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妊娠糖尿病の診断基準を改定 【日本糖尿病・妊娠学会】
2010年03月18日

 日本糖尿病・妊娠学会(理事長:中林正雄・母子愛育会愛育病院院長)は、妊娠をきっかけに発症する妊娠糖尿病(GDM)の定義と診断基準を変更する方針を公表した。

 妊娠糖尿病は従来、妊娠前に発症した糖尿病も含んでいたが、今回公表した改定案では、妊娠糖尿病を「妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である。あきらかな糖尿病は含めない」と定義し、一般的な糖尿病と区別した。診断基準などを変更することで、軽い高血糖の妊婦にも治療を促すことにした。

 妊娠糖尿病の定義と診断基準を世界で統一しようという動きがあり、国際糖尿病・妊娠学会(IADPSG)は、世界で統一した妊娠糖尿病診断基準を提唱している。同学会でも昨年、妊娠糖尿病診断基準検討委員会を立ち上げ、(1)IADPSGの新診断基準を日本でも採用する。(2)スクリーニング(検査値をもとにしたふるい分け)方法については、「産婦人科診療ガイドライン―産科編2008」で推奨されている方法を踏襲し、広くスクリーニングを広めるという方針を固めた。

 同学会では、作成した妊娠糖尿病診断基準改定案(最終変更案)を日本産科婦人科学会、日本糖尿病学会に答申、日本産科産婦人科学会では了承されたとしている。今年5月の日本糖尿病学会での討論をへて最終決定される予定。

妊娠糖尿病の定義および診断基準 改定案
日本糖尿病・妊娠学会 妊娠糖尿病診断基準検討委員会

改定案
妊娠糖尿病(GDM):妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である。あきらかな糖尿病は含めない。

診断基準:
妊娠中に発見される耐糖能異常hyperglycemic disorders in pregnancyには、1. 妊娠糖尿病gestational diabetes mellitus (GDM)、2. 明らかな糖尿病overt diabetesの2つがあり次の診断基準により診断する。

  1. 妊娠糖尿病(GDM)
    75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
    1. 空腹時血糖値 ≧92mg/dL(5.1mmol/l)
    2. 1時間値 ≧180mg/dL(10.0mmol/l)
    3. 2時間値 ≧153mg/dL(8.5mmol/l)

  2. あきらかな糖尿病 overt diabetes
    以下のいずれかを満たした場合に診断する。
    1. 空腹時血糖値≧126mg/dL
    2. HbA1C≧6.1%(DCCT standardized≧6.5%)注1
    3. 随時血糖値>200mg/dL注2
      *随時血糖値>200mg/dLの時は、空腹時血糖かHbA1Cで確認
    4. 糖尿病網膜症が存在する場合

  1. The Diabetes Control and Complications Trial(DCCT)
    DCCT standardized≧6.5%はわが国のHbA1C測定法では≧6.1%に相当。

  2. 妊娠中の75gOGTT 2時間血糖値≧200mg/dLの場合は、あきらかな糖尿病診断基準項目1-4について検討し、あきらかな糖尿病かどうか判定する。
    特にHbA1C6.1%以下で75gOGTT2時間値≧200mg/dLの場合は、明らかな糖尿病とは判定し難いので、High risk GDMとし、妊娠中は糖尿病に準じた管理を行い、出産後は糖尿病に移行する可能性が高いので厳重なフォローアップが必要である。

日本糖尿病・妊娠学会
  妊娠糖尿病の定義および診断基準の変更について

[ Terahata ]
カテゴリー :糖尿病の検査  2010年  糖尿病の診断基準  

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