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2019年10月31日

11月14日は「世界糖尿病デー」 明日を良くするために今すぐ行動しよう

世界糖尿病デー
 「世界糖尿病デー」が、国際糖尿病連合(IDF)が中心となり、11月14日に開催される。160ヵ国以上の10億人以上の糖尿病有病者や糖尿病医療に携わる医療従事者が対象だ。
 世界糖尿病デーの2019年のテーマは「糖尿病と家族(Family and Diabetes)」だ。
11月14日は「世界糖尿病デー」
糖尿病は深刻だが、十分な知識をもって適切に対処すれば、克服できる病気
 世界糖尿病デーは、糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、世界規模で糖尿病に対する注意を喚起しようと、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって1991年に開始され、2006年には国連の公式の日になった。

 11月14日は、1922年にチャールズ ベストとともにインスリンを発見したフレデリック バンティングの誕生日にあたる。インスリンの発見により、糖尿病治療は飛躍的な進歩をとげた。

 世界糖尿病デーの2019年のテーマは「糖尿病と家族(Family and Diabetes)」だ。

 世界糖尿病デーのシンボルである「ブルーサークル」は、世界的に増加を続ける糖尿病に対する認知を拡大し、一致団結して対策を進める必要性を呼び掛けるために掲げられる。

 日本でも、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会が中心となり「世界糖尿病デー実行委員会」を設立、さまざまな活動を展開している。
すべての家族が糖尿病に関わっている
 IDFは「糖尿病と家族」というテーマで、2年間のキャンペーンを計画している。開発やプロモーション、参加の呼びかけを世界規模で実施する。

 IDFによると、世界の糖尿病をめぐる現状と課題は次の通り――。

● 糖尿病とともに生きる人の数は世界で4億2,500万人以上。成人の11人に1人が糖尿病。

● 糖尿病が疑われる人の半分は診断を受けでおらず、適切な治療を開始できていない。

● 適切な糖尿病の治療を行わないでいると、心臓疾患、脳卒中、腎不全、失明、足切断といった深刻な糖尿病合併症が引き起こされる。

● 糖尿病は早期死亡の主要な原因。世界では糖尿病のために、8秒に1人が亡くなっている。

● 糖尿病のある人は、そうでない人に比べ、心血管疾患の発症リスクが3倍高い。腎不全の発症リスクは10倍に上昇する。

● 糖尿病のある人の3人に1人は生涯になんらかの視力障害を経験する。

● 世界で30秒に1人が糖尿病のために下肢切断を強いられている。

 もっとも重要なことは、糖尿病の合併症は、適切な治療を続けていれば、予防が可能であること。

 そして、糖尿病予備群と指摘された人の多くは、栄養バランスのとれた健康的な食事、運動の習慣化、健康的な生活環境を促進することで2型糖尿病の発症を防げることだ。

世界糖尿病デーのポスター
「糖尿病:あなたの家族を守ろう シンプルな行動でリスクを減らせる」
家族で取り組めば、糖尿病治療はもっと良くなる
 2019年の世界糖尿病デーのテーマである「糖尿病と家族」では次のことが重視されている。
▼糖尿病が患者だけでなく、家族にも影響を与えることを理解し、支援のためのネットワークを整備すること。
▼糖尿病のマネージメント、治療、予防、教育などで、家族が果たす役割を促進すること。

 食事や運動、薬物療法など、糖尿病のコントロールを改善するうえで、家族は重要な役割を担っている。教育や医療資源、環境を整備し、健康的な生活スタイルを選ぶために、家族についてもう一度見直すことが必要だ。

 2型糖尿病の有病者の2人に1人は未診断だ。糖尿病合併症を予防するために、糖尿病を早期診断を治療を開始することが重要だ。とくに1型糖尿病では、早期に診断し治療をしないと、重篤な障害あるいは死亡に至ることがある。患者とその家族を救うために、糖尿病の兆候と症状について知っておく必要がある。

 1型糖尿病を含めたすべてのタイプの糖尿病について、兆候や症状、危険因子に最初に気付くのは患者の家族であることが多い。家族は糖尿病の影響を潜在的に受けやすいことに注意を向ける必要がある。

IDFが公開している「世界糖尿病デー」のビデオ
糖尿病の医療費が家計を圧迫している
 2型糖尿病の多くは、健康的な生活スタイルにより予防が可能だ。家族の糖尿病リスクを低下させるための対策は家庭で始められる。

 家族が健康的な食事や運動の習慣を共有すれば、2型糖尿病を予防・改善するのはより容易になる。

 また、糖尿病の医療費は、患者だけでなく、家族にとっても大きな負担になる。途上国には、インスリンなどの医薬品や治療費が、家族の可処分所得の平均の半分に及んでしまい、治療を受けられないでいる患者が多くいる。

 定期的な治療と検査に安定してアクセスできるようするには、医療費を抑えることが欠かせない。医療機関へのアクセスを保障し、糖尿病の治療薬の価格を抑え、糖尿病患者とその家族の経済的な負担を減らすために、世界的な対策が必要とされている。
糖尿病の教育プログラムに家族で参加
 糖尿病の治療において、家族を支援することが、患者の健康を改善する大きな効果をもたらすことが、多くの研究で示されている。また、ストレスなどの精神的な負担は治療の妨げになり、生活の質を下げることが知られている。

 しかし現状では、糖尿病の教育プログラムに参加できる患者は2人に1人以下、家族は4人に1人以下だ。糖尿病とともに生きる人に加えて、その家族も支援し、糖尿病の自己管理を助けることが重要だ。

 医療従事者にも、糖尿病患者とその家族を支援し、糖尿病のコントロールを助けるための知識とスキルが求められている。
糖尿病のために世界で8秒に1人が亡くなっている
世界糖尿病デー(World Diabetes Day)
国際糖尿病連合(IDF)
世界糖尿病デー(世界糖尿病デー実行委員会)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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