トップページ - 間食指導に関する情報 - 間食コントロールの有用性 - 4症例3

4)間食を止めたら
 Cさん(48歳・女性)は、糖尿病治療歴11年、身長166cm、体重84kg、BMI31で、脂質異常症を合併していました。インスリンと経口糖尿病薬で、食事指導前のHbA1cは7.2%でした。受診時には食事記録ノートを持参する真面目な方。

患者さんの話
  • 食事は娘や息子を中心に考えるので、朝は ソーセージや卵焼きが多くなります。
  • 昼は弁当持参で出勤です。がんばって作っていますが、あわただしいからつい冷凍の揚げ物類が多くなってしまいます。
  • 金曜日はご褒美の日。寿司を買ってくることが多いのです。
  • 休日はみんなが好きな焼きそばかお好み焼きです。簡単だし、野菜だって入っているから良いでしょ?
  • 野菜料理は時間がかかるし、子供もあまり食べてくれないから作りたくないのです。
  • 仕事から疲れて帰ってきたら、一休み。食事ノートには書いていないけど菓子パンやせんべいを止められないわ。
栄養指導内容
  • 間食は食べたつもりでお茶だけ飲んで、体重を計ると良いですね。
  • ほうれん草や小松菜を茹でて冷蔵庫に常備し、特に緑黄色野菜を食べましょう。ソースやかけ醤油、炒め物も塩を控え、薄味を心がけましょう。
経過
  • 指導の翌月から、ジュースは家に置かず、コーヒーも低糖に変え、菓子パンやせんべいは、すべて止めることを実行
  • 体重の推移:84kg(介入時)→83kg→81.5kg

ポイント
  • 間食をやめるだけで、効果が出てくる
  • 小腹がすいた時は、砂糖を入れないミルクティなどの飲み物で紛らわす。
  • 血糖コントロールを改善したいのであれば、間食はやめることが望ましい(コントロールが悪い場合は、"間食は原則禁止")
“間食しない”を行動目標にした人はA1cがより改善

 糖尿病患者さんは、10時、15時に間食すると、昼食、夕食時に血糖が十分下がりません。患者さんにSMBG(血糖自己測定)を3日間連続で1日7回(各食前と2時間値、および眠前)の測定を月1回、3カ月間に渡って記録シートに記入してもらいました。その時の行動目標を調査したところ、「間食をしない」と行動目標を立てた人はそうでない人に比べて、3カ月後のHbA1cの低下度が大きいという結果が得られました。

(加藤内科クリニック:加藤則子先生)

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