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調査結果(医療スタッフ)

「インスリンポンプ療法」について、ご存知ですか?
 「指導・管理する自信はないが、知識としてはよく知っている」「基本的なことは知っている」が3割ずつとなりました。「指導・管理方法も含め、よく知っている」と回答した方の6割は医師、2割は看護師(半数はCDE)。本調査に回答された方の8割以上が、ポンプ療法についてある程度の知識をお持ちでした。
「インスリンポンプ療法」をどのようにしてお知りになりましたか?
  • 学会や研究会の発表で 61%
  • 雑誌・書籍・文献などから 50%
  • メーカー、代理店のスタッフから 37%
  • 「糖尿病ネットワーク」のニュースや関連情報ページで 28%
  • メーカーのパンフレットから 25%
  • 患者会など患者さんやその家族から 25%
  • 勉強会など、同僚から教えてもらった 21%
  • 「糖尿病ネットワーク」以外のサイトやニュースで 13%
  • 学生時代に学んだ 7%
  • その他 11%
  • 無回答 7%
 「学会や研究会の発表で」が最も多く6割、「雑誌・書籍・文献などから」が半数でした。その他では、医師の3割や看護師(全員CDE)の4人に1人が、「メーカー、代理店のスタッフから」「メーカーのパンフレットから」と回答。さらに、看護師さんは「糖尿病ネットワークから」「勉強会など、同僚から教えてもらった」という方も多くみられ、様々な方法で情報を得ているようです。
「インスリンポンプ療法」について、詳しく知りたいと思いますか?
  • ボタン操作でインスリンの注入や調整ができる 93%
  • ボタン操作でインスリン注入量を一時的に増減したり、止めたりできる 89%
  • 針を刺す操作は2、3日に1回である 79%
  • 注入した履歴を確認できる 58%
  • 知らない 3%
  • その他 3%
  • 無回答 1%
 「インスリンポンプでインスリンの注入や調整ができる」等、機器の基本的な性能や特徴については、多くの方がご存知のようです。ごく少数ですが、「知らない」と回答したのは管理栄養士さんでした。
貴院では、「インスリンポンプ療法」を導入していますか?
 「導入している」と「検討も導入もしていない」がほぼ同数でした。また、「現在導入していないが、検討している」という前向きな方が12%おられました。
「インスリンポンプ療法」を導入していない理由は?(n=39/複数回答可)
  • インスリンポンプ療法について、医療スタッフがよく知らない 54%
  • インスリンポンプ療法を必要としている患者さんがいない 33%
  • 患者さんが機器管理やメンテナンスをうまくできるか心配である 33%
  • 導入時の説明や初期管理などに、時間、人材、労力をかけられない 31%
  • 患者さんの経済的負担が心配である 21%
  • 病院・医院側の経済的負担が心配である 13%
  • 以前使って、うまくいかなかった経験・イメージがある 8%
  • ケトアシドーシス増大、カテーテル刺入部位の感染などのリスクが心配である 5%
  • インスリンポンプが患者さんにとって不便、不快そうなイメージがある 5%
  • 患者さんに勧めてみたが、断られた 5%
  • わからない 8%
  • その他 8%
 導入していない方の半数強が、インスリンポンプ療法について「医療スタッフがよく知らない」との回答でした。また、「導入時の説明や初期管理などに、時間、人材、労力をかけられない」が3割と、医療機関側の体制がなかなか整わない現状が伺えます。
インスリン治療の選択肢の1つとして「インスリンポンプ療法」を、患者さんへ説明されていますか?(n=76)
 とくに説明は行っていない」が4割と最も多い回答でした。インスリン療法の選択肢の1つとしての紹介というより、ポンプが必要な患者さんへピンポイントに説明が行われていることが多いのかもしれません。
「インスリンポンプ療法」を、患者さんへ説明されていない理由は?(n=36/複数回答可)
  • 勤務先ではポンプ療法の導入予定がないから(説明しても、使用できない) 56%
  • インスリンポンプ療法が適用とされそうな患者さんがいない 36%
  • インスリンポンプ療法について、よく知らない(説明する自信がない) 19%
  • 説明しても、患者さんに理解してもらえなそうだから 14%
  • 患者さんの経済的負担を増やしそうだから 11%
  • わからない 0%
  • その他 17%
 お勤めの病院・医院で“導入されていない”理由として最も多かったのは、「インスリンポンプ療法について医療スタッフがよく知らない」で、約6割でした。また、「時間、人材、労力をかけられない」といった体制の問題がハードルになっている所が4割程ありました。
頻回注射療法の患者さんの、平均来院頻度は年間何回ですか? (n=60 無回答16)
 12回(月1回)という方が最も多い結果でした。
インスリンポンプ療法を導入されている方へお伺いします。
インスリンポンプ療法の患者さんの平均来院頻度は年間何回ですか? (n=32)
 12回(月1回)という方が最も多い結果でした。
「インスリンポンプ療法」を行う患者さんの来院頻度はどの程度が妥当? (n=76)
 「インスリンポンプ療法」を行う際、現行の保険制度では、材料費を償還するために、患者さんには毎月通院してもらう必要があります。これについて、「現在と同じでよい(毎月)」とする方は半数でした。また、消耗品を含む材料費が適切に償還されるのであれば「減らしても問題ない」(必ずしも毎月でなくてもよい)とお考えの方は3割でした。
1型糖尿病の患者さんは、毎月の支払額が高額療養費の適用を受けられる金額ではないため、補助を受けられないのが現状です。このことについて、どのようにお考えですか?(n=76)
 「助成が必要」「高額医療の適応が妥当」と、医療費補助が必要と考える医療スタッフは8割でした。
インスリンポンプ療法について、今後の普及に対するご意見など(自由記述)
  • 新しい治療法についての一般的な情報および教育が現在よりもさらに必要である。ポンプの普及については、良好なコントロールの患者さん自身に、もっと積極的に社会へアピールすることが必要と思われる。
  • インスリンポンプが患者のQOLの向上をもたらすだけでなく、透析を遅らせて、医療費の節約にもつながることを考え、総合的な判断をしてほしい。
  • 病院自体がインスリンポンプを薦めていないところが多い。おそらく金額面での患者さんからの要望が無いからと思われるが、ポンプを切望している患者さんも多く、先生にあれは良くないと言われたけれど、そういうものですかと相談は受けます。
  • インスリンポンプ療法についての情報提供の強化とともに、カーボカウントによる血糖コントロールの普及が不可欠と思われる。
  • 一番の問題はお金がかかるということだと思っています。ポンプやCGMなど効果的なものがあっても、病院としても患者さんとしても、うちの病院では無理。また、SMBG も保険がすべての糖尿病患者さんに適応していただければコントロールに役立つのにと思います。必要な患者さんに必要な器機を選択できると良い思います。しかし、糖尿病専門医が少ない現状では導入できたとしても、導入できる病院はどうしても限られるかなとも思います。一般開業医が活用できるためにはDM認定看護師やCDEJ 等が各診療所や委員にも存在し、指導管理ができるともう少し広まるのでしょうか。
  • 絶対に遅れている。日本は医療後進国になっている。自国でポンプを開発すべき。インスリンも自国で供給すべき。
  • ポンプ使用中の方々でさえメリットを活かし切れていないのが現状で、常に低血糖を恐れるあまりコントロール不良になりがちである。最新機器がより良いコントロールをもたらす事が出来るのに。ポンプのみならず、CGMSも治療・自己把握を含め、大変有効な機器なのに使用できない現状は一刻も早く改善すべきである。
  • 勤務先では、最近糖尿病の妊婦が入院時に導入する話がありましたが、出産のための入院期間が短いため、インスリンポンプを理解し、操作できるまでの時間が足りないことで、見送られました。実際、インスリンポンプ療法を指導する医療スタッフが育っていないことが問題です。
  • 無線CGMとリンクしたCSIIが広く普及することを願います。そのためには周波数問題の早期解決と、ポンプの適正価格での導入、保険償還制度の改善(消耗品の価格だけでなく、ポンプの減価償却費、適正な技術料の評価を含む)、患者負担の軽減が図られる必要があると思います。
  • 新しい治療や機器ができたことは耳にするが、実際に使用できるまでには時間がかかっている。タイミングを逃すとできる治療も限られたりすることもあると思う。世界中の人が同じように治療が受けられるようにしてもらいたい。
  • 自分自身、知識としては知っているが、実際日常生活上で使っている患者さんを見たことがない。患者さんの声が聞ける機会があれば、もっと医療者の理解が深まるのではないかと思う。学生時代にポンプのデモストをしたが、頻回注射のような手間がなく、追加打ちもしやすそうだったので、自分はもし糖尿病を発症したら、検討する余地があると感じた。
  • インスリンポンプ療法は、患者さんにとって、毎回注射をすることないため、わずらわしさを軽減できる方法だと思います。施設としては、医療スタッフの不足、施設設備が整っていないため実施できない現状です。対象者はいますが、大学病院に紹介せざるを得ない状況です。
  • 患者さんの生活の質が上がるように良いものは取り入れ、少しでも不自由感が減ると良いと思う。強化インスリン療法で改善しない患者さんで、ポンプ治療をためらっている方も、使いやすいデバイスなら導入することが可能だというケースも増えると思う。

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2011年6月27日 19:48に投稿されたエントリーのページです。

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