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2011年12月20日

健康管理に取り組む中高年が増加 【国民健康・栄養調査1】

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 厚生労働省は10月に「2009年国民健康・栄養調査報告」を発表した。調査は2009年11月に全国の約5700世帯の約1万5000人を対象に実施された。調査内容は身体状況、栄養摂取状況、食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康など多岐にわたる。

 中高年では食事や運動などの生活習慣の改善への意欲が高く、体重の自己管理などに取り組む人が増えているが、若い世代では関心が薄い傾向が示された。 調査の主な内容は次の通り――

体重管理を心がけている人が増加
 「体重管理を実践しようと心がけている」と回答した人の割合は、男性67.8%、女性75.6%。2004年に比べ男性で7.0%、女性で5.8%増加した。男女とも年齢が高くなるにつれ、自己の体重管理に関心をもつ人の割合は高くなる。

適切な食事内容・量の認知
 「自分にとって適切な食事内容・量を知っている」と回答した人の割合は、男性75.0%、女性78.2% で、2004年に比べ男性で5.9%、女性で3.2%増加した。男女とも年齢が上がるにつれ、適切な食事内容・量を知っている人の割合は上昇し、60歳以上では8割以上が認知している。

肥満の割合 男性の3人に1人、女性の4人に1人
 BMI(体格指数)が25以上の肥満者の割合は、男性30.5%、女性20.8%。男性の20〜60歳代では、肥満者の割合が前年に比べ2.1%増えたが、2000年以降は肥満者の割合の増加傾向は鈍化している。

メタボ予防・改善の食事や運動 取組みへの意欲は高い
 BMI(体格指数)が25以上の肥満者のうち、メタボリックシンドロームの予防や改善のために適切な食事や定期的な運動について、男性では「するつもりがあり、頑張ればできる」(42.6%)、女性では「するつもりはあるが、自信がない」(44.1%)という回答がもっとも多かった。食事や運動などの生活習慣改善に取り組む意欲は中高年で高まっている。

食べる速さ:「早く食べる」人の比率は肥満者で高い
 食事での「食べる速さ」を調査したところ、「速い」と回答した人の割合は、男性 51.8%、女性 37.4%だった。
 体型別にみると、肥満者(BMI25以上)では、「速い」と回答した者の割合は男性 63.9%、女性 46.5%だった。普通(BMI18.5以上25未満)のそれぞれ47.2%と36.1人%に比べ多く、食べるのが早い人で肥満が多い傾向が示された。
 今回調査は肥満と食事の早さの相関関係を示したもので、「早食いをしているから、肥満になりやすい」といった因果関係を示したものではないが、一般的に、良く噛んで時間をかけて食事をすることで、食事量抑えながら満腹感を得やすく、食後の血糖上昇を抑えられることが知られている。

脂肪をとりすぎている人が3割
 脂肪からのエネルギー摂取割合を示す「脂肪エネルギー比率」が30%以上の人の割合は、成人の男性で20.0%、女性で27.6%だった。
 一般に食事でとる脂肪のエネルギー量比は全体の20〜25%が良いとされている。脂肪エネルギー比率が25%未満の人の比率は、年齢層が上がるにつれ増えていき、60歳代で男性 62.0%、女性 52.9%となった。逆に、20歳代では男性 36.7%、女性 27.9%と少なく、若い世代で脂肪をとりすぎている傾向が示された。

平成21年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)

関連情報
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【国民健康・栄養調査】 関連トピック
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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