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2011年07月04日

食後2時間の尿糖測定は食後高血糖のチェックに有用

 自宅で食後血糖を確認する検査方法として知られる血糖自己測定(SMBG)と尿糖自己測定(SMUG)。最も一般的なSMBGに対してSMUGは、痛みがなく簡便に測定でき、尿をためた時間分の尿糖値から血糖値の状態を大まかに把握できる検査法だ。

 今回、SMUGによって、食後の血糖値をどの程度把握できるのかについて、今年5月、札幌で開催された第54回日本糖尿病学会年次学術集会で、清水内科の安部純院長による発表が行われた。尿糖値と血糖値の相関を示した研究は極めて少なく、その結果に注目が集まった。

 安部先生らによる研究では、清水内科に通院する糖尿病患者さん155名に対し、食事負荷試験における血糖値のピークおよび推移と、食後2時間尿糖値との相関、そして食後2時間尿糖値から食後の平均血糖値の推定を行った。

 その結果、食後2時間の尿糖値と血糖値について、食後30分血糖値、1時間値、2時間値、ピークを出したケースすべてに良好な相関関係がみられた。なかでも、最も好ましい相関関係がみられたのが、食後平均血糖値(食後の血糖値180mg/dLを越えている時間の平均値)と、食後2時間の尿糖値。このことから、尿糖測定は、食後平均血糖値をある程度予測できるため、食後血糖管理ツールとして有用であるとの結論が導き出された。安部先生によると「食後の血糖値を知るのに最も一般的であるSMBGは、食後1回の測定では変化の速い血糖値のピークを確認するのは難しい部分があるが、これらを補完する役割としても、SMUGの有用性が期待される」としている。

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