わが友、糖尿病 トップページへ メールマガジン無料登録

元ミスアメリカ ニコール・ジョンソンさん無事に女の子を出産

2006年04月
ニコール・ジョンソンさんと

ニコールさんの著書「Living with Diabetes(糖尿病と共に生きる)」を手に
第65回米国糖尿病学会(ADA)で撮影
 ADA(アメリカ糖尿病協会)発行の機関誌を読んでいたところ、「元ミスアメリカ代表ニコール・ジョンンさんが無事に女の子を出産した」と言う記事が目に留まりました。

 昨年、9月にアテネで開かれたEASD(欧州糖尿病学会) 会議で彼女に会ったとき、「1月に生まれる」という話はしていたのですが、無事に出産という記事を読み、とても喜ばしいことと思いました。

 記事の内容としては、ニコールさんの主治医からのアドバイスも含め、糖尿病患者が妊娠・出産するためには、いくつかの条件が必要となってくるものの、その条件さえ満たせば諦める必要はないと言う内容でした。

 その条件とは、言うまでもなく、第一に良好な血糖コントロール、第二に目・腎臓・心臓への負担を認識し各専門医の診察を受けること、第三に血圧のコントロールにも注意すること(高血圧が先天異常の引き金になり、妊娠中は、通常、血圧降下剤の使用は控えなければならない)、第四に信頼できる産科医を選ぶこととありました。

 ニコールさんの妊娠に関して、ご両親は映画「Steel Magnolia(マグノリアの花たち)」でジュリア・ロバーツが演じた、メインキャラクターの一人が妊娠中に腎障害を起こして死しんでしまうということが頭からはなれず、とても心配していたそうです。

 ニコールさんでさえも、信頼できる産科医に巡り会えるまで、時間がかかったそうです。

 中には妊娠前には血糖コントロールよりも、「葉酸入り総合ビタミン剤さえ飲んでいれば大丈夫」といった、とんでもない産科医もいたそうです。仕事での成功、結婚、出産と人生の目標を叶えるべく努力を怠らなかったことにも触れられており、中でも、出産に関して一番の成功のポイントは、理解のあるパートナーに恵まれたこととあります。妊娠中、2時間おきに血糖値を測るため、睡眠中も3回起きて血糖値を測らなければならず、2回は自ら測り、1回はご主人に測ってもらい、睡眠不足にならないよう協力し合っていたそうです。とにかく、良好なコントロールを保つためにご主人を全面的に巻き込んだし、“血糖検査狂”状態だったともありました。

 すでに3人の養子を迎えており、新たな家族を迎え、忙しいながらも充実した家庭生活を送る傍ら、すでに取得しているジャーナリズムの修士号に加え、公衆衛生学の修士号の取得を目指しているということで、ニコールさんの頑張り家さんぶりには頭が下がります。

 人生の目標を次々に達成し、全てに成功しているように見えるニコールさんといえども、そのための努力や苦労をしていることが伺える記事でした。

 ニコール・ジョンソンさんには、これからも1型糖尿病患者の希望の星として、さらなる活躍を期待したいと思います。

ニコール・ジョンソンさんのウェブサイトより Nicole Johnson.com

©2006 森田繰織
©2003-2024 森田繰織 掲載記事・図表の無断転用を禁じます。