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2023年国際糖尿病支援基金・年次報告書


国際糖尿病支援基金・年次報告書
(2023年1月1日〜2023年12月31日)
◎はじめに

 「国際糖尿病支援基金」は、途上国における糖尿病患者さんの恵まれない現状を日本の患者さんや医療スタッフに知っていただくこととともに、そのような患者さんを支援することを目的に2001年に発足し、設立から23年目を迎えました。

 2023年も当基金の活動に多くの方々から関心を寄せていただき、ご寄付をいただきましたことを心から御礼申し上げます。皆様の善意と熱意に支えられ、経済的な理由で治療を受けることが困難な糖尿病患者さんを支援することができました。

 この間、個人・団体からは21件の寄付がよせられ、新たに64万8,118円の基金が集まりました。毎年、定期的にご寄付を頂いている方もおり、基金発足以来の寄付金累計は1,956万165円になります。
 一方、当期間中に、途上国の糖尿病患者さん支援のため72万7,904円(送金手数料を含む)を送金し、実際の支援活動に活用させていただきました。基金発足以来の支援金の合計は1,941万7,033円となりました。
 皆様からのご支援は、現地では大きな価値を有し、多くの糖尿病の患者さんの命が救われ、大変喜ばれております。

 

  • オーストラリアで途上国の糖尿病患者さんを支援する「INSULIN FOR LIFE Groval(IFL))」(創設者:Ron Raab氏、代表:Alicia Jenkins医師)
  • 南米エクアドルで小児糖尿病患者さんを支援する「Fundacion aprendido Vivir con Diabetes(FUVIDA)」(代表:Aracely Basurto Calderon医師)の糖尿病サマーキャンプ
  • インドで糖尿病の子どもや女性を支援する「Dream Trust」(代表:Sunket Pendsey医師)

 2023年は、新型コロナウイルス感染症も終息し、ほぼコロナ禍以前の状態に回復した状況でした。基金発足以来、経験したことの無い円安状態に置かれ、世界情勢が変化していく中、日本が置かれた立ち位置の中で、様々な対応を求められ、同時に各国からの期待も、今まで以上に高まってきております。
 そのような状況においても、当基金では今後も途上国の糖尿病患者さんの実情をご紹介し、困難な状態におかれた仲間を少しでも手助けできればと、着実に活動を続けていきたいと考えております。

 随時公開されるレポートは、糖尿病ネットワークの「最近の関連情報」コーナーをご覧ください。

 2024年は、当基金が発足して24年になります。これまでご協力いただきました皆様に改めてお礼を申し上げますとともに、今後も日本とは比較にならないほど劣悪な医療状況におかれた糖尿病患者さんのために、引き続きご支援いただきますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。



◎2023年の支援活動

支援は、以下の3つの団体を通じて行いました。

  1. IFL(INSULIN FOR LIFE Groval)所在地:オーストラリア

  2.  コロナ禍が終息し移動制限も無くなり、ほぼコロナ渦以前の状況に戻りつつある中、IFL創始者のロン・ラーブ氏、現代表のアリシア・ジェンキンス医師、配送及び運営担当ニール・ドナラン氏、次世代を担うロン・ラーブ氏の娘であるタリー・ラーブ氏が7月に来日しました。
     当基金事務局訪問時に、アリシア・ジェンキンス医師、ニール・ドナラン氏による活動報告に加え、支援国の状況、今後の活動計画を含め、情報交換の貴重な機会となりました。

    ■IFLグローバル最近の活動と取組みについて(アリシア・ジェンキンス代表)(1)
    https://dm-net.co.jp/idaf/act/update/ifl1.php
    ■IFLグローバル最近の活動と取組みについて(アリシア・ジェンキンス代表)(2)
    https://dm-net.co.jp/idaf/act/update/ifl-2-1.php
    ■2023年IFLのウクライナ支援について(ニール・ドナラン氏)
    https://dm-net.co.jp/idaf/act/update/2023ifl.php



    支援金合計:12万円
    送金回数:1回

    Insulin for Life Groval(IFL)オーストラリア
    http://www.insulinforlife.org/


  3. FUVIDA(Fundacion aprendido Vivir con Diabetes)所在地:エクアドル
  4.  FUVIDAでは毎年糖尿病キャンプ「Dulces Amigos」を開催しています。当初は2023年3月に実施する予定でしたが、エクアドル国内で発生したM6.8の地震や集中豪雨による土砂災害の影響により、糖尿病キャンプは開催中止となりました。国際糖尿病支援基金からの支援金は現地の糖尿病患者さんとご家族を対象とした検査プログラムや糖尿病教育セミナーなどの費用に充てられました。

    ■2023年南米「エクアドル」FUVIDAからのレポート
    https://dm-net.co.jp/idaf/act/update/2023fuvida.php
    ■南米エクアドル「FUVIDA」の糖尿病患者イェセベス・ドリマさん
    https://dm-net.co.jp/idaf/act/update/post-60.php



    支援金合計:25万9,690円(送金手数料を含む)
    送金回数:2回

    Fundacion aprendido Vivir con Diabetes(FUVIDA)(エクアドル)
    http://www.fuvida.org.ec/



  5. ドリームトラスト 所在地:インド

     2023年6月、大変悲しい知らせが現地より届きました。
    ドリームトラストの創始者、シャラッド・ペンデセイ医師が闘病むなしく逝去されました。 糖尿病患者に対する多大な貢献を讃えるとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。 

    pendsey.jpg

    訃報

      ドリームトラストの代表であるシャラッド・ペンデセイ医師が、2023年6月14日に永眠されました。

      シャラッド医師は、インド中央部ナグプール市で糖尿病クリニックを開業されているほか、糖尿病による足の病変の研究に関して世界的に有名な医師でもありました。
    経済的事情に恵まれずインスリン治療を受けられなかった2人の少女の死をきっかけに、インドの糖尿病患者さんが生き続けられるようにという願いを込めて、1995年にドリームトラストを設立しました。

    シャラッド医師は、これまで数多くのインドの糖尿病患者さんの命を救い、糖尿病研究にも尽力されてきました。シャラッド医師のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

     なお、ドリームトラストの活動は、シャラッド・ペンデセイ医師の息子、サンケット・ペンデセイ医師により引き継がれております。父シャラッド医師の生前の功績を大変誇りに思っていると同時に、父の遺志が途切れることの無いよう尽力したいと述べています。

    pendsey.jpg

    ドリームトラスト(インド)代表の交代について

     Dream Trustの創設者であるシャラッド・ペンデセイ医師が2023年6月14日に逝去し、シャラッド医師の息子である私サンケット・ペンデセイがドリームトラストの活動を継承していくことになりました。

     父が他界してから14日後、全ての儀式が終了しました。生前、非常に多くの人々から慕われていたことから、1ヶ月に渡り多くの弔問客がやって来ました。
    当クリニックは現在、完全に通常営業に戻っており、多くの困難が立ちはだかるものの、ドリームトラストの活動は決して休止しません。毎週水曜日と木曜日は、当施設で支援を受けている1型糖尿病患者の診療日とインスリンを受取る日として設定しています。
    父が他界した当日は水曜日であったため、多くの子供たちが当クリニックに来院しました。
      Dream Trustは今後も、インド国内の糖尿病患者さんたちにインスリンを提供し続けます。

     ドリームトラストへの支援は、例年通り包括的な支援と、特定の糖尿病の患者さんを継続的に支援するスポンサー制度の2つの方法で支援を行いました。

    スポンサー制度には2023年現在、当基金からの援助により13名の方々によりご協力いただいており、13名の1型糖尿病患者さんが継続して医療支援を受けております。スポンサー費用は主に患者さんのインスリンや診察費、通院にかかる旅費等に使われております。
     ドリームトラストからは、年1回、各スポンサーが支援している糖尿病患者さんのレポートが届き、子供さんの成長ぶりなど現況を知ることができます。


    「国際糖尿病支援基金」が支援をしているドリームトラストの1型糖尿病患者さん
    http://www.dm-net.co.jp/idaf/sponsoring.php#dt

     コロナ禍が終息し、8月にはマラソン大会、11月には、昨年同様、国際糖尿病デーのイベントが開かれ、ドリームトラストの会員やスタッフの人たちが一堂に会することができ、糖尿病について学び、また、レクリエーションを楽しむことができました。

    ■2023年ドリームトラスト(インド)からの近況報告
    https://dm-net.co.jp/idaf/act/update/2023-1.php

    支援金合計:47万1,244円(送金手数料を含む)
    送金回数:1回


    ドリームトラスト(インド)
    http://www.dreamtrust.org/


◎2023年の募金状況

期間中の寄付件数:21件
集まった寄付金の合計:64万8,118円

2023年の収支
2022年12月31日繰越金:22万2.918円
2023年内収入(寄付金合計):64万8,118円
同上 支出(支援金+送金手数料):72万7,904円
2023年12月31日現在 保有資金:14万3,132円

2024年3月
国際糖尿病支援基金 事務局

2024年03月
国際糖尿病支援基金
  • これまでに寄せられた寄付金
    1,956万265円 
  • これまでに実行した支援金
    1,941万7,033円 

(2024年04月現在)

国際糖尿病支援基金とは
国際糖尿病支援基金の活動
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最近の情報

国際糖尿病支援基金が支援する団体
  Insulin for Life
    (IFL:オーストラリア)の活動


  DreamTrust(インド)の活動
  Fundacion Vivir con Diabetes
    (FUVIDA:エクアドル)の活動


  Diabetes Kenya Lifeline
    (JAMBO!:ケニア)の活動

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