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2009年03月10日
献血時のグリコアルブミン検査がスタート
- キーワード
- 糖尿病の検査(HbA1c 他) 糖尿病予備群
日本赤十字社は3月15日から、献血時の生化学検査の項目にグリコアルブミン値を追加する。献血時に行う検査としては、血液の安全性を確保するために行う検査(細菌やウイルスのチェックなど)に加えて、献血協力者に対するサービスとして、肝機能検査やコレステロール値の検査を行い結果を協力者に提供している。グリコアルブミン検査は後者の検査の一環として無料で協力者全員に実施する。
近年、糖尿病を巡っては、その患者数の増加と発症の低年齢化だけでなく、糖尿病であるにもかかわらずそれに気付かず放置している患者さんが少なくないことから、将来的に合併症が急増することが危惧され、社会的な問題となっている。現在の公的な健診制度は対象が40歳以上に限定されることが多く、若い人の糖尿病や糖尿病予備群が見逃されているが、献血には比較的若い人も協力するため、そういった人たちの中から糖尿病や糖尿病
グリコアルブミン検査導入の背景
献血協力者へのサービスとしての生化学検査では、これまで ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、総蛋白、アルブミン、アルブミン/グロブリン比、コレステロールの各検査値が協力者に提供されてきた。肝機能を評価する検査が3つ含まれている一方で、糖尿病関連の検査は含まれていなかった。これは、従来、国内では肝炎の発病が多くその早期発見が重要であり、糖尿病は現在ほど多くはなかったためなぜ、血糖値や HbA1Cではなく、グリコアルブミンなのか
糖尿病関連の血液検査としては、血糖値のほかに HbA1C、グリコアルブミンなどの検査がある。
血糖値は糖尿病の診断に必須の検査だが、食事の影響を受けて大きく変化するため、献血に協力するタイミングによっては、糖尿病の心配が少ない人に対してまで注意を促す結果になったり、反対に糖尿病が見逃されたりする可能性を伴う。仮に空腹時に限定し採血するとした場合、協力者が限定されるだけでなく、わずかながら採血後の副作用の頻度が上昇する危険もあるグリコアルブミン値による糖尿病の有無の評価
グリコアルブミン検査は現状では糖尿病の診断には用いられていないが、多くの研究により、血糖値や HbA1C値など他の糖尿病関連検査とよく相関することが明らかになっている。日本赤十字社では下
グリコアルブミン値による糖代謝の判定
妊娠の可能性がある若い女性のメリットが特に高い
献血時にグリコアルブミン検査が実施されることにより、これまで見逃されていた糖尿病やその予備群が早期発見されると日本赤十字社(プレスリリース)
グリコアルブミン情報ファイル(糖尿病NET)
より良い血糖コントロールの維持・確認のために(糖尿病NET)
[ DM-NET ]
日本医療・健康情報研究所
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