糖尿病セミナー

17. 足の手入れ

2015年7月 改訂

足にトラブルが起きたら

 糖尿病の「慢性合併症」の中で、網膜症や腎症、神経障害などは、年単位でゆっくり進行します。しかし足の合併症は、いったん起こり始めるとごく短期間で進行することがあり、「急性合併症」としての側面もある病気です。だからこそ、ここまでに解説してきた、ご家庭での日々のチェックが大切なわけです。
 そして、もし足にケガをしたり、異常に気付いたら、すぐに消毒などの応急手当をしてください。処置に困ったり、傷の具合がよくなる気配がみられないときは、早めに医師にみせてください。一番いけないことは、痛くないからといって放置することです。
 また、タコやウオノメを市販薬で治そうとしたり、自分で削ったりすると、削りすぎて新しい傷をつくることがあり危険です。みず虫も、あやしいと思ったら早めに医師にみてもらいましょう。

増加が予想される足の病気

 これまで日本では、糖尿病による足の病気は欧米に比べて少ないとされてきました。その理由の一つには、動脈硬化が少ないことがあります。また、家の中では靴を履かず、入浴好きで清潔を好む国民性によるものと考えられています。
 しかし今後、日本でも糖尿病の増加、足の動脈硬化の進行、ライフスタイルの変化により、足の手入れの大切さはますます高まると考えられます。糖尿病と足の関連をよく理解し、みだしなみを整えるのと同じように、普段から足にも気を配りましょう。

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