一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会

ご挨拶

第33回日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会 会長 鮫島 浩

第33回日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会
会 長 鮫島 浩
(宮崎大学医学部生殖発達医学講座産婦人科分野教授)

 2017年12月2、3日の両日に、第33回日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会を宮崎市のフェニックス・シーガイアコンベンションセンターで開催いたします。本学術集会の開催にあたり、会員の皆様のご協力とご支援に大変感謝しています。

 厚生労働省「2016年国民健康・栄養調査」から、糖尿病人口は1,000万人を越えたことが発表され、糖代謝異常を持つ母体と胎児、新生児は、単に周産期に限らず、生涯にわたる健康が国民的な問題となっています。そうした中での本学術集会はたいへん重要な位置づけになるものと考えます。

 今回は、海外招聘講演(スポンサードセミナー)として、米国オハイオ州 Case Western eserve大学Reproductive Biology学教授Sylvie Hauguel-De Mouzon先生をお招きすることになりました。
”The Intrauterine Exposome of Obesity: Role in Developmental Programming”というタイトルで、母体の食事や生活習慣から始まる胎児、胎盤への影響について最新の話題をご提供いただきます。前回から2年越しの企画であるシンポジウム「多胎妊娠と糖代謝異常―より良い管理を目指して―」を多胎における問題点、最新の研究、栄養管理なども含め多角的に発展させたいと思います。

 一方、第34回に引き継ぐシンポジウムとしては、「本邦においてGDMは本当に2型糖尿病になりやすいのか?その頻度は?フォローアップを確実に行うためには?-Time to Act-」をテーマに企画されています。本邦におけるGDMの病態を再確認し、GDMのフォローアップが充分にはなされていない現状を踏まえ、今後のアクションプランを提示するといった、たいへん興味ある内容になっています。

 学会認定講座小児科領域講習には、日本の新生児医療を牽引してこられた楠田聡先生に糖尿病母体児の管理についての講演をお願い致しました。また、安日一郎先生に「『妊娠糖尿病、インスリン抵抗性、胎児発育』(=Pedersen仮説)を考える」と題した教育講演をしていただきます。

 学会事業である調査研究DREAMBee Studyについては、荒田尚子先生に現在の進捗状況をご報告していただきます。

 好評の助産師集中講座は、福井トシ子先生のご協力をいただいて12月3日(日)に企画しました。助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)レベルIII認定申請に活用可能な必須研修となっています。助産師の皆さんにとって、母児の健康に求められる血糖管理の理解を深める良い機会となると思います。

 一般演題には、内科、小児科、産婦人科医師や看護師、助産師、栄養士などコメディカルの方から応募をいただきました。応募いただいた各位に感謝いたします。妊娠と糖尿病の今後の発展のために、会員皆様の積極的、建設的な討論をお願いいたします。

 宮崎県の師走は、通常晴天に恵まれる季節です。学会の後は、美味しい焼酎や宮崎牛、地鶏などをお楽しみいただければ幸いです。多数の方々のご参加を心からお待ち申し上げます。

2017年09月 更新

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