糖尿病の本

2023年07月14日

糖尿病学2023

  • 編・著:門脇 孝(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院院長)
    山内 敏正(東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科教授)
  • 発行日:2023年5月19日
  • 判型・頁:B5・192
  • 価 格:定価:11,000円(税込)
  • 出版社:診断と治療社
  • 概要:糖尿病研究の最新動向のなかでも特にわが国発の重要課題を取り上げ,専門的に解説したイヤーブックの2023年版.今年もこの1年の基礎的研究,臨床・展開研究の成果となる20編の論文を収録した.糖尿病研究者のみならず,一般臨床医にとっても必読の書.

目次:
基礎研究
 
1.骨格筋のAktによる老化・寿命の調節機構
[笹子敬洋,山内敏正,門脇 孝,植木浩二郎]
■はじめに
■骨格筋特異的Akt欠損マウスの樹立
■骨格筋特異的Akt欠損マウスの骨格筋関連の表現型
■骨格筋特異的Akt欠損マウスのその他の表現型
■低栄養・過栄養下の骨格筋特異的Akt欠損マウス
■Aktの下流で重要な役割を果たすシグナル経路の同定
■既報を踏まえた考察
■おわりに

2.膵β細胞の不均質性と可塑性
[佐々木周伍,宮塚 健]
■はじめに
■膵内分泌細胞発生の不均質性と膵島形成
■膵β細胞分化・成熟の不均質性
■膵α細胞分化・成熟との比較
■成体β細胞の不均質性
■おわりに

3.高血糖および不動化による筋萎縮のメカニズム
[平田 悠,小川 渉]
■はじめに
■糖尿病・肥満とサルコペニア
■高血糖による筋萎縮のメカニズム
■不動化による筋萎縮のメカニズム
■おわりに

4.遺伝的背景による脂肪組織の褐色化能の違いと肥満感受性
[脇 裕典,平池勇雄,山内敏正]
■マウスの脂肪組織褐色化能と遺伝的背景
■系統種の脂肪細胞のUCP—1発現ポテンシャルの差はゲノム上のcis作用による
■UCP—1遺伝子の—12 kbエンハンサーのrs47238345と核内受容体VDRの結合モチーフ
■Crispr—Cpf1を用いたC57BL/6脂肪細胞のゲノム編集
■ヒトにおける肥満の個人差とNFIA
■おわりに

5.オルガノイドパネルを用いたインスリン抵抗性NASH遺伝素因の解明
[木村昌樹,武部貴則]
■はじめに
■疾患に対するオルガノイドモデルの有用性
■肝臓オルガノイドを用いたNAFLDの遺伝子型と表現型関連解析
■おわりに

6.糖尿病性末梢神経障害におけるlong non—coding RNAの役割とヘテロ2本鎖核酸による新規治療法
[宮下彰子,小林正樹,横田隆徳]
■はじめに
■糖尿病性末梢神経障害の病態:DRG感覚神経の変性
■糖尿病性末梢神経障害とlong non—coding RNA
■HDOを用いたMALAT1のノックダウンによる糖尿病性末梢神経障害の変化
■糖尿病におけるDRG感覚神経の変性と核内構造体
■HDOによるDRGをターゲットとした治療法
■おわりに

7.MYCLによるリプログラミングを介した膵インスリン産生細胞の増幅
[櫻井瑛章,山田泰広]
■はじめに
■膵臓の発生/分化過程におけるMYCファミリー遺伝子の発現
■出生前後の膵内分泌細胞増殖におけるMyclの役割
■In vivoにおけるMycl発現誘導による膵島細胞の増幅
■Myclによる転写プロファイルのリプログラミング
■Myclによる膵島細胞増殖過程における細胞系譜追跡解析
■In vivoにおいて増幅した膵島細胞の機能解析
■Ex vivoにおけるMyclの発現誘導による成熟膵島細胞の増殖誘導
■Ex vivoにおいて増幅した膵島細胞の機能解析
■ヒト多能性幹細胞由来の膵内分泌前駆細胞におけるMYCLの発現
■MYCLによるヒト膵島細胞の増殖誘導
■今後の展望

8.非必須アミノ酸チロシンによるタンパク質感知と栄養適応機構
[小幡史明]
■はじめに
■ショウジョウバエを用いた栄養代謝生理学的研究
■タンパク質制限に対する転写応答機構
■チロシン摂食によりタンパク質制限応答が抑制される
■チロシン摂取制限によりタンパク質欠乏応答が惹起される
■チロシンはATF4標的遺伝子scylを介してmTORC1活性を調節する
■チロシンは神経ペプチドホルモンを介して食欲を制御する
■哺乳類におけるタンパク質欠乏応答との類似性
■おわりに

臨床研究・展開研究
 
9.2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズムに関するコンセンサスステートメント
[坊内良太郎,山内敏正]
■はじめに
■2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム作成のコンセプト
■2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム
■おわりに

10.糖尿病の検査・治療機器の最新の進歩
[菅沼由佳,髙橋 紘,西村理明]
■はじめに
■CGM
■スマートインスリンペン
■CGMとPersonal Health Record
■SAP
■おわりに

11.長時間作動型GIP/GLP—1受容体作動薬の糖尿病・肥満に対する効果について
[原田範雄,稲垣暢也]
■はじめに
■インクレチンの生理作用と薬理作用
■チルゼパチドの構造
■チルゼパチドを用いた臨床試験
■おわりに

12.第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」
[綿田裕孝]
■はじめに 94
■第3次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」の検証 95
■第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」 ―1,000万とおりの個別化医療構築に向けたアプローチ―
■糖尿病先端研究の結実
■包括的データベースによるエビデンス構築
■将来の糖尿病対策を担う人材育成
■国民への啓発と情報発信
■新興・再興感染症の脅威と糖尿病―パンデミックへの対策-
■おわりに

13.「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」と糖尿病
[磯尾直之,塚本和久]
■はじめに
■一次予防について
■二次予防について
■食後高TG血症について
■実際の個別症例でのASCVDリスク評価
■おわりに

14.「肥満症診療ガイドライン2022」と糖尿病
[西影星二,廣田勇士,小川 渉]
■はじめに
■肥満症診療ガイドライン策定の歴史
■肥満症診療ガイドライン2022改訂のポイント
■肥満症診療ガイドラインと糖尿病
■おわりに

15.健診で糖尿病を指摘された後に受診しない集団を機械学習で予測
[岡田 啓,山口聡子,門脇 孝]
■はじめに
■特定健診における糖尿病スクリーニング
■糖尿病スクリーニング後の受診率についての課題
■医療ビッグデータを用いた臨床疫学研究
■診療報酬明細・健診情報を含む商用データベースについて
■予測モデル作成の研究について
■機械学習とは
■機械学習を用いた研究について
■機械学習であるラッソ回帰とその関連知識について
■「健診で糖尿病を指摘された後に受診しない集団を機械学習で予測」の論文について
■おわりに

16.新規糖尿病治療薬SGLT2阻害薬がいかに心不全治療薬の主流になり得たか?
[北風政史]
■はじめに
■SGLT2阻害薬と心血管作用について
■SGLT2阻害薬と心血管保護について
■心不全に対するSGLT2阻害薬の作用―大規模臨床研究のエビデンス
■HFrEFに対するSGLT2阻害薬の作用
■HFmrEF・HFpEFに対するSGLT2阻害薬の作用
■EMPEROR—Preserved試験とDELIVER試験の相違
■SGLT2阻害薬の心不全治療に関する位置づけ
■まとめ

17.糖尿病黄斑浮腫に対するファリシマブの効果
[寺崎寛人,坂本泰二]
■糖尿病網膜症の疫学
■糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema:DME)
■DME治療と抗VEGF薬
■ファリシマブの構造について
■Ang—2について
■ファリシマブのDMEの有効性に関する臨床試験
■考察
■おわりに

18.EMPA—KIDNEY
[南学正臣,門脇 孝]
■はじめに
■糖尿病患者の臨床試験
■DAPA—CKD
■EMPA—KIDNEY
■メタ解析
■おわりに

19.サーチュインを活性化するNMNの高齢者に対する効果
[五十嵐正樹]
■はじめに
■NAD+中間代謝物の老化関連疾患予防効果を示す動物実験
■NAD+中間代謝物を用いたヒト臨床試験
■おわりに

20.The Bunkyo Health Study
[加賀英義,田村好史,綿田裕孝]
■はじめに
■Bunkyo Health Studyの概要
■インスリン抵抗性と筋力低下は単独で無症候性ラクナ梗塞のリスクとなり,併存により相乗的にリスクが高まる
■高齢男性では前糖尿病の段階からサルコペニアのリスクが増大
■握力低下と肥満の併発で認知症のリスクが増大
■ALDH2遺伝子多型と飲酒量,食事パターンの関係
■中学・高校生期と高齢期の両方の運動習慣が女性の骨粗鬆症リスクを低減
■おわりに

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