糖尿病食事療法用宅配食で自宅入院

2007年03月01日

自宅入院体験談 (1)

田村晴己さん  私が糖尿病と診断されたのは、今から6年前です。当時から、摂取エネルギーを減らすように注意は受けていたのですが、仕事柄海外出張も多く生活も不規則になりがちで、食事のコントロールは徹底できていませんでした。

 そこで大野先生からすすめられたのが、宅配食の利用です。「1日3食のうち、1食分でもエネルギーと栄養バランスが考えられた食事を摂ることからはじめてみては」と言われ、いくつかパンフレットを取り寄せ、約2年半前から夕食で宅配食を利用するようになりました。

 最初は、それまで食べていた量との違いから、かなり物足りなさを感じました。慣れるまでに3ヶ月くらいかかったと思います。ですが、しばらくするとその少なさにも慣れ、今は宅配のおかずと茶碗に3分の1のご飯、野菜サラダという献立で、十分満足できるようになりました。

 また、宅配食の利用を始めて良かった点は、食生活全般に気を配るようになったことです。例えば、以前は朝食を抜くことも多くありましたが、現在はバナナとヨーグルトを毎朝必ず食べています。お昼も近くの和食屋で魚中心の定食と、単品で納豆などを付け加えるようにしています。

 妻もそのような私を見て、今では私以上に食事に気を配ってくれています。食べ過ぎて体重が増えたりすると罰金を取られたりもするのですが、そのおかげで今は油断して食べ過ぎたりすることもほとんどありません。この食事療法の成功は、半分は宅配食、もう半分は妻のおかげだと思っています。

 このように、宅配食の利用と合わせて朝、昼の食事にも気を使うようになって2年半、その成果は自分でもビックリするくらいです。

 宅配食利用を始めた平成16年の人間ドックでは、体重85.3kg、体脂肪率27.5%、HbA1c7.2%だったのが、今年(平成19年)には、体重74.7kg、体脂肪率21.4%、HbA1c5.7%になりました。体型も大きく変わり、ポッコリ出ていたお腹もすっきりしました。

 私はこれまで、2つのメーカーの宅配食を利用しましたが、どちらもプロが作ったものなので、エネルギー量や栄養バランスはしっかりと管理されています。これから宅配食の利用を考えている方も、いくつか試してみて自分の生活スタイルに合ったものを選ぶと良いと思います。

 また、宅配食を利用し始めると食事に対する意識が高くなるので、それに運動やその他の生活習慣の改善を加えれば、さらに成果が上がると思います。

■田村さんの身長・体重・体脂肪率・HbA1cの推移

【大野先生からのコメント】

 田村さんは以前から毎日2万歩前後も歩くほど、身体活動量は多かったのですが、あまり体重は減りませんでした。そこで、冷蔵や冷凍の糖尿病治療食を1日1食だけ食べてみることをお勧めしたところ、見事にダイエットメニューを修得され、内臓脂肪も激減してメタボリック・シンドロームはすっかり解消されてしまいました。「食は頭で食べるもの」ではありません。プロの栄養士が作った「本格治療食」をまず食べてみることで,五感を働かせた「体験学習」から得られるヒントやきっかけは計り知れないものがあります。これに加えて、奥様の支援(内助の功)が大きい励みになったことは言うまでもありません。

もくじ

わたしの自宅入院

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