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ウズベキスタン(5) ブハラ

2008年12月
  11世紀に活躍したイスラムの名医イブン・シーナ(肖像画はナボイの外来病棟前写真にあり)の故郷でもある古都ブハラでは、ウマル先生がいらっしゃる内分泌疾患診療所を訪れました。
地域の糖尿病担当医のリーダーであるウマル先生が把握されている糖尿病患者数は、総人口150万人に対し1型糖尿病患者数1,390人、2型糖尿病患者数5,800人で、52人の内分泌医が市内4つの内分泌医療センターに配属されています。各施設は110床です。
ウマル先生たちの努力やInsulin for Life(オーストラリア)のニールさんの支援もあってか、子供の糖尿病患者の状況はここ数年で著しく改善されているとのことでした。


患者さんに説明するウマル先生。因み筆者は、この時、体調をくずして別室にて点滴中でした。折角、沢山の患者さんが集まって下さったのにお会いできず、とても残念です!
後で聞いたら、まだ食事療法という考えは定着していないそうです。

モスクにあるミナレット(塔)砂漠を行く旅人達の目印となってきました。
夜にてっぺんに灯がともっているミナレットの幻想的な姿は、数百年の間、この地の人々が見つづけてきた風景です。

古都ブハラ 地元の超セレブであるウマル先生がバザールへ案内してくれると閉店中のお店まで笑顔で店を開け、中を案内してくれました。

ブハラのバザールで伝統的民族衣装にもトライしました。

ブハラには歴史的な遺産がたくさんあり、日本も含め多くの観光客も訪れます。

シルクロードのオアシス都市として古くから栄えてきたウズベキスタンのブハラ 人種のるつぼという言葉がピッタリの国 ヨーロッパ系(ロシア系他)、トルコ系、ペルシャ系、アラブ系、東アジア系などなど何語で話しかけようかと迷ってしまいます。
市場には、乳母車で自家製のナン(フランスパンのように固いパン)を運んで売りにくる女性たちでいっぱいです(左の写真)。

ウマル先生が用意してくださった夕食。果物が豊富だが糖尿病患者の身には糖質過多!


結び
  今回、ウズベキスタンを旅行中、食中毒を起こし、発熱・下痢・嘔吐に見舞われ、入院し点滴治療を受けました。海外旅行保険に入っていたため、帰国後払戻を受けるためにウマル先生に保険会社指定の診断書を書いてもらおうとしたところ、「何これ???」という表情をされてしまい、結局、医療費を支払うことはありませんでした。ウズベキスタンでは、医療費は外国人といえども自己負担無しということで、その恩恵を受ける事ができました。印象として、医師たちのレベルは非常に高いものの、医療設備に関しては旧式で正直なところ院内感染が懸念されました。(特に昔のゴム製の氷枕にゴムホースを繋いだ器具で腸洗浄をされた時は・・・・)注射針は太く、私の細い血管には上手く入らず液漏れしてしまい、ベッドがびしょびしょ状態になりました。それでも、無料で治療をしてもらえたので文句は言えません。

    今まで、色々な国を回って来た経験から、医療に関しては大きく2つのシステムに分かれてくると思います。一つは、医療を公的負担とし、患者の自己負担が無いか、非常に少ないシステム(共産主義型)。もう一つは、医療を公的負担での提供をしない(できない)システムです(完全自由主義型)。
前者のシステムは、患者、つまり利用者の側からすると非常に良いシステムのように思われますが、格差が出にくい反面、提供できる医療のレベルが全体として低くなってしまう傾向があるように思われます。所謂先進国と言われる欧州の国々やカナダでも医療は公的負担ですが、その分、国民の税負担は大きくなる傾向があります。

後者のシステムは、医療を受ける事ができる人と出来ない人で格差が生まれるデメリットがありますが、少数ながらも裕福な人は最先端の医療を受ける事ができるというメリットがある事実もあります。
日本でも医療崩壊、医師不足の問題が叫ばれていますが、医療崩壊を食い止め、日本の医療をより良いものにしてゆくために皆が一人ひとり意識を高め関心を持って問題解決に取組まなければならない時期に来ていると思いました。世界に類を見ない「国民皆保険・フリーアクセスシステム」を実現した日本の医療制度を守って行くために・・・。
他人任せでは無く一部の人たちだけが有利になるように改悪されていくばかりなのですから・・・。

©2008 森田繰織
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