ネットワークアンケート

医療スタッフのための『糖尿病情報 BOX&Net.』No.66 掲載

コロナ禍における受診状況の変化

医療スタッフ向けアンケート

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染症対策のために、病院への受診を控えているという声をよく聞きます。また、外出が減り運動量が少なくなった、体重が増えたという方もおられるようです。コロナ禍で患者さんにどのような変化があったのか、検討してみました。

<ご報告>
今回のアンケートは、705名(患者さん 571名、医療スタッフ134名)にご回答いただきました。糖尿病ネットワークより、国際糖尿病支援基金に お一人50円分、合計35,250円の寄付をおこないましたのでご報告申し上げます。ご協力ありがとうございました。

患者さん・ご家族に聞きました

糖尿病関連で医療機関を受診する回数(頻度)に変化はありますか?

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新型コロナ感染症流行下における医療機関の受診頻度について、患者さん571名(家族含む)のうち74%は「変わらない」と回答。「減った」という患者さんは24%でした。糖尿病のタイプ別に見ても、1型糖尿病患者さんの方が「変わらない」という人の割合がほんの少し多いようです。

【1型糖尿病患者さん】

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【2型糖尿病患者さん】

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受診回数が減った理由は何ですか?

受診回数が「減った」と回答した人にその理由を聞いたところ約7割の人が、「医療機関の訪問や外出による感染が心配なため」と答えています。そのほか「オンライン診療や電話診療に変更した」「これまでより長時間の処方に変更した」など受診スタイルや治療方針の変更があった人もいるようです。

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今回の緊急事態宣言で自宅で過ごす時間が増えた方も多いと思いますが、生活に変化はありましたか?

また、今回私たちは「緊急事態宣言」という初めての状況に置かれました。その中で、患者さんの生活はどのような影響を受けたでしょうか。「食事量」「アルコール摂取量」「運動量」「睡眠時間」の4項目について聞いたところ、「運動量」の変化がもっとも大きく、患者さんの半数以上が、運動量が「減った」と答えました。

【食事量】

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【アルコール摂取量】

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【運動量】

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【睡眠時間】

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薬の服用(インスリン投与なども含む)や血糖自己測定(SMBG)はきちんとできましたか?

また、生活が大きく変わっても、8割以上の患者さんは、インスリン注射や薬の服用、血糖自己測定が「きちんとできた」と答えています。

【薬の服用】

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【血糖自己測定】

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今回のアンケート結果は、皆さんの実感と同じでしたか? 「withコロナ」の新しい生活スタイルにおいても、患者さんが糖尿病とうまく向き合ってくださることを願っています。

<調査概要>
実施時期:2020年 7月
調査方法:インターネット調査
対  象:「糖尿病ネットワーク」「糖尿病リソースガイド」メールマガジン会員
<回答者の属性>
患者さんやその家族 571 名
病  態:1 型糖尿病 237名、2 型糖尿病 311 名、その他の糖尿病 9名、患者さんのご家族 14名

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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