糖尿病セミナー
28. 小児の糖尿病(2)日常生活Q&A
2002年6月 改訂




夜食には、血糖値をすぐに上昇させる糖分の多いものよりも、ゆっくり血糖値を上げる炭水化物(ごはんやもち)、たんぱく質や脂質が多いものがよいでしょう。そのほうが、血糖値を上げ過ぎることなく、明け方まで長時間維持できます。例えば小さなピザのようなものです。
また、昼間の運動量が多いと、夜中に低血糖を起こす確率が高くなります。運動による血糖降下作用は、運動直後だけではないためです。ふだんは低血糖だと目が覚める子も、運動で疲労こんぱいしていると目が覚めないこともあるので、激しい運動をした日の夜は、注意が必要です。



ただし、塾までの距離や時間帯などにより対応は千差万別ですので、必ず主治医に相談して決めてください。この質問に限らずすべてに共通していえることですが、糖尿病の治療の中の細かい部分には、「全員こうすべきだ」という一定の方法はありません。




血糖測定で注意することは、測定値に振り回されないことです。よく、高血糖だとわかったとたんに落ち込んだり怒り出す子がいます。それでは、せっかく良いコントロールを続けるためにしている血糖測定が、役に立ちません。大切なのは血糖値が高すぎるとわかった後の対応と、そうなった原因を探して、明日からのコントロールに役立てることです。また、血糖値を測ること自体が目的となってしまい、記録用紙にビッシリと記入するのも意味のないことです。
逆にこまめに測らなければいけないのは、具合の悪いときや、症状がはっきりしないのに低血糖だと思ったとき。低血糖と思って補食を繰り返していて、確かに補食で具合は良くなるけど、あるときちゃんと測ってみたら、それほど低い血糖値ではなかった、というのは、血糖コントロールの悪い人にはよくあることです。
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