糖尿病セミナー
28. 小児の糖尿病(2)日常生活Q&A
2002年6月 改訂

このようにして、徐々に自分の低血糖の症状がわかるようになります。低血糖がわからないと、生活にかなり制限が加わってしまうので、早く自覚できるようになりましょう。


また、保護者の方で自分の子もそうしているのではないかと思い当たるのなら、血糖値が高いときに叱ったり、がっかりした表情をしていないか振り返ってみてください。子どもはそういう親の様子を目にするのが辛くて隠すのですから。隠れて食べていることがわかったときにも叱るのではなく、隠す必要はないことを時間をかけて説明してあげてください。そして必要なら、主治医と相談して食べる量を増やしてあげてください。


あとは、「やらなくて将来困るのはあなた自身なのよ」ぐらいに思うのがちょうどよいかもしれません。「血糖測ったの?」「ちゃんと注射したの?」と言い続ければ、子どもはもっと反抗的になります。仮にコントロールが目茶苦茶で、半年ぐらいHbA1cが10%ぐらいだったとしても、その期間だけであれば、重度の合併症にはまずなりません。あまり干渉し過ぎると、子どもは自分のためでなく、親のためにコントロールするという気になり、自立した社会性を持てなくなるのが心配です。



サッカーはスポーツの中でもかなり激しいですね。低血糖は避けることはできません。でも、自分の血糖値を自分で管理できるようになれば、ワールドカップに出場できるようなサッカー選手になることも、決して夢ではありません。
高校生・大学生になって1型糖尿病を発病すると、
小児期を過ぎ、ある程度大人になってから1型糖尿病を発病した患者さんをみていると、子どもたちとは別の大変さがあるようです。
まず、保護者に面倒をみてもらう年齢でないので、最初から自分一人で勉強し、すべてを管理していかなければいけない大変さがあります。そして、発病するまでの糖尿病ではなかった期間が、小児期に発病した人より長く存在することも、病気を受容する妨げとなります。さらに、ちょうど自分の夢や希望が具体的になってくる時期でもあります。
一般には小さいころに発病するほど苦労が多いように受けとりがちですが、こういう人たちの大変さを理解することも、同じ患者として必要なのかもしれません。
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