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2008年07月14日

インスリン治療を適切な時期に開始するために「注入器の操作性」も重要

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 日本イーライリリーは、糖尿病合併症とその予防に有効なインスリン治療への意識について、50代から60代の糖尿病患者200名を対象にインターネット調査を今年6月に実施した。
 インスリン未治療患者では「注射できるか自信がない」「注入器の操作が複雑で面倒」といった声が多く、より扱いやすいインスリン注入器を望む人が多いことがうかがえる結果になった。

 糖尿病合併症を予防するために良好な血糖コントロールが求められる。インスリン治療は血糖コントロールに有効な治療法であり、適切な時期に適切な治療を開始することが望ましい。しかし、実際には治療の開始が遅れる患者は多い

 調査では、50代から60代の7割以上の人は糖尿病合併症に不安を抱いている一方で、医師にインスリン治療を勧められても、治療に対する不安が強かったり、誤解のために、治療の開始を先延ばししてしまう患者が少なくないことが示された。

 インスリン注入器はおよそ20年前に、扱いやすいカートリッジ交換型の「ペン型」注入器が登場し治療を行いやすくなり、注射に対する心理的な抵抗感を軽減するのにも役立った。

 その後も改良が加えられ、現在では注入器とインスリン製剤が一体化したディスポーザブル(使い捨て)型が主流となっている。高齢の人や手の力が弱い人も使いやすい注入感が軽くてスムーズな注入器も開発されている。

インスリン治療を始める前は多くの患者が不安を抱く
 インスリン未治療患者では、血糖コントロールや合併症予防などインスリンによる治療効果への理解が低い傾向がみられた。インスリン治療や注入器について、「分かりやすい説明・情報を得たことがある」人が2割以下と少なく、「インスリン注入器を見たことがない」(54%)と半数以上に上り、十分な情報を得ていない傾向が示された

 治療に対する具体的な不安要素として、「インスリン治療を開始すると一生やめられない」(42%)、「インスリン治療をするようになったら末期だ」(41%)といった誤解や、「インスリン治療をするのは複雑で面倒だ」(53%)など、ネガティブな印象を抱いている人が多いことが分かった。医師にインスリン治療を勧められても、45%はすぐにインスリン治療を開始しないという結果となった。

 具体的な不安要素は、「自分で注射できるか自信がない」(30%)、「注入器の操作が複雑で面倒」(30%)など注射に対する不安が多く、操作が簡便で扱いやすい注入器への要望が強いことがうかがえる結果になった。

 注入器の選択についての質問では、「医師から、ひとつのインスリン注入器をすすめられた」人が91%に上り、インスリン注入器の選択はほとんどは医師に委ねられている。一方で、インスリン未治療患者の6割以上は、「複数の選択肢から、医師と相談の上、決めたい」と回答している。多くの患者はより多くの情報提供や選択肢とともに、具体的な治療法決定への参加を望んでいる。

高齢者にも使いやすい操作性を備えたインスリン注入器
 すでにインスリン治療を始めている患者では、「血糖コントロールがしやすくなる」(73%)、「将来の合併症予防に役立つ」(50%)、「他の治療よりも効果が高い」(48%)など、治療の効果を前向きにとらえている人が多いことが分かった。

 インスリン治療を「もっと早く始めればよかった」と回答した人は3割以上で、その理由は、血糖コントロールなどの治療効果に加え、「予想よりもインスリン注射が難しくなかった」と、実際の使用により、注射への不安がやわらいだことを挙げた

 インスリン注入器については、インスリン治療を開始した患者では、約7割が現在使用している注入器に満足していると答えたが、注入器に求める機能のうち、「注入ノブが押しやすい」「携帯しやすい」「自分の手に扱いやすい長さ」については重要度と比較して満足度が低かった。不満を解消する注入器があれば変更したいと回答した人が約8割に上った。

Diabetes.co.jp 日本イーライリリー(株)

関連情報
操作が簡単で、手の小さな人も操作しやすいインスリン注入器

このページの記事は、日本イーライリリーが7月7日付で発表したプレスリリースを参考にしています。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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