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調査結果(1型糖尿病患者さん)

あなたは、「インスリンポンプ療法」をご存知ですか?
「使用目的などの基本的なことは知っている」1型糖尿病患者さんは半数、「使用方法も含め、よく知っている」方は26%でした。また、「知らない」とする方は3%。回答者4人のうち3人は、ある程度の知識はお持ちのようです。
「インスリンポンプ療法」をどのようにしてお知りになりましたか?
  • 「糖尿病ネットワーク」のニュースや関連情報ページで 50%
  • 診察時に主治医から教わった 30%
  • 患者会の勉強会や会報誌から 20%
  • 「糖尿病ネットワーク」以外のサイトやニュースで 19%
  • 糖尿病のある友人から聞いた 12%
  • SNSなどのコミュニティサイトで 11%
  • 医療機関で配布されたパンフレットから 9%
  • 新聞やテレビ、雑誌から 6%
  • その他 7%
  • 糖尿病教室で教わった 6%
  • 市民講座などのイベントで 2%
  • 家族から聞いた 1%
  • 無回答 10%
 「糖尿病ネットワークの情報」「主治医から教わった」「患者会から」と続きました。当サイトのアンケートであるバイアスも考えられますが、インスリンポンプ療法に関する情報が得られる場所は、限られている現状がうかがわれます。
「インスリンポンプ療法」について、主治医から説明を受けことはありますか?
 「説明だけ受けた」が20%、「説明を受け、勧められた」25%と、約半数の1型糖尿病患者さんは説明は受けているようです。一方、「説明も勧められたこともない」方は、47%とこちらも半数でした。その他では、「自分から相談した」という方が多数を占めました。
「インスリンポンプ療法」の特徴についてご存知ですか?
  • ボタン操作でインスリンの注入や調整ができる 79%
  • ボタン操作でインスリン注入量を一時的に増減したり、止めたりできる 70%
  • 針を刺す操作が2〜3日に1回である 55%
  • 注入した履歴を確認できる 35%
  • とくに何も知らない 16%
  • その他 3%
  • 無回答 2%
 約8割の方が「ボタン操作でインスリンの注入や調整ができる」、7割が「ボタン操作でインスリン注入量を一時的に増減したり、止めたりできる」、といったインスリンポンプの基本的な特徴についてご存知でした。
「インスリンポンプ療法」を行ったことはありますか?
 「現在、行っている」方が19%、「過去に行ったことがあるが、現在は行っていない」方が3%と、インスリンポンプの経験者は22%。また、「現在は行っていないが、いつか行ってみたいと考えている」方は30%、「現在、検討中である」方が5%と、インスリンポンプに対して興味を持っている方は35%おられました。
Q5で、インスリンポンプ療法を実施・検討したが現在「行っていない」と回答された方におうかがいします。
「行っていない」のはどのような理由ですか?
  • 今、通っている病院で取り扱いがないため。
  • 頻繁に低血糖を起こしていた際に、主治医から説明を受けインスリンポンプの紹介を受けた。今のとこ1カ月半〜2カ月の診察を受けているが、インスリンポンプになると診察を受ける期間を短くしなければならないと聞いてもう少し頑張りますと伝えた。
  • 専業主婦だし今の注射を不便に思っていないから自分には必要ないと思っています。ただ血糖コントロールに関しては必要ありかな・・と思いますが、小さい子供がいますので、指導入院する事ができず先送りしています。
  • ポンプを取り扱っている病院が近くにない。・経費がかさむ。・結局予備で注射も用意しなくてはならない、など
  • 転院の必要性があったこと、入院が難しかったこと、医療費の負担額が増えてしまうことから。
  • 主治医がインスリンポンプの導入(の効果)に否定的で、導入基準も明らかではないため。
  • 妊婦の時、より安全にしたいと主治医に相談したのですが、その必要がないといわれ、使用しませんでした。金額も医療費だけで家族に負担をかけているのでこれ以上の出費も無理だと思ったのも原因です。
  • 針を刺しっぱなしなのが不安。
  • 勧められていないということは、私には不必要な治療法なのかと思ったから。
  • 普及率が低く、世間一般に認識されていない。特殊療法的な感が否めない。
あなたが支払っている年間の医療費総額(窓口支払額)は?
 治療法や合併症の有無などによって、人それぞれでしたが、年間15〜20万の方が多いようです。また、ポンプ療法を行っている方は、年間18〜20万円という方が多くいらっしゃいました。
通院1回にかかる交通費は?
 往復で500円程度という方が最も多く、2番目が千円程度、3番目が0円でした。また、1回で2千円(片道千円)以上かかっている方は全体の14%で、1.5万、2万円と高額な方もいらっしゃいました。
昨年の通院頻度は、年間何回でしたか?
 人によってばらつきがありましたが、年間12回(月1回)という方が最も多く38%、次に6回(2カ月に1回)で16%、これに10回、8回、20回と続きました。インスリンポンプ療法の方では、4割が12回(月1回)で、あとは8〜24回まで人それぞれでした。
通院回数に対するお気持ちをお聞かせください。
 「減らしたい」という方と「今と同じでよい」という方が約半々でした。通院回数を変えたい方の希望回数としては、2〜3カ月に1回にしたいという意見が最も多くみられました。
インスリンポンプ療法を行っている方へお伺いします。
頻回注射療法からインスリンポンプに変更して、自己負担額に変化はありましたか?
 「高くなった」と感じている方が半数、「あまり変わらなかった」とする方が32%でした。
インスリンポンプ療法を行っている方へお伺いします。
インスリンポンプの"満足度"は、支払っている医療費と比べてどう思いますか?
 医療費が高くなったと感じている方が半数いる中、満足度としては、「インスリンポンプの満足度の方が高い」と感じている方が最も多く44%、「妥当である」との肯定派も27%でした。一方で、「医療費の負担の方が大きい」と感じておられる方は17%いらっしゃいました。
インスリンポンプ療法を行うために、国や自治体からの医療費助成があったらよいと思いますか?
 「切実にそう思う」53%、「思う」方が31%と、84%が助成を希望されていました。また、ポンプ療法を行っている方では、「切実にそう思う」が73%、「思う」が22%と、実に95%が望んでおられました。
インスリンポンプ療法を行っている方へお伺いします。
小児特定慢性疾患制度による助成を受けたことはありますか?
 「現在、受けている」7%、「過去に受けていた」12%で、19%の患者さんが受けておられました。一方、「知らなかったし、受けていない」という方は最も多く29%、「知っていたが、受けていない」方は5%。助成は18歳未満のお子さんが対象となるので、対象年齢での発症でなかった「対象外」の方がその他へ回答されておられました。
インスリンポンプ療法について、医療費や通院の面でのご意見など(自由記述)
  • 私の通ってる病院の分泌内科ではインスリンポンプを扱っていないそうです。病床数500の大病院ですが、あまりにも1型糖尿病について知らなさすぎます。徒歩圏内なので他の病院に移りたくないために我慢していますが、インスリンポンプがもっと普及すれば良いのにと思います。
  • 海外のインスリンポンプは日本に比べて進んでいるように見受けられる。進んだ医療が日本で受けられないのはどこに問題があるのか。病院がインスリンポンプを勧めないのは、何か釈然としないものがある。患者の費用負担の問題、保険制度上の問題、電波法の問題、あるいは企業の問題・・当事者がよくわからずにいる現状を変えたい。
  • 身近に使っている人がいないし、主治医からの説明も無い。情報が欲しい。
  • 月額の医療費は安くないですが、ポンプ自体は病院からレンタルしてもらっているので助かっています。センサーなどの医療費は仕方ないとしても、インスリンそのものは1型にとって生きるために必須なので、100%保険でカバーしてもらえれば、と思います。あと、海外ではすでに使われているというポンプの最新版を日本でもすぐに使えるようにしてほしいです。特に、インスリン注入と血糖自己測定が一体になっているポンプを一日も早く入手可能にしてほしいです。<ポンプ使用者>
  • 満足度の方が費用増より高いので仕方ないと思っていますが、もっと利用者が増えれば安くなるのでは?ポンプの優位性は間違いないので病院でもっと奨められるように出来ないものか?病院の利益優先なのか?とうがった見方をする人が多いと聞きます。<ポンプ使用者>
  • 月1回の通院がイヤだと言う人がいます。私は、注射のときから月いち通院だったので、何とも思わないですが。あと、ポンプにするのに1週間くらい入院しなきゃいけないってのも、ポンプにできない要因のひとつでは、あるかも。私は入院なしだったので、導入できました。主治医や、病院によって違うみたいですね。ポンプにして2年が過ぎました。楽なのでもうしばらくお世話になろうと思います。血糖もかなり落ち着きました。<ポンプ使用者>
  • 私はポンプ療法によって生活の自由度が増しただけでなく、血糖コントロールも非常によくなりました。ポンプ療法に対する総合的な満足度は極めて高いです。
  • 投与量の決定やカーボカウントなど、インスリンポンプを有効に使うために医師や看護師、管理栄養士などより精通した医療スタッフの育成を期待しています。今までは「インスリンの投与量に合わせて生活…食事量、運動…して血糖をコントロールしていた」のが、インスリンポンプを使う事で「自分の生活に合わせ自在にインスリンを投与し、血糖のコントロール」と言うスタイルが叶う。嬉しい!の一言です。しかしながら、理論を正しく理解しなければ上手に使いこなしには難しいと思います。より良い血糖コントロールを叶えるためにも、導入後のフォローをしっかり行ってほしいです。
  • 導入の際に入院が必要だったので、そのときは医療費がかかったと思う。外来で何とか導入ができるならばそれに越した事は無いと思うけれど、ある程度の期間、自分に合ったインスリン量を決めるために状態を見ることと、交換等の手技の確認などを行ううえでは、必要不可欠かと。医療費、通院については、特に今のところは問題を感じていない。<ポンプ使用者>
  • ポンプにして5年、HbA1Cが苦労なく4〜5%台に留まっているので、以前はすぐに風邪をこじらせていたのが無くなり、風邪にかかる結構な医療費が無くなり、医療費全体が安くなり、体も楽になりました。ポンプほど有り難いものは無く、導入して下さった先生には大変感謝しております。<ポンプ使用者>
  • インスリンポンプ療法によってQOLが大変よくなっていますが経済的負担がその分大変きついです。慢性疾患であるため安心して治療に専念できるようにしていただきたい。<ポンプ使用者>
  • WEBサイトを見ると、インスリンポンプを取り扱っている医療機関が少ないように思います。もっと多くの医療機関で取り扱っていただくと嬉しいです。また、インスリンポンプの表示で日本語がないとも聞きました。日本語の表示ができるポンプの開発を早急にお願いしたいです。
  • これは既存導入者向けの記入欄かも知れませんが…。現在インスリンポンプは、「インスリン注射ではコントロールできない」という重篤な状態の方から、「QOLを向上させたい」という軽微な状態の方まで、特段の差もなく導入されているのが現状です。こうした状況が続くと混乱が深まりますので、「この場合は導入(適用)」という基準を設けてもらいたいと思います。少なくとも、「この基準をクリアした人が導入対象」という状況にしてもらいたいと思います。
  • 近くにポンプ療法の専門医がないので通院するのに交通費と労力と時間がかかるのが負担です。<ポンプ使用者>

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2011年6月27日 19:48に投稿されたエントリーのページです。

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