いま、1型糖尿病は

2008年06月01日

日本糖尿病協会小児糖尿病対策委員会のこと

 この連載の第6回で、日本糖尿病協会のお話をしました。今回は、協会のひとつの委員会、「小児糖尿病対策委員会」のことをお話しします。そして、この委員会の活動も含め、日本糖尿病協会が小児ヤングの糖尿病のみなさんに向けて、どういった活動をしているか、委員の1人としてみなさんにお話したいと思います。
日本糖尿病協会の月刊誌「さかえ」を知っていますか
月刊糖尿病ライフ「さかえ」

糖尿病のことがなんでもわかる月刊誌です。
編集・発行:社団法人日本糖尿病協会
http://www.nittokyo.or.jp/
写真は2008年1月号(第48巻・第1号)
 もし、日本糖尿病協会とか、「さかえ」という雑誌を知らない方は、この連載の第6回を読み、また日本糖尿病協会のホームページをみてください。

 日本糖尿病協会の月刊誌「さかえ」の購読をおすすめします。いま一番新しいこと、それから糖尿病について知っていてほしいことが、毎月満載されています。1型糖尿病のことも、2型糖尿病のこともでています。いま、毎月8万部を超える部数が全国の患者さんに読まれています。

 ところが新しく受診される方に、「さかえ」という雑誌や日本糖尿病協会を知っているかとお聞きしますと、「知らない。それはなに?」という方ばかりです。

 病院に毎月かかっているからそんな雑誌は必要ないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。でも、みなさんの主治医が短い診察時間の中で、糖尿病について全部をお話しすることはまず無理でしょう。知らなかった情報が、「さかえ」の中にいっぱいあるはずです。また、新しい情報も主治医より先に知ることもできる?可能性も大いにあります。
小児糖尿病サマーキャンプを知っていますか
 全国のサマーキャンプのことを統括しているのは日本糖尿病協会で、実際にはその下の組織、「小児糖尿病対策委員会」です。サマーキャンプを開催する団体への助成金は、日本財団からの助成金とあわせて協会から出しています。

 どこでどんなサマーキャンプが開催されるか、「さかえ」の5月に掲載されます。キャンプ参加は、全国のどこのキャンプでもできます。たとえば、東京に住んでいるお子さんが、おかあさんの実家の福岡のサマーキャンプに参加するといったこともできます。

 この5月に東京で開催された日本糖尿病学会年次学術集会にあわせていつものように日本糖尿病協会総会が開催されましたが、今回は、はじめて全国レベルでのサマーキャンプ主催者集会が開催されました。全国各地で開催される協会主催のサマーキャンプの内容がどんなものか、どんなことに苦労しているか、こんなことはうまくやっていますなど、お互いに知り合うためです。

 5月24日に開催されたサマーキャンプカンファランスでは、36団体から約100名が参加。25団体が自分たちのキャンプ内容をポスター展示しました。
「ヤングカンファランス」を知っていますか
 毎年夏や秋に、このようなカンファランスが開催されていることを知っていますか。「さかえ」を読んでいる方は、もちろんご存知ですね。

 サマーキャンプを卒業した方々、またヤングになってから糖尿病になった方々のために、最新の情報とお互いに交流する機会をもとうというのが主な主旨です。これも、日本糖尿病協会主催で、前身の「ヤングセミナー」や「全国小児糖尿病ジャンボリー」も含めると、もうずいぶん長い歴史をもって開催されています。

 「ヤングカンファランス」は今年で7回目の開催となります。愛知県名古屋市にて、11月1日〜2日の日程で開かれます。800人規模の会議になりそうです。
日本の小児ヤングに対するどんな研究がいま協会主催で進んでいますか?
 日本糖尿病協会は糖尿病の啓発活動が中心ですが、調査研究にも力をいれています。小児・ヤング糖尿病関連の受託調査研究として、25歳未満の方を対象に昨年から「ドーンユース(DAWN Youth)・鈴木(万平糖尿病学国際交流)財団調査」が行なわれています。みなさんの中には、もうこの調査に協力された方も多いでしょう。

 世界糖尿病財団、国際糖尿病連合、および国際小児思春期糖尿病研究会との協力、日本糖尿病学会後援のもとに実施しています。

 この研究の目的は、糖尿病が世界各国の若い糖尿病患者さんやその周囲の人達に対してどのような影響を与えているかを明らかにするために行なっています。日々抱えている問題や負担、糖尿病があるがためにおこってくる日常生活上の問題点などを明らかにし、これらの負担をできるだけ減らすための取り組みをしたいと考えているからです。

 結果の一部は、日本糖尿病協会のホームページ*にも掲載されていますのでごらんください。このように、みなさんに協力いただいた調査研究ですから、逐一ホームページでお知らせするようになっています。この調査結果は、日本糖尿病協会が糖尿病ケアについて厚生労働省に働きかけるとき、また日本から海外に糖尿病ケアについて発信するときの重要な資料にもなります。

*(社)日本糖尿病協会
http://www.nittokyo.or.jp/
「DAWN YOUTH・鈴木万平財団調査研究」について下記のページに掲載されています。
日糖協の調査研究
「小児糖尿病サマーキャンプ」について下記のページにも掲載されています。
日糖協 小児糖尿病生活指導講習会 サマーキャンプ開催のお知らせ

 5月23日の夕方、このDAWN Youth (ドーンユース) 鈴木財団調査結果報告会が都内のホテルで行われました。詳細は後日報告できると思います。世間は若い方の糖尿病について理解してくれないと言う前に、きちんと情報を提供することがいかに大切であるかということ、これを痛感いたしました。記者の皆さんとの意見交換から、そのようなことを感じました。

 「ドーンユース・鈴木財団調査」は、2008年に入ってから、医療従事者の方々を対象に小児ヤング糖尿病患者さんをどのようにケアしているかを調査しています。

 このように、日本糖尿病協会および小児糖尿病対策委員会は、講演会などの啓発活動とともに、みなさんの協力を得て調査研究も行い、日本の医療をよりよいものにして、胸を張って世界に発信していきたいと考えています。

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