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2011年01月07日
運動が糖尿病を改善 米国で2型糖尿病の運動ガイドライン
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米国で2型糖尿病患者のための新しい運動ガイドラインが発表された。ウォーキングなどの活発な運動を週に3日以上、合わせて2.5時間以上行い、筋肉を強くするために筋力トレーニングをとりいれることを勧めている。
週に3日、2.5時間以上の運動が糖尿病を改善する
新しいガイドラインは、米国糖尿病学会(ADA)と米国スポーツ医学会(ACSM)が共同で編集したもので、ACSMの学会誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」2010年12月号に発表された。
運動や身体活動を増やすことは、健康的な生活をおくるために全ての人に勧められる。新ガイドラインでは、糖尿病の人は、ウォーキングなどの適度で活発な運動を週に3日以上、合わせて2.5時間以上を行うことを勧めている。
血糖コントロールや代謝コントロールが極端に悪い場合や、糖尿病合併症のある人などでは、運動が制限あるいは禁止されることもある。ガイドラインでは糖尿病患者が運動する場合の注意点についてもアドバイスしている。
「2型糖尿病の人では、特に中高年以上になると筋力が低下しており、活発な有酸素運動を続けられる身体能力をもっていないおそれがある。骨や関節などの運動器がうまく働かなくなるなど、運動を制限しなければならない場合もある」とガイドライン編集委員のSheri Colberg氏は説明する。
しかし、適度で活発な運動を続けることで、多くの恩恵がもたらされるのは確かなことだ。運動を行うとブドウ糖、脂肪酸の利用が促され、血糖が低下する。運動を続けることで、適正体重に近づけることができ、インスリン抵抗性も改善する。「糖尿病であっても、運動量を減らすことは勧められない」とColberg氏は強調する。
運動はクスリ 運動をしよう(米国スポーツ医学会)
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有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせると効果的
米国糖尿病学会(ADA)によると、運動には次のような10の効果がある
- 運動を続けることで、血糖コントロールとインスリン抵抗性が改善する。ブドウ糖の利用が促させ、血糖が低下する。
- 運動により心肺機能が良くなり、高血圧が改善する。
- 脂質異常が改善する。運動は善玉(HDL)コレステロールを上げ、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を下げる。これらは心臓の健康のためにも良い。
- 運動を続け、血糖コントロールの改善と減量に成功すれば、飲み薬やインスリンの量を減らせることもある。
- 肥満の人が十分な量の運動を続けてエネルギーを燃やせば、減量と適正体重の維持につながる。
- 運動は心筋梗塞や脳卒中、がん、骨粗鬆症などの予防にも有効である。
- 基礎代謝が向上し、エネルギーを消費しやすい体になる。運動で爽快感や充実感を得られ、睡眠も改善する。
- 運動はストレス解消にもなる。ウォーキングなどの運動で、毎日のストレスに対策できる。
- 骨や筋肉が強くなる。ウォーキングなどの体重に負荷をかける運動は骨格をより強くする。軽めのウェイトトレーニングも(缶詰などを使って行う簡単なものでも)、筋肉を強くする。
- 運動は体を柔軟にし、動きを軽くする。運動は続けるほどに楽しくなる。
Exercise and Type 2 Diabetes: American College of Sports Medicine and the American Diabetes Association: Joint Position Statement
Medicine & Science in Sports & Exercise, 42-12, p2282-2303, December 2010 関連情報
毎日の必要な運動量が分かる「エクササイズガイド」(糖尿病NET)
新しい「運動基準」策定へ 運動強度を示す単位「MET」(糖尿病NET)
40歳以上で「運動習慣あり」は体が「若い」 文科省調査(糖尿病NET)
4人に3人は運動不足、人気1位は「ウォーキング」 内閣府調査(糖尿病NET)
ウォーキング習慣は脳の健康にも良い よく歩く人は「年をとらない」(糖尿病NET)
子供の運動は二極化 体力は親世代に比べ低下(日本生活習慣病予防協会)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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