糖尿病Q&A1000

Q.264 顕性腎症後期には、どのように治療するのですか?

 血糖コントロールとともに、より腎臓を守ることに重点を置いた治療を進めます。具体的には、十分な降圧治療と、指示されたタンパク質摂取量を守る食事療法が基本となります。
 この時期の食事療法では、タンパク質の摂取量を制限することに伴って、必要なエネルギー量を十分にとれなくなることがあります。その場合は炭水化物または脂質の摂取量を多くして、エネルギー量をきちんと補います。炭水化物などによるエネルギー補給が十分でないと、タンパク質がエネルギー源と利用されてしまい、からだの栄養状態が悪くなるからです。炭水化物を増やすことで血糖値が高くなるようであれば、インスリン(または経口血糖降下薬)を調節して管理します。
 また、カリウムの排泄が滞りがちになってくるので、そのとりすぎに注意します。むくみがある場合には、水分摂取量を管理します。
 腎臓の負担を考えると、運動量(活動量・労働量)への配慮も必要です。立位(立った姿勢)での長時間の作業、疲れを感じるようなスポーツは避けてください。1日の疲れはその日のうちに解消して、翌日に持ち越さないようにしましょう。
2006年04月25日

※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。

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03-2 腎症のQ&A

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