糖尿病ネットワーク
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ハイチの病院で支援を受ける糖尿病患者さん
2010年01月28日
 インスリン・フォー・ライフ(IDF)の理事長であるロン ラーブ氏より、1月25日に下記のE-mailが送信されたので、ご紹介します。

 下記の写真は、たったいまハイチから届いたばかりのものです。ハイチ糖尿病・心疾患財団(FHADIMAC)のある医療機関で撮影されました。写真に写っている糖尿病患者さんが手にしている血糖測定器などの医療資材は、インスリン・フォー・ライフが支援したものも含まれています。

 インスリンや医療資材などの最初の2つのロットはIFLが支援したもので、輸送と手数料はIDFが負担しました。今後ご支援いただく寄付金は、輸送費などに利用させていただきます。私たちは資金を使い果たすまで、この支援活動を続けます。
 引き続きのご支援をお願いいたします。

ロン・ラーブ(インスリン・フォー・ライフ理事長)

 下記はハイチ糖尿病・心疾患財団(FHADIMAC)からの報告です。多くの糖尿病患者さんが支援を求めFHADIMACに集まっています。

 協会に緊急の助けを求めてきた糖尿病患者であるMarline Gさんは、ボロボロの衣服をまとい靴を履いていなかった。たったいま倒壊した家屋から助け出されたばかりで、医薬品を手にしていなかった。ハイチではインスリン25本分は約0.6米ドル。彼女の血糖値は230mg/dL、血圧は170/100mmHgで、正常値を大きく超えていた。前腕を負傷し、足の裏に刺し傷があった。足に合わない靴と非衛生的な生活環境のため、傷は悪化していた。

 Friday Dさんは1型糖尿病で、インスリンを失ってしまい、血糖値が360mg/dLあった。支援物資として送付されたインスリンで治療を行い、数日後に血糖値は120mg/dLまで下がった。

 Samuel Mさんはよく知られた弁護士で、医薬品だけでなく、家と弁護士事務所で使用しているキャビネットも失った。血糖値は414mg/dL、血圧は160/110mmHgあった。彼は自分が高血圧であることを知らなかった。

 Betty Tさんは地震でインスリンを失ったが、インスリンはどこにもないので、1週間治療ができなかった。血糖値は516mg/dLになっていた。Joseph Eさんも同様に血糖値が533mg/dLだった。IDFとIFLが送付したインスリンを使い治療を行った。Marie Carmelle Xさんも1型糖尿病で、血糖値が600mg/dL以上だった。

Elie Sさんの糖尿病の病歴は長く、FADIMACで10年以上治療を受けてきた。血糖値は124mg/dLで血圧は140/100mmHg。軽い傷を負っていたが感染症は起きていない。

ポルトープランスの病院で働らく医師でありFADIMACの技術ディレクターであるEddy Jean医師によると、高血糖による糖尿病昏睡を起こした患者さん2人を受け入れた。

57歳の女性は、3日間瓦礫の下じきになっており、昏睡状態で病院に運ばれてきた。血糖値は700mg/dLあり、右脚に骨折があった。水分補給と、インスリンと抗生物質の投与を開始したが、病院到着30分後に亡くなった。

45歳の女性は、運ばれてきた時の血糖値は640mg/dLで、血圧は130/90mmHgだった。4時間にわたる緊急医療でNaCl輸液とインスリン治療により、血糖値が261mg/dLに下がり回復に向っている。意識が戻ったが、家が破壊されてしまったため、両親とは病院で会った。病院では外傷治療を優先している。

(Terahata)

 日本の国際糖尿病支援基金(IDAF)は、世界的に途上国の糖尿病患者への支援活動を行っているインスリン・フォー・ライフ(IFL)に賛同し、いまだに十分な支援を受けられないハイチの糖尿病患者を救うために基金への寄付とご協力を広く呼びかけています。

寄付金・募金のお願い

  • 振替用紙(郵便局)の通信欄に「ハイチ地震」とご記入ください。
  • インスリン・フォー・ライフ(IFL)などを通じ、ハイチ地震で被災した糖尿病患者の支援活動に役立てます。その使途は、このホームページの「基金の活動報告」のコーナーで随時紹介いたします。