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2013年12月13日

これだけは守りたい 糖尿病の15項目のチェックリスト

国際糖尿病連合(IDF)世界会議
 英国糖尿病学会(Diabetes UK)は、メルボルンで12月に開催された「国際糖尿病連合(IDF)世界会議」に合わせて、糖尿病患者が受ける治療について15項目のチェックリストを発表した。

 「糖尿病治療においては、すべての患者が適合すべき最低限の水準があります。チェックリストに適合しない項目がひとつでもあれば、医師や医師スタッフに相談することを勧めます」と、英国糖尿病学会のエグゼクティブチームの責任者であるバーバラ ヤング氏は述べている。

糖尿病治療 15項目のチェックリスト
1 血糖値とHbA1c値をはかる
 定期的に検査をして血糖値が高くなっていないかどうかを調べることが必要です。血糖値のコントロールができていれば、問題なく普通の生活をおくれます。 HbA1c値は過去1〜2ヵ月の血糖の状態を示す値です。医療機関で検査を受け、測定値やコントロール目標について医療スタッフとよく相談しましょう。
2 血圧値をはかる
 血糖値と血圧値が高いと、動脈硬化や心筋梗塞などの危険性が高まります。血圧値は年齢によって変わってきています。家庭用血圧計も入手しやすくなっていので、1ヵ月に1回以上ははかりましょう。
3 コレステロール値をはかる
 コレステロール値にも、血糖値と血圧値と同じように、あなたに合ったコントロール目標があります。目標値の設定について医療スタッフと相談しましょう。
4 眼の検査を受ける
 網膜症は糖尿病患者さんに多い合併症です。糖尿病と診断されたときから定期的な眼科の検査を受け、糖尿病と眼科の適切な治療を続けていれば、確実に防げます。糖尿病の医師と眼科の医師の連携も大切です。1年に1回以上、眼の検査を受けましょう。
5 足をチェックする
 血糖値のコントロールがうまくできず、糖尿病を悪化させると、合併症が起こり、障害が進むと足に潰瘍や壊疽が起こりやすくなります。足のチェックを定期的に行い、問題が起きていれば医師や医療スタッフに相談しましょう。
6 腎臓の検査を受ける
 腎機能が低下していないか、年に1回以上は検査するべきです。血液検査(微量アルブミン尿)と尿検査(クレアチニン)の2種類があります。
7 体重をチェックする
 体重の増減が大きい場合は、健康に影響を及ぼす要因が隠れている可能性があります。体重コントロールの目標のある人は、ウエスト周囲径もはかりましょう。
8 禁煙する
 もしあたながタバコを吸っているのなら、なんとしてでもやめましょう。具体的な禁煙の方法について、医師に相談しましょう。
9 糖尿病のチーム医療
 糖尿病の治療では、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師などか、それぞれの得意分野を受けもって、連携をとりながら対応しています。医師に相談できないことでも、他の医療スタッフであれば相談できるもしれません。
10 糖尿病教室に参加する
 糖尿病療養を支援する糖尿病教室は各地で開催されています。糖尿病について分からなかったことを理解する良い機会になります。あなたがいる近辺で開催される糖尿病教室について、医療スタッフに聞いてみましょう。
11 糖尿病は小児や思春期の若者も発症する
 糖尿病は小児や思春期の若者も発症する病気です。もしもあたなが子供や若い人であれば、小児・若年の糖尿病の専門家に相談しましょう。そうした患者さんを対象としたサマーキャンプやグループミーティングも各地で開催されています。
12 教育入院は重症患者に限らない
 短期の入院で食事のとり方、運動の方法、合併症予防などについて徹底的に学ぶことができます。糖尿病療養指導士などが院内で開く教育講座にも参加できます。
13 糖尿病の人も妊娠は可能
 糖尿病の人であっても、計画妊娠によって健康な人と同じように妊娠・出産ができます。ただし糖尿病と診断されている女性が妊娠するときには、妊娠前からいろいろ注意が必要となります。妊娠を希望する人は、糖尿病専門医に相談しましょう。
14 専門医や療養指導士に会う
 糖尿病の高度な治療が必要がなった場合は、糖尿病専門医に診療をしてもらう必要で出てきます。そうした場合に専門医に紹介してもらえるか、主治医に聞いてみましょう。
15 メンタルケア
 糖尿病の治療は長期に及びます。長い間にはメンタル面でサポートが必要となることもあります。慢性疾患をもつ患者の心理的サポートについての専門的な治療も進歩しています。「夜眠れない」などメンタル面のサポートが必要となったら、主治医に相談しましょう。

15 Healthcare Essentials campaign(英国糖尿病学会 2013年11月20日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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