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2009年09月01日
インスリンを鼻に噴霧 ナノ粒子を用いた技術開発
- キーワード
- 1型糖尿病
インスリン製剤を通常の注射ではない方法で投与できるようにする基本技術を東レなどが開発した。10億分の1メートルのスケールで技術開発を行うナノテクノロジーを活用したもので、実用化すると、例えば月1回の注射や、点鼻薬のように鼻に噴霧することで治療を行えるようになるという。
インスリンなどの医薬品は消化管から吸収されにくいため、飲み薬など注射以外の方法で投与するのは難しい。そのため頻回注射を行う必要がある。インスリン療法の注入器や注射針は、糖尿病患者の苦痛や負担をより軽くしたものが開発され治療に使われているが、患者によっては「注射が負担になっている」という声がある。 そこで、体内で医薬品を長期にわたり徐放する技術の開発が世界中で行われている。この技術が実現すると、注射回数を毎日1回から月1回に減らすなど、注射回数を低減することができる。体内の薬物濃度を適度なレベルに長時間維持することで、患者のQOL(生活の質)や治療効果を向上し、副作用も低減できると期待されている。 東レが開発したのは、水になじむ親水性部分と油になじむ疎水性部分を合わせもつ重合体を用い、内部が親水性、外側が疎水性という集合状態になったナノサイズ(ナノメートルは1メートルの10億分の1)の微粒子に薬物を封入する新しい技術。これにより、薬効のある蛋白薬物を80%以上の高い効率で内に包み込むことができるようになった。重合体の種類や分子量を変えることで、薬物の徐放時間を1週間〜2ヵ月までコントロールすることが可能になり、微粒子化の技術により、薬物の多くが放出され血中濃度が一時的に高くなるのを抑えることもでき
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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