーに生まれ変わることが求められている。
ファストフードの多くは高カロリー
「肥満大国」である米国では、成人の3分に1が肥満か過体重だ。肥満は心臓病や脳卒中、2型糖尿病などの危険性を高め、医療費の増加の原因になる。肥満を抑えることが、公衆衛生上の重要な課題となっている。
肥満増加の原因のひとつは、ファストフードが普及し、高カロリーの食事が普及したことだ。ファストフードを1回利用しただけで、1日の適正なカロリー摂取量の半分以上をとってしまうことも珍しくない。
「一般的に、ファストフードは手頃な価格で利用でき、味も良く、手軽に利用できるというイメージがもたれています。しかし、容易にカロリーをとりすぎてしまい、そのことに無自覚になりやすいという欠点があります」と、ニューヨーク大学医学部のブライアン エルベル氏(公衆衛生・保健政策)は説明する。
ファストフードではハンバーガーなどの商品を単品で購入すると、カロリーは200~500kcal程度だが、複数の商品とフライドポテトやコーラなどを組み合わせたセットメニューを買うと、総カロリーは簡単に800~1000kcalにまで増える。
米国のファストフードをめぐる大きな潮流として挙げられるのは、メニューのカロリー表示と、それに伴う低カロリーメニューの拡充だ。米国では医療制度改革の一環として、2010年に20店舗以上をもつレストランチェーンではメニューのカロリー表示が義務付けられるようになった。米国食品医薬品局(FDA)は現在、具体的なカロリー表示の方法について調整している。
メニューのカロリー表示 見ている人は10人に1人
米イエール大学ラッド食料政策・肥満対策センターの発表した「Fast Food Facts 2013」というレポートによると、都市部に出店している18のファストフードチェーン店のほとんどは、メニューのカロリー表示を行っているという。
しかし、ファストフード店でメニューに付いているカロリー表示を利用する客は、10%しかいないという調査結果も発表されている。
「メニューにカロリーや栄養成分の表示を付けることで、利用者はより低カロリーで健康的なメニューを選べるようになります。しかし、実際にはカロリーを確認する人は少数であることが判明しました」(エルベル氏)。
研究チームは、ファストフード店を利用した18~64歳のフィラデルフィア市の住民約2,000人を対象に、2010年の2月に調査を行った。市内のファストフード店を利用した一般客を対象に聞き取り調査を行い、「メニューを選ぶときにカロリー表示を参考にしましたか」等の質問をした。
実際に購入客が注文したメニューをレシートで調べ、カロリー表示を見ることで、カロリー摂取量にどれだけの変化があったかを調査した。
ファストフード店の1回の利用で、カロリー表示を見なかった客が注文したメニューの摂取カロリーの平均は714kcalだったが、カロリー表示を見て、それを参考にして注文したという客では、摂取カロリーは465~509kcalに減っていた。
一方で、メニューにカロリー表示があることに気が付いた人は全体の約40%で、それを利用して食事のカロリーを抑えようとした人は約10%しかいないことも判明した。
「今後は、カロリー表示の有効な活用を促すプロモーションが必要です。多くの人は、自分の適正な1日のカロリー摂取量も把握できていないのが現状です」と、エルベル氏は述べている。
低カロリーのファストフードが求められている
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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