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欧州で1型糖尿病の発症が増加 患者数は20年間で倍増すると予測
2018年12月17日

 ヨーロッパの22ヵ国で実施された国際的な調査で、1型糖尿病の発症数が増えていることが明らかになった。
 調査は1989〜2013年に26の医療機関で、1型糖尿病の発症数を調べたもの。新規発症数は1年で平均3.4%ずつ増えており、この傾向が続くと今後20年で2倍に増える勢いだという。
1型糖尿病の発症数は年間に3.4%増加
 ヨーロッパの22ヵ国で実施された国際的な調査で、1型糖尿病の発症数が増えていることが明らかになった。研究結果は欧州糖尿病学会(EASD)の医学誌「Diabetologia」に発表された。

 調査は、1型糖尿病患者を対象とした欧州の大規模疫学研究「EURODIAB」の一環として、1989〜2013年に25年間追跡して行われた。

 対象となったのは、ポーランド、ルーマニア、リトアニア、マケドニア、チェコ、オーストリア、ドイツ、ハンガリー、モンテネグロ、スロベニア、クロアチア、英国、スイス、ルクセンブルグ、フィンランド、ベルギー、スウェーデン、ノルウェイ、アイルランド、デンマーク、イタリア、スペインの各都市の26の医療機関だ。

 その結果、14歳以下の1型糖尿病の発症数は年間に3.4%増加していることが明らかになった(95%信頼区間 2.8%-3.9%)。医師により1型糖尿病と診断された小児患者(0〜14歳)は22ヵ国で約8万4,000人だった。

 発症の増加率には地域差があり、もっとも高かったのはポーランドの6.6%、次いでルーマニアの5.6%、リトアニアの5.5%だった。もっとも増加率が低かったのは、スペインのカタルーニャ地方の0.5%だった。

 米国で実施された別の調査でも、1型糖尿病と診断された20歳未満の患者数は2002〜2012年に1.8%増えたことが報告されている。
欧州で1型糖尿病の発症が年間3.4%増加
ウイルス感染が原因のひとつか?
 5つの期間(1989〜1993年、1994〜1998年、1999〜2003年、2004〜2008年、2009〜2013年)に分けて解析したところ、増加の傾向が一貫して続いた国がある一方で、フィンランドや英国など一時期に増加が大きく、その後に横ばいが続いている国もあることも分かった。

 具体的には、フィンランドでは10万人当たりの発症率は2004〜2008年に63.3だったが、2009〜2013年には60.9に低下した。同時期に英国のオックスフォードでは25.2から22.8に変化した。一方、アイルランドでは34.2から34.4と発症率は変わらなかった。

 1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が破壊されインスリンが絶対的に欠乏し発症する疾患だ。小児〜思春期に発症することの多い1型糖尿病は、発熱など感染症の症状を伴い発症するケースがあり、ある種のウイルス感染が原因のひとつと考えられている。

 ドイツ、スイス、英国の4つの医療機関でセンターで4年間の周期性がみつかり、3つの医療期間では2012年にピークがあったことも分かった。研究者は、地域的・気候的な因子がウイルス感染に影響し、周期現象を引き起こしている可能性を指摘している。

 しかし、なぜ1型糖尿病の発症数が増えているのか、また地域差があるのかについて、現在までのところ、結論を導き出せる明確なエビデンスはみつかっていない。「今後もこうした調査を続け、注意深く見守る必要があります」と研究者は述べている。

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1型糖尿病患者を支援する医療体制が必要
 「1型糖尿病の発症を予防、もしくは発症を遅らせるための研究が進められていますが、実際には欧州の1型糖尿病の発症数は増加していることが25年間の調査で明らかになりました。欧州の全域で、1型糖尿病の小児患者に対応するための医療体制を整備する必要あります」と、研究を率いた英国のクィーンズ大学ベルファスト健康科学研究所のクリス パターソン教授は言う。

 「血糖コントロールを改善し、糖尿病合併症や糖尿病に関連する死亡を防ぐために、インスリンを供給するシステムを見直すべきです。小児患者に対応する医療従事者は、患者のモチベーションを高め、最良の治療成果を得られるようにするために、訓練を受ける必要があります」と、パターソン教授は指摘している。

25-year study shows that incidence of type 1 diabetes is increasing by more than 3% per year in Europe(Diabetologia 2018年11月28日)
Trends and cyclical variation in the incidence of childhood type 1 diabetes in 26 European centres in the 25 year period 1989–2013: a multicentre prospective registration study(Diabetologia 2018年11月28日)
[ Terahata ]

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