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2007年04月24日

ウォーキングツアーが全国に広がる レジャーと両立

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 5月の連休を前に、旅行会社が健康維持を目的にした旅行商品の集客に力を入れている。中高年を中心に健康への関心の高い人が増えていることや、国土交通省が旅行を通じて健康維持をめざす「ヘルスツーリズム」の調査・研究を進めていることなどが背景にある。国土交通省は昨年、糖尿病患者や人工肛門患者を対象にしたモニターツアーを開催した。
健康とレジャーの両立を図ったツアー
 近畿日本ツーリストが5月末から6月初めに開催するツアーは、9泊10日の日程で東京から三重県の伊勢神宮までを、徒歩とバスで移動するというもの。

 伊勢神宮式年遷宮を記念したもので、日本ウオーキング協会が選定した「美しい日本の歩きたくなる道500選」の16コースを歩き、途中の国道ではバスを使う。東京発の料金は、4人1室利用で1人25万円。

 自治体でもこうした動きは盛んになっている。滋賀県は今年6月から来年9月まで、琵琶湖を1カ月ごと14回に分け1周する「スポレク健康ウォーキング」を実施する。

 コースは大津港を出発し、湖東ルートで琵琶湖沿いに北上し、湖西側を通り大津港に戻るというもの。琵琶湖畔の名所を巡ることができ、桜の季節に合わせて桜の名所で知られる海津大崎を通る、冬季は降雪のある湖北地域を避けるなど、季節の変化を取り入れている。

 琵琶湖1周の踏破を目指すコースのほか、肥満のある人向けに脈拍計などを装着し歩くコースや、家族連れ向けに3.5kmほどの短いコースなども用意している。参加費は、1周コースが2,000円、各回ごとの参加が500円。

中性脂肪値や血糖値が下がった
 JTBは2005年に「ヘルスツーリズム研究所」を設立、昨年に新潟県魚沼市、福島県いわき市、静岡県伊豆市で3回、19人の参加者を対象に旅行の健康に対する効果を調査する実証実験を行った。

 参加者に、新鮮な海産物や野菜などの地産食材を中心にした食事、ウォーキングなどの運動をしてもらい、3日目に検査を行った。その結果、旅行中に中性脂肪値、コレステロール値がそれぞれ低下する傾向がみられた。また、コルチゾルの代謝産物量が減少したことからストレスの低下、NK細胞数とリンパ球比の増加がみられたことから免疫力の向上という効果も得られたとしている。

 血糖値も低下傾向にあり、美食を盛り込んだツアーにより糖代謝が悪化するという弊害はみられなかった。ツアーの食事が食物繊維が多く、脂肪酸のバランスが良かったことや、普段よりも運動量が増えたことが要因だと考えられている。

ヘルスツーリズムに課題も
 ヘルスツーリズム研究所の調査について、篠原菊紀・諏訪東京理科大学教授は「旅行によって好ましい生理学的な変化が得られることが確かめられても、この効果の持続期間は短い。旅行が健康に寄与することを目指すなら、栄養教育の導入、アフターケア体制の充実など、旅行を契機とする健康教育を推し進める必要がある」と話している。

 さらに、バリアフリーを推進した宿泊施設などが必要になり料金が割高になりやすいことなども課題になっている。

ヘルシーツーリズム研究所((株)JTB)
琵琶湖一周スポレク健康ウォーキング(滋賀県・PDF)

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[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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