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エクアドルのマルホリエさん

 南米エクアドルで糖尿病患者さんを支援する Fundacion aprendido Vivir con Diabetes(FUVIDA)より、現地の糖尿病患者さんのレポートが届きましたので、ご紹介します。

 国際糖尿病支援基金はFUVIDAの活動に賛同し、 インスリン・フォー・ライフ(IFL)を通じて支援しています。



 私の名前は、マルホリエです。3人の可愛い子供達がおり、シングルマザーです。長女のナタリアは14歳、長男ジェファーソンは11歳、次女で末っ子のアミーは6歳です。3人ともほぼ同じ時期の2012年に糖尿病と診断されました。

 2012年3月に3人とも幾つかの症状がみられるようになり、私は心配になりました。体重が減り始め、元気が無くなり、時々、旺盛な食欲が出るものの、普段は全く食欲がない状態でした。その時は、デング熱か肝炎を疑い、子供たちを病院に連れて行きました。病院でもデング熱化肝炎の可能性がある と言われ、冬でもデング熱は普通にあることだと言われたのです。

マルホリエさんと3人の子供達(ナタリアさん、ジェファーソン君、アミーちゃん)



 病院で数日過ごした後、薬を処方されて在宅での治療法を教えられて、家に帰されました。その時は、子供達はこれで良くなり、数日後には、以前にも増して元気な子供と達に戻るだろうと思ったのです。しかしながら、子供たちの体重は減り続け、病院から貰った薬も効きません。子供たちが回復しなかったため、私は心を痛め、再び子供たちを病院に連れて行きました。

 私は、あの日のことを決して忘れることができません。最初に病院に連れて行った日から1か月後である4月4日、再び子供たちを病院に連れて行きました。ジェファーソンが最初に糖尿病と診断されたのです。正直なところ、糖尿病が何たるものかも知りませんでしたし、お医者様たちから聞いた言葉は全て、私を悲観的にさせるものばかりでした。最悪だったことは、糖尿病は遺伝的要素が強いことから他の2人も糖尿病である可能性があると言われたことです。私は、もう怖くて神様に祈りましたが、祈りは通じませんでした。

 ナタリアとアミーにも検査を受けるよう勧められたため、2人を病院に連れて行き、検査を受けさせたところ、最悪の結果となりました。2人とも糖尿病と診断されたのです。アミーが診断された日は6月15日、ナタリアが診断された日は7月27日のことでした。糖尿病に関して何も知らなかったことに加え、病院のお医者さまからは「子供たちにしてあげられることは何もない。だんだん、目が見えなくなり、腎臓に障害が出て、生涯治ることはない」と言われたため、母親として、動揺してしまい、子供たちに何もしてやれない状態に無力さを感じました。

 この診断により、子供達の人生は大きく変わりましたし、私の人生も大きく変わりました。子供達は、厳しい食事制限、インスリン注射、低血糖、高血糖、そして、その他にもお医者さまから指導を受けることがありました。また、それらのことは子供達や私にとって、不安をもたらし、絶望的な状態にし、そんな子供たちを見る度に神様に「私の人生で一番大切なものを取り上げないでください」と祈るばかりでした。

 全てが子供たちにとって逆境でしたが、母として子供達が幸せな人生を送れるよう、例え小さなことであっても可能性のあることには望みを持ち続けました。子供達は、月に1度の定期検診を受けるうち、同じような境遇を持つ母親と話をする機会がありました。彼女の話では、「私の子供が糖尿病について学ぶことができる場所を提供し、私もそのお蔭で助かっているFUVIDAという団体がある」とのことでした。私は、迷わずFUVIDAへ連絡をとり、8月にスタッフの方とお会いすることになりました。

FUVIDAのアラセリー代表とナタリアさん、ジェファーソン君、アミーちゃん



 FUVIDA代表のアラセリーさんは、FUVIDAがどのような団体であるかということ、糖尿病と共に生きる方法を説明してくださり、糖尿病を持ちながらも普通に生活している子供たちについて話し始めました。彼女は、私をFUVIDA主催の会合に呼んでくださり、同じような境遇を乗り越え、糖尿病を持ちながらも幸せな人生を送っている人達に会うことが出来ました。FUVIDAで教えられたことは、糖尿病教育が最も大切であるということです。そして、毎日のように、血糖コントロールの方法を教えていただいています。FUVIDAは、糖尿病治療に必要な物資も支援してくださるので、お蔭で子供達も生きながらえることが出来ています。

 子供達が落ち着き、糖尿病のコントロール方法を学んでいってくれているので、私はこの上なく幸せです。子供達は、同じ年頃の同じ境遇にいる“糖尿病の先輩たち”から話を聞き、年齢に応じた健康的な生活を送る術を学んでいます。私は、長女のナタリアがFUVIDAで学んできたことを弟達に教え、面倒を見ることに責任を持ち始めた姿に誇りを感じます。

 私は、子供達、そして私自身をFUVIDAに引き合わせてくださった神様に毎日のように感謝しています。「神様は、子供達にFUVIDAの事を教えてくださり、新たな生活を与えてくださったことで、私の今の人生を、この上なく上等なものにしてくださったのだ」と毎日のように口にしています。



 エクアドルでは、糖尿病の患者さんへの支援が十分でないために、オーストラリアの「インスリン・フォー・ライフ(IFL)グローバル」などの団体が定期的にFUVIDAへ、糖尿病療養に必要な物資を支援しています。


  【English】
The history of Marjorie
http://www.dm-net.co.jp/idaf/fuvida2015/english.pdf

 国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアを通じて、2008年よりFUVIDAの活動を支援しています。

 FUVIDAの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口
※通信欄へ「FUVIDA支援」とお書き頂きますようお願い致します。

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(2024年03月現在)

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