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2014年07月17日
キャノーラ油が糖尿病コントロールに貢献 低GIとの組合せで効果
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「キャノーラ油」と「低GIダイエット」を組み合わせた食事をとると、血糖値を下げられるという研究が発表された。
キャノーラ油(菜種油)と、全粒粉を使った低GIのパンを同時に食べると、血糖値が下がり、悪玉のLDLコレステロールも低下するという研究が発表された。カナダのトロント大学のデビッド ジェンキンス教授率いる研究チームの成果。米国糖尿病学会(ADA)が発行する医学誌「ダイアベティズ ケア」に発表された。
「グリセミック インデックス」を提唱したジェンキンス教授の研究
ジェンキンス教授らは1980年代初期に、異なるタイプの炭水化物が血糖値に与える影響を明らかにし、糖尿病患者にもっとも良い食事を見つける手法として、「グリセミック インデックス」(GI)を提唱した。
クリセミック インデックス(GI)は、食事をとってから2時間までの血糖値の上昇の度合いを、ブドウ糖を基準に比較し指数で示したもの。GIを決めるひとつの要素は食物繊維の量で、食物繊維を多く含むとGIは低く、穀物では精製度が上がるほどGIは高くなる。
精製された穀類を使った食品(白パン、白米、シリアル、ジャガイモ)を食べると、体に早く吸収されるので、血糖値が上昇しやすい。一方で、全粒穀類(大麦、オート麦、玄米、豆類、ベリー類、皮付きのリンゴ)といった低GIの食品を食べると、炭水化物の吸収が遅いので、血糖値がゆるやかに上昇するというのが、GIの考え方だ。
Jenkins教授らは今回、カナダの2型糖尿病患者141人(平均年齢59歳)を、(1)キャノーラ油を加えて作ったパンなど低GI食品を摂取する群と、(2)体に良いとされる全粒小麦で作ったパンを摂取する群に分け、それぞれ3ヵ月後の変化を比較した。
「キャノーラ」は、カナダで品種改良された菜種(なたね)の種類で、1970年代にマニトバ大学で開発された。日本の輸入される搾油用の菜種のおよそ9割は、カナダ産のキャノーラ品種だ。
脂肪酸の中には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、飽和脂肪酸を摂り過ぎると心臓病のリスクが上昇する。キャノーラ油は、飽和脂肪酸が7%しか含まれていない。これは、健康に良いとされるオリーブオイルに比べて約半分の量だ。また、不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸、リノレン酸などが多く含まれている。
キャノーラ油を摂取するとHbA1cが低下 血管も健康に
(1)と(2)の群の両方が、GI値の低い食事をとっていたが、(1)の群は2,000kcalにつき31gのキャノーラ油を取るようアドバイスされた。一方で(2)の群は精製された穀物を全粒粉のものに置き換えるようアドバイスされただけだった。
その結果、両群でHbA1cは低下したが、キャノーラ油を摂取した(1)の患者は、HbA1cが0.47%低下しており、低下幅が大きかった。これに対して、(2)の患者は、HbA1cが0.31%低下していた。
さらに、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪、心臓病や動脈硬化など心血管病になる危険性(フラミンガムスコア)も、低GL食グループでより大きく下がっていた。
Effect of Lowering the Glycemic Load With Canola Oil on Glycemic Control and Cardiovascular Risk Factors: A Randomized Controlled Trial(ダイアベティズケア 2014年6月14日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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