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2011年03月17日

【東日本大震災2】 インスリン保管の注意 計画停電の影響も

キーワード
医薬品/インスリン
 ノボ ノルディスク ファーマ、日本イーライリリー、サノフィ・アベンティスの3社は、東京電力が計画停電を実施するのに伴い、医療機関向けにインスリン製剤の保管について注意を呼びかけています。
インスリン製剤の保管 3社が注意呼びかけ
 ノボ ノルディスク ファーマ、日本イーライリリー、サノフィ・アベンティスの3社が共同で医療機関向けに行った発表によると、インスリン製剤は通常は常温のままで問題はありませんが、インスリンは蛋白質なので極端に高温になったり温度が低くなると変性するおそれがあります。

  • 病院など非常用電源を使用できる施設の場合は、非常用電源を冷蔵庫にも適用し、インスリン製剤などを適正管理する。

  • 薬局でも、非常用電源を使用できる場合には、同様の対応をする。

  • 非常用電源がない施設の場合は、冷蔵庫内の温度がわかるように温度計を入れ、停電中は極力、冷蔵庫扉の開閉を控える。3時間以内の1〜2回の開閉であれば影響は少ない。計画停電では1回3時間の停電が予定されている。

  • 患者が自宅で保管する場合は、未使用の製剤は冷蔵庫保存となっているが、停電中はドアを開けない限り影響は少ない。使用中の製剤の安定性について、製薬各社が公表しているインスリン製品の保管時の注意をみること。

インスリン製剤・インスリンポンプ メーカー各社の対応
 東日本大震災で、製薬各社の被災地域の工場、営業所の業務に影響が出ていますが、国内でインスリン製剤を販売する製薬3社は安定供給を確保できていると発表しました。
インスリン製品や注入器などの相談窓口
各製薬のインスリン製剤やペン型注入器などに関する問合せが受け付けられています。 (すべてフリーダイヤル)

ノボ ノルディスク ファーマ
ノボケア相談室
電話 0120-180363
  月曜日から金曜日(祝日・会社休日を除く)9:00〜18:00
電話 0120-359516
  早朝及び夜間・土日・祝日・会社休日(時間外受付センター)
日本イーライリリー
医薬情報問合せ窓口 リリーアンサーズ
医療関係者向け 電話 0120-360-605
  当面24時間受付
患者向け 電話 0120-245-970
  当面24時間受付
サノフィ・アベンティス
医薬品関連
くすり相談室 電話 0120-109-905(フリーダイヤル)
  4月15日まで 8:00-20:00(祝日・会社休日を除く)
  4月16日以降 9:00-17:00(祝日・会社休日を除く)
糖尿病関連医療機器の操作方法
オプチコール24 電話 0120-497-010
  24時間365日

インスリンポンプ、関連製品の相談窓口

インスリンポンプがご使用頂けない状況においては、医師の指示に従い、インスリン注射等の代替手段にてご対応ください。かかりつけの医療機関にご相談頂けない場合は、サイトにてインスリンポンプ実施医療機関に関する情報がございますので、お近くの医療機関にてご相談ください。

日本メドトロニック
メドトロニック糖尿病24時間サポートライン
電話 0120-56-32-56

インスリン製剤の安定性
 インスリン製剤メーカー3社は、自社のインスリン製剤の安定性について情報を公開しています。インスリン製剤の破損や外観異常(浮遊物など)に注意し、異常が認められた製剤については使用を控えるよう呼びかけています。

● ノボ ノルディスク ファーマ

未開封あるいは開封後のインスリン製剤は室温に置き始めてから以下の期間の安定性が確かめられています。 (以下は使用時を想定したデータです。)

インスリンアナログ製剤
ノボラピッド注
  ペンフィル、フレックスペン、イノレット、100単位/ml
ノボラピッド30ミックス注
  ペンフィル、フレックスペン
ノボラピッド50ミックス注フレックスペン
ノボラピッド70ミックス注フレックスペン
4週間 30℃以下
レベミル注
  ペンフィル、フレックスペン、イノレット
6週間 30℃以下
ヒトインスリン製剤
ペンフィルR注
ペンフィル30R注-50R注
ペンフィルN注
ノボリンR注フレックスペン
ノボリン30R注-50R注 フレックスペン
ノボリンN注フレックスペン
イノレットR注
イノレット30R注-50R注
イノレットN注
6週間 30℃以下
ノボリンR注 100単位/ml
ノボリン30R注 100単位/ml
ノボリンN注 100単位/ml
6週間 25℃以下
GLP-1受容体作動薬
ビクトーザ皮下注18mg 室温に置き始めて30日以内にご使用下さい。

● 日本イーライリリー

未開封の製剤は、以下の期間の安定性が確かめられています。
ヒトインスリン製剤
ヒューマリンR・N・3/7注6ヵ月 25℃
インスリンリスプロ製剤
ヒューマログ注・N注、ヒューマログミックス25・ミックス50注1ヵ月 30℃

開封後の製剤は、室温において以下の期間の安定性が確かめられています。

ヒューマログN注カート・ミリオペン18日間
上記を除く全てのヒトインスリン製剤・インスリンリスプロ製剤28日間

GLP-1受容体作動薬
バイエッタ皮下注未開封の製剤は25℃で3ヵ月、
開封後の製剤は 25℃で30日間の安定性が確認されています。

* 一部内容に誤りがありました。「未開封の製剤は、室温において以下の期間の安定性が確かめられています」と記述しましたが、正しくは「開封後の製剤は、室温において以下の期間の安定性が確かめられています」です。訂正しお詫び申し上げます。(3月31日更新)

● サノフィ・アベンティス

25±2℃の保存条件で確認
ランタス注(ソロスター、カート、オプチクリック)36ヵ月
ランタス注100単位/mL(バイアル製剤)12ヵ月
アピドラ(ソロスター・カート・バイアル製剤)1ヵ月

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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