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2007年08月14日

[沖縄] 「長寿県」でも糖尿病やメタボが深刻に

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 沖縄は長寿県として知られている。長寿の要因として、温暖な気候の中でよくからだを動かすことや、肉類の脂肪分をよく落としてから食べる伝統的な料理法、塩分の摂取量が少ないことなどが挙げられる。しかし近年は、ファストフードに代表されるような食事の欧米化や、運動不足が原因で、大きく変わってきている。


4位から26位に急落
 沖縄県の平均寿命は、2000年には女性が86.01歳で日本一だったが、男性は77.64歳で、5年前の4位から26位に急落した。2005年の調査では、男性だけでなく女性も糖尿病、肝疾患などの3項目で全国ワーストになった。

 1980年代以降の大きな傾向として、肥満の増加が挙げられる。このほど発表された「2006年度県民健康調査」では、肥満指数(BMI)が25以上の肥満者は、男性では、20歳代から70歳代まですべての年齢層で40%を超えた。女性でも、50歳代で41.1%、60代ので46.8%、70代で56.5%と年を重ねるほど多くなる。

 脂肪からのエネルギー摂取が30%以上の人は、成人男性で30.5%、女性で36.4%で、男女ともに全国平均をおよそ10%上回った。

 沖縄県では糖尿病による死亡率も高い。全国平均と比べ1990年頃まで低い数値だったが急速に増え、ワーストの徳島県に迫る勢いだ。

 さきごろ発表された厚生労働省の調査によると、都道府県別の人口10万人当たりの糖尿病患者による1日の外来受診者は、2005年は沖縄が最少の88人だった。基本健康診査の受診率は29.2%で、全国44位と低い。糖尿病の早期発見と予防対策が遅れているとみられている。

5年後に医療費が1000億円増えると予測
 先月25日に県庁で開かれた医療費適正化計画検討委員会では、沖縄県の医療費は、糖尿病などの生活習慣病対策や、療養病床の再編を実施し適正化をはからなければ、5年後の2012年度には約1,000億円増え、4,306億円に増えると推計された。

 70歳以上の医療費が全国よりも極端に高く、療養病床の平均在院日数が全国が172.8日であるのに対し、沖縄は257.0日と2カ月以上長いという。また、外来受療率は全国一少ないが、入院受療率は全国平均を上回っている。

 「沖縄ではふだんは健康に自信をもっている人が多い。病気になってもなかなか病院に行かず、症状が悪くなってから病院に行きすぐに入院する例が多い」という。また、近距離の移動にも自動車を使うことが多く、運動不足になりやすい。

 同県は健康診査の実施率を上げ、糖尿病やメタボリックシンドロームを早期発見する対策を進めている。

詳しくは「健康おきなわ2010」へ

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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